洗濯機 家電コラム

【どれ位省エネ?】ドラム式洗濯機の”ヒートポンプ乾燥”って何?メリットは?

「ヒートポンプね、聞いたことはあるから知らないわけじゃないんだけど・・つまりどんなもの?」

ドラム式洗濯機の説明を聞いていると必ずと言っていいほど登場する”ヒートンプ”という言葉。

どうやら省エネや乾燥の仕上がりに関係があるようですが一体どんなものなんでしょうか?

この記事では・・

  • ヒートポンプ乾燥って?
  • どんな仕組み?
  • メリットは?
  • どんな機種についているの?
  • どれくらい省エネなの?

この辺りを解説したいと思います。

ヒートポンプって何?

ヒートポンプ自体はいろいろなものに使われている技術なのですが、ここではドラム式洗濯機の場合についてお話しします。

私も専門的なことは説明できないので、おおまかなイメージで説明します。洗濯機の機能・性能の理解を深めるために知ってらたいいよね・・という程度です。

洗濯機でヒートポンプと言ったら”ヒートポンプ乾燥方式”のことですね。

ヒートポンプとは・・

熱(ヒート)をポンプでくみ上げる仕組みです。
もう少し詳しくいうと、機械の力で空気から熱を取り出す技術です。

ポンプというくらいですから低いところから高いところへ熱をくみ上げるわけですね。
こんなイメージです。

空気中の熱も高いところと低いところがあれば普通は混ざって中位の温度になりますよね。

それに対し、ヒートポンプは”ポンプ”ですから、熱を電気の力を使って強制的に低いところから高いところへ汲み上げます。自然の流れとは逆方向に熱を移動するんですね。

その際に・・
熱が奪われた空気は周囲の空気よりも冷たくなります。そして、その冷たい空気で空気中の湿気が結露し除湿されます。

一方で、除湿された&熱をもらった"乾いた温風"が出来上がり、これを衣類乾燥に利用します。

こんな家電でも・・

ヒートポンプ自体はエアコンや除湿機・冷蔵庫・エコキュートなどのいろいろな家電に使われています。

その中でも除湿機はドラム式洗濯機のイメージに近いですね。

■除湿機の場合

冷風と温風両方が出ますよね。除湿された空気なので洗濯物に当てると乾きが良いです。

■ドラム式洗濯機の場合
温風を洗濯槽内に出して衣類乾燥。冷風は周りに排出されます。

冷風は分散して排出されますし、本体周辺が温まっているので涼しく感じることはまずないです。

ここまでまとめると・・
▶︎ヒートポンプは空気を暖かい部分と冷たい部分に分ける。
▶︎冷たい部分で空気が冷えて除湿される。
▶︎乾いた温風で衣類を乾かす。
ことがわかりました。ざっくり言うと除湿機と同じということです。

乾燥の方式2種類

洗濯乾燥機には大きく分けて2つの乾燥方式があります。
①ヒーター乾燥
②ヒートポンプ乾燥

2つを比べることでヒートポンプ乾燥のメリットがわかります。

①ヒーター乾燥

縦型洗濯乾燥機とドラム式洗濯機の1部の機種はこの方式を採用しています。
ヘアドライヤーと同じで、電気を熱に変えて温風を作ります。

■ヒーター方式のメリット
▶︎本体価格が比較的安い
▶︎本体重量が比較的軽い

■ヒーター方式のデメリット
▶︎高温の熱風を作るので衣類が痛んだり、縮んだりしやすい。
▶︎”使った電気=熱”なので省エネ性が低い
▶︎一部の機種では水を使う
▶︎乾燥中のドア開閉ができない

メリットはわかりやすいですね。ヒートポンプ式に比べ仕組みがシンプルなヒーター方式は安価で軽量です。

ですがデメリットも多くあります。

ドライヤーを思い出してください。至近距離で風に当たるとかなり暑いですよね。吹き出し口付近では90℃以上の温度があります。

ですから衣類が熱によって傷んだり縮んだりしやすいんです。また、本体も熱くなるので冷めるまでドアがロックされ、乾燥中に開閉ができなくなっています。

電気の使用を減らせば熱も減りますので、乾きが遅くなり結局省エネにはなりません。また、衣類から出る大量の湿気を除湿するために水道水を追加で使います。

 

②ヒートポンプ乾燥

パナソニック、東芝、シャープの1部の機種に採用されています。縦型洗濯乾燥機にはヒートポンプ乾燥タイプはありません。

■ヒートポンプ乾燥のメリット
⭕️乾燥の電気代が安い
⭕️痛み・縮みが少ない
⭕️水道水の追加が必要ない
⭕️乾燥中でもドアを開閉できる

空気中にすでにある熱を集めて使うので、ヒーター式に比べ効率が良く電気代が安く済みます。およそヒーター式の半分程度の電気代で乾燥機能を使うことができます。

先ほどヒートポンプの温風は乾燥していると説明しました。

ヒーター式と違い、乾いた風を使っているので、温度を上げすぎることなくしっかり乾燥することができます。ですから熱による痛みや縮みが少ないんですね。

また、ヒートポンプの仕組み自体に除湿する効果があるので、乾燥時に水道水を追加する必要がありません。

乾燥の温度は約60℃ほどです。本体も熱くなりすぎないので、一時停止すれば乾燥中でもドアを開けることができます。

■ヒートポンプのデメリット
▶︎本体が重い
▶︎本体の価格が高い

ヒートポンプの仕組みはヒーター式に比べだいぶ複雑な為、高価で重いです。

乾燥機能の内容でいえばヒートポンプ乾燥があらゆる面で優秀です。最近ではある程度価格を抑えたヒートポンプタイプも販売されています。ドラム式ならヒートポンプ式乾燥がオススメです。

まとめるとこうなります。
 

ヒートポンプ式はいいことづくめですね。

ドラム洗濯機の選び方はこちらで解説しています。

どれくらい省エネなの?

これまでヒートポンプ乾燥はヒーター乾燥に比べ電気代が安いとお話ししてきました。

とことで、どれくらい電気代に差が出るのでしょうか?

コスト計算するために、水道代も合わせて見てみましょう。

電気代の計算は1kWあたり31円で計算します。

ヒートポンプ乾燥の例
パナソニック NA-LX129B

パナソニックの大人気モデルです。

6kgを洗濯・乾燥した場合
使用水量 55L 約14円
使用電力 890wh 約28円
合計 約42円

 

ヒーター乾燥の例
シャープ ES-H10G

シャープのヒーター乾燥方式モデルです。

6kgを洗濯・乾燥した場合
使用水量 96L 約24円
使用電力 1880wh 約58円
合計 約82円

ヒートポンプタイプに比べ水量・電力が大きく増えています。

トータルコストはほぼ2倍の開きがありますね。

参考機種①10年前のヒートポンプ式
パナソニック NA-VR1200

2007年発売のヒートポンプ乾燥搭載機種です。古い機種なので商品リンクはありません。
参考までにこれも比べてみましょう。

6kgを洗濯・乾燥した場合
使用水量 61L 約15円
使用電力 1450wh 約45円
合計 約60円

当然ですが同じヒートポンプどうしでも10年前の機種よりも現在の機種の方がだいぶ省エネですね。年々性能が上がってきたことがはっきりわかりますね。とはいえ、現在のヒーター式よりもだいぶ省エネなことがわかりますね。

 

参考機種② 乾燥なし5kgタイプ
パナソニック NA-F5B1

乾燥なしの5kgタイプです。これも参考に比べてみましょう。

5kgを洗濯のみした場合
使用水量 114L 約29円
使用電力 90wh 約2円
合計 約31円

最初に紹介したドラム式 NA-LX129B
→洗濯と乾燥合わせて約38円

こちらの5㎏タイプ(乾燥なし)
→洗うだけで約31円

このように、たった7円しか変わらず乾燥までできるんです。

ヒートポンプ搭載のドラム式洗濯機が、いかに節水で省エネかわかりますね。

ちなみにNA-LX129Bには、時間をかけて乾かす代わりに電気代をさらに抑える”省エネ乾燥コース”が用意されています。

この場合の電気代は約19円となり、水道代と合計で31円。

つまりNA-F5B1で洗濯だけするのと同じコストで、洗濯から乾燥までを行うことも可能です。

以上4機種比較してみました。個人的にはヒートポンプ式が圧巻の性能だと思うんですが、皆さんはどう感じましたでしょうか?

まとめ

ヒートポンプ式洗濯機の仕組みとメリットを紹介してきました。

確かに高額ではあるんですが、ヒートポンプはいいことづくめ

ドラム式洗濯機の購入を検討している方は是非ヒートポンプで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

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