前回のソニーに続き、今回は
パナソニックのビエラ 2022→2023
で旧型と新型で何が変わったのかをチェックしていきたいと思います。
初めに
今年はM世代
初めに、旧型とか新型というのが、いつのモデルを表すのか明確にしておきましょう。
旧型
2022年に発売し2023年まで販売のモデル(一部継続)
型番にLZ・LXとLがつく(L世代・L年度)
新型
2023年に発売し2024年まで販売見込みのモデル
型番にMZ・MXとMがつく(M世代・M年度)
この格好で進めていきます。
2022→2023
全体図
それではモデルチェンジの全体像ということで、ラインナップ・型番の変化から見ていきましょう。
2022 | 2023 | |
有機EL | LZ2000↗︎ |
↗︎MZ250 |
LZ1800 | MZ1800 | |
LZ1000 | →継続 | |
ミニLED液晶 | ↗︎MX950 | |
液晶 | LX950↗︎ → |
→継続 |
LX900 | MX900 | |
LX800 | MX800 |
こんな感じですかね。
大きく変わったのは・・
▶︎初のマイクロレンズ採用有機EL MZ2500
▶︎初のミニLED液晶 MX950
このあたりが注目ポイントです。
それじゃあ、グレードごとに見ていきましょう。
有機EL
LZ2000→MZ2500
パナソニック ビエラの最上位モデルがこちらです。
旧型
LZ2000
55インチはほぼ完売。65インチはまだちらほら。
新型
MZ2500
↓55インチ
↓65インチ
LZ2000(旧)→MZ2500(新)の主な違いは・・
▶︎ダイナミックハイコントラストディスプレイ→マイクロレンズ
▶︎77インチあり→なし
マイクロレンズ
ごく小さなレンズを使い、発光層から光を効率的に取り出します。
従来の有機ELではあちこちに散乱していた光を、レンズの力で正面側に向けるイメージですね。
主要スペック
主なスペックを表にまとめるとこのようになります。
旧型 LZ2000 |
新型 MZ2500 |
|
パネル | 有機EL | 有機EL |
サイズ | 55 65 77 | 55 65 |
パネル | ダイナミック ハイコントラストNEO |
マイクロレンズ |
パネル制御 | ブライトブースター ドットコントラストPRO |
ブライトブースター ドットコントラストPRO |
色表現 | ヘキサクロマ+ | ヘキサクロマ+ |
倍速 | ○ オブジェクト検出 |
○ オブジェクト検出 |
スピーカー出力 ラインアレイ イネーブルド |
150W※ ○ ○ |
150W※ ○ ○ |
ネット動画アプリ | 主要のみ | 主要のみ |
転倒防止スタンド 首振り |
○ ○(77除く) |
○ ○ |
※55インチの場合
LZ2000→MZ2500の主な違いは・・
▶︎ダイナミックハイコントラストディスプレイNEO→マイクロレンズ
となっています。
個人的印象
パネルが変わり、画質がかなり良くなった印象があります。
「ダイナミックハイコントラストディスプレイNEOからマイクロレンズになった」と言われても、どっちがどれくらいいいのかわかりにくいかもしれませんが、個人的には結構大きな差だと思っています。
マイクロレンズはすごいです。
有機ELテレビは、液晶テレビに比べ暗く地味な見え方になることも多く、現状の課題は明るさの向上とされています。
ただし、従来の構造では輝度の向上は頭打ちとも言われており、世代を重ねても伸び悩んでいる印象がありました。
MZ2500ではマイクロレンズが採用されたことで、この停滞を突き破り一歩前進したように感じます。
「有機ELで一番画質が良いのはこのMZ2500です」と紹介しても多くの方が同意してくれるんじゃないかと思います。
音質面はラインアレイスピーカーとイネーブルドスピーカーを備えた合計150Wの出力で、もとよりテレビ最高峰といえるレベルです。
今年はライバルであるソニーは最上位有機ELの国内での発売はしていないこともあり、有機ELテレビとしては他社から頭一つ抜けた性能になったと思います。
メーカー指定価格商品ということで、価格面での買いにくさはあるんですが、価格に見合った実力はあると感じます。
メーカー指定価格商品
販売店はメーカーの指定した価格でのみ販売が可能な商品です。
価格交渉不可、他店対抗値引き不可。
値引き・ポイントアップなどの他店と差をつける行為は一切できません。
有機EL
LZ1800→MZ1800
次は有機EL2番手モデルです。
有機ELの中ではこちらが売れ筋ゾーンですね。
旧型
LZ1800
まだ在庫もチラホラ見かけます。
新型
MZ1800
LZ1800(旧)→MZ1800(新)の主な違い
▶︎ドットコントラストパネルコントローラー→ドットコントラストパネルコントローラープロ
という格好で変更点は小さめになっています。
あと、性能面ではありませんが、今年から1800シリーズもメーカー指定価格の対象となりました。
ドットコントラストパネルコントローラープロ
画素単位で明るさや色の情報を個別で制御する技術です。
一般的なテレビでは、シーンごとに画面全体で一様に明るさ調整するのに対し、1つのシーンの中でも部分部分ごとに明るさを調整して、コントラストの向上を実現している感じですかね。
グレアパネルに戻った?
LZ1800はハーフグレア(半光沢)という若干すりガラスっぽい表面で、反射しにくいパネルでした。
MZ1800は光沢のある従来通りのパネルに戻り、艶のある黒を感じることができます。
ハーフグレアかグレアなのかまではカタログには記載はありませんが、見た目上はグレアに戻ったように見えます。
主なスペックの違い
新旧の主なスペックを表にまとめるとこのようになります。
旧型 LZ1800 |
新型 MZ1800 |
|
パネル | 有機EL | 有機EL |
サイズ | (48) 55 65 | (48) 55 65 |
パネル | ダイナミック ハイコントラスト |
ダイナミック ハイコントラスト |
パネル制御 | ドットコントラスト | ドットコントラストPRO |
色表現 | ヘキサクロマ+ | ヘキサクロマ+ |
倍速 | ○ オブジェクト検出 |
○ オブジェクト検出 |
スピーカー出力 ラインアレイ イネーブルド |
150W※ ○ ○ |
150W※ ○ ○ |
ネット動画アプリ | 主要のみ | 主要のみ |
転倒防止スタンド 首振り |
○ ー |
○ ー |
48インチはパネルやスピーカー構成が違うので別物として扱います。
ここでは55インチ・65インチについて説明しています。
個人的印象
新旧で大きな違いはないかなぁという印象です。
ただ、旧型のハーフグレアパネルは好ましくないという意見も多かったので、元通りグレアに戻ってよかったと感じます。
1800シリーズも新型のMZ1800からはメーカー指定価格商品となりました。
気持ちとしてはゲンナリはするんですが、最初から価格を抑えて登場しているので割高感は感じないですね。
とはいえ、旧型もまだチラホラ残っている様子。
55インチの場合、新旧で4万円ほどの価格差なので、予算次第で選ぶ感じですかね。
個人的には有機ELは光沢パネルの艶っぽい黒が好きです。
ミニLED液晶
(LX950)→MX950
パナソニック初のミニLED採用モデルがこちらです。
型番としてはLX950の後継とも言えるかもしれませんが・・
LX950→普通の液晶テレビでIPSパネル
MX950→ミニLED液晶テレビでVAパネル
というように全くの別物と言っていいほど違いがあります。
IPS・VAパネル
液晶テレビにはいくつかパネルの種類があるんですが、大きく分けるとIPS系とVAがあります。
大まかな特徴は次のようになります。
IPS | VA | |
コントラスト | ○ | ◎ |
視野角 | ○ | △ |
明るさ | ○ | ◎ |
パナソニックの液晶上位は、ここ数年ずっとIPSパネルが採用されてきました。
正面以外から見ても色合いの変化が少なく、家族団欒のテレビとして人気を得ていました。
旧型(普通の液晶・IPS)
LX950
発売から1年を大きく超えていますが、現状では55・65インチは継続して販売しています。
新型(ミニLED・VA)
MX950
LX950(旧)→MX950(新)の主な違い
▶︎プレミアム液晶ディスプレイ→ミニLED &量子ドット
▶︎IPSパネル→VAパネル
▶︎イネーブルドスピーカーあり→なし
となっており、完全に別物と言えるくらいの違いがあります。
ミニLED
パネル背面に小さなバックライトを細かく配置し、点灯・消灯を部分ごとに制御することでコントラストを向上させる仕組みです。
従来の液晶テレビよりも明暗差の表現に優れる・明るいという利点があります。
ミニLEDテレビについてはこちらのページで説明しています。
主なスペック
主なスペックを表にまとめるとこのようになります。
旧型 LX950 |
新型 MX950 |
|
パネル | LED液晶 IPSパネル |
ミニLED液晶 VAパネル |
サイズ | 55 65 |
55 65 75 |
パネル特徴 | プレミアム液晶 | ミニLED&量子ドット |
バックライト | エリア制御 エリアコントラストPRO |
エリア制御 エリアコントラストPRO |
色表現 | ヘキサクロマ | ヘキサクロマ |
倍速 | ○ オブジェクト検出 |
○ オブジェクト検出 |
スピーカー出力 イネーブルド |
60W ○ |
50W ー |
ネット動画アプリ | 主要のみ | 主要のみ |
転倒防止スタンド 首振り |
○ ー |
○ ー |
個人的印象
新型のMX950はパナソニック初のミニLEDということで期待していましたが、いざ発売されてみると手放しには喜べない印象ですね。
LX950は視野角の広いIPSパネルと、聞き取りやすく臨場感のあるイネーブルドスピーカー採用ということで、家族揃って楽しめるテレビとして好印象でした。
新型のMX950はミニLED採用ということで、確かに明るくもなりましたし、明暗表現も良くなったと感じます。
ただ、これまで好評だったIPS・イネーブルドの組み合わせがなくなってしまったということで、すぐには馴染めない気持ちもあります。
新型のMX950は決して悪い訳じゃないんですけど、各社ミニLEDが揃っている中では選ぶ決め手にかける印象ではあります。
ミニLED最後発の割には・・っていう感じですかね。
現状では旧型のLX950も継続して販売されています。
新旧で良さの方向が違うので比較するのは難しい面もありますが、「旧型の方がいいよね」っていうお客様も一定数いるかと思います。
新旧の価格差が7〜8万円ほどあることを考えると「旧型のLX950が販売されている間に買っちゃった方がいいのでは」という気持ちになります。
液晶
LX900→MX900
50インチ以下の定番シリーズなんですが、これもIPSパネルからVAパネルに変更されています。
旧型(IPSパネル)
LX900
ほぼ完売状態です。
新型
MX900
LX900(旧)→MX900(新)の主な違いは・・
▶︎IPSパネル(49インチ)→VAパネル(全サイズ)
▶︎高輝度液晶→高輝度液晶&分割駆動
と、パネル・バックライト制御が変わっています。
直下型分割駆動液晶
バックライトの点灯を部分的に制御し、明暗差を向上させる技術です。
ミニLEDの簡易バージョンという感じですかね。
主なスペック
旧型 LX900 |
新型 MX900 |
|
パネル | LED液晶 IPSパネル(49) VAパネル(43) |
LED液晶 43・50ともVA |
サイズ | 43 49 | 43 50 |
バックライト | 高輝度 | 高輝度&分割駆動 |
パネル制御 | エリア制御 エリアコントラストPRO |
エリア制御 エリアコントラストPRO |
色表現 | ヘキサクロマ | ヘキサクロマ |
倍速 | ○ オブジェクト検出 |
○ オブジェクト検出 |
スピーカー出力 イネーブルド |
30W ー |
30W ー |
ネット動画アプリ | 主要のみ | 主要のみ |
転倒防止スタンド 首振り |
○ ー |
○ ー |
個人的印象
先ほどと同じ話になっちゃうんですけど、IPSパネルがなくなったのが引っかかりますね。
とはいえ、新型はバックライトの分割制御やコントラストのエリア制御が強化され、これはこれで良いとも思います。
ソニーの50X90Kあたりが近い構成なんですけど、こっちの方が安いですからね。
パナソニックらしさは薄れたようには感じてしまいますが、相変わらず無難というか手堅いポジションだと思います。
液晶
LX800→MX800
パナソニック4K液晶の中で、唯一倍速非対応のエントリークラスです。
旧型
LX800
家電量販店のネット通販でもまだ多少販売があるようですが、完売傾向です。
新型
MX800
LX800(旧)→MX800(新)の主な違い
▶︎高輝度液晶→直下型高輝度液晶
個人的印象
新型では直下型バックライトが採用しれていますが、分割駆動はないので、あまり変化は感じません。
マイナーチェンジという感じですね。
ただ、旧型と新型で値段がそれほど変わらないケースもあるようです。
数千円の違いだったら新型の方がいいんじゃないかと思います。
おさらい
最後に簡単におさらいしておきたいと思います。
1番の注目はやはりマイクロレンズ採用の有機ELテレビ MZ2500ですね。
これは他メーカーも含めて、今年の新型の中でも最大級にインパクトがありました。
一方でミニLEDは不発とまでは言わないまでも、これまでと大きく路線変更があったことで、すぐには受け入れられない雰囲気を感じます。
他のグレードは順当なモデルチェンジでしたかね。
以上、パナソニック ビエラの2022→2023の新旧比較でした。
最後までご覧いただきありがとうございます。