春に買い時を迎える家電といえば・・
リビング向けのテレビ
がその代表じゃないでしょうか。
現在、2021年モデルの生産完了が近づき、かなりお得な価格になっています。
ということで、本日のテーマは
有機ELテレビ
パナソニックJZ1000シリーズ ソニーA80Jシリーズを比較
この内容でお伝えしたいと思います。
いつもは値段が高い有機ELテレビも、だいぶ値下がりしてきています。
「そろそろ有機ELにしてみようかな」
「この価格だったら手が届きそう」
なんて思っている方もいるんじゃないかと思います。
パナソニックとソニー
どちらも人気のメーカーですので、悩んでいた方も多いんじゃないでしょうか。
できるだけ、売り場でのご案内に近い形で比較していきたいと思います。
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有機ELテレビってどんなもの?
ではまず最初に、そもそも有機ELテレビとはどんなものかについてお話ししたいと思います。
現在の主流は液晶テレビで、皆さんの多くがお家で使っているテレビもほとんどの場合、液晶テレビのはずです。
そして、ここ2〜3年で普及してきた、比較的新しい種類のテレビが有機ELテレビというものです。
有機ELテレビは、従来の液晶テレビに比べ、
▶︎キリッとした映像で画質が良い
▶︎でもその代わり、価格が高いテレビ
と思ってもらえればOKです。
詳しくはこちらのページで解説しています。
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【有機EL 液晶の違い】有機ELテレビと液晶テレビはどっちがいい? メリット・デメリットを店員が解説
続きを見る
液晶テレビの弱点
現在の主流は液晶テレビですが、液晶テレビには大きな弱点が2つあります。
弱点①
真っ黒が作れない
液晶テレビは真っ黒を作ることができません。
黒に見えている部分も、実は少しグレーになっています。
そのため、液晶テレビはメリハリに欠ける映像になりがちです。
液晶テレビの弱点②
視野角が狭い
多くの液晶テレビは、テレビの正面から斜めにずれるほど、色が白くもやっと見えてしまいます。
一部斜めにも強い液晶テレビもありますが、割合としては斜めが苦手ななテレビのほうが多いですね。
お家のテレビでも・・
「なんか横の方から見ると色が白っぽくなるなぁ」
って思い当たるかたも多いんじゃないでしょうか。
有機ELテレビの場合
液晶テレビの弱点を改善したのが、有機ELテレビっていう感じですね。
有機ELテレビは真っ黒を表現できますから、
▶︎液晶テレビに比べ、キリッと引き締まった映像
になっているという感じです。
また、視野角も充分に広いので、
▶︎部屋のどこから見てもはっきりとした色合い
で視聴することができるんです。
もっと詳しく
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【有機EL 液晶の違い】有機ELテレビと液晶テレビはどっちがいい? メリット・デメリットを店員が解説
続きを見る
よかったら合わせてご覧ください。
重要ポイント
メーカー選び
次に皆さん気になるのは、メーカーはどこがいいかじゃないかと思います。
人気はやはりソニー・パナソニックですね。
液晶ではソニー優勢っていう感じがします。
今回はその人気2社の有機ELで比較していくわけなんですけど、 それぞれのモデルのポジションはこんな感じです。
テレビの大手4社では、 有機ELテレビが2機種ずつラインナップされています。
ここでは、性能が一番良いモデルを最上位モデル、2番目のモデルを2番手モデルと呼ぶことにします。
今回比較するJZ1000と、A80Jはどちらも2番手モデルに該当します。
それでは、それぞれのスペックから見ていきましょう。
スペック比較
それではまず、主要なスペックから見ていきましょう。
映像処理
それぞれの映像エンジンは・・
▶︎パナソニックがヘキサクロマプラス
▶︎ソニーがXRとなっています。
まぁ、これは比べるようなものでもないです。
スピーカー
スピーカー出力はどちらも30ワットで同じになっています。
この〇〇ワットというのは、音のパワーみたいなもので、車で言う排気量みたいなものです。
この数字が大きいほど、音のビリビリ感やシャカシャカ感が減って、聞きやすくなる感じです。
W数は同じでも、2社で音の出方は少し違うので、後ほど詳しく説明したいと思います。
録画機能
外付けHDDを取り付けた場合の同時録画の数も、どちらも2つで同じになっています。
これもリビング向けテレビとしては一般的な内容ですね。
ココに注意
これから解説する内容は、55インチ 65インチの場合の話です。
パナソニック・ソニー共に、この2つのサイズ以外は同じシリーズでも仕様が異なります。
注意して下さい。
画質を比較
じゃあ次は、一番重要な画質を比べていきましょう。
先にお伝えしておきますが、有機ELテレビなだけあって、どちらも画質は綺麗です。
ですから、どちらも画質は良いですし、その差はほんのわずかです。
誤差と言っちゃえば誤差ですし、好みっていうくらいで片付けられるくらいの差です。
ただ、それだけではどっちにするか選びにくいと思うので、どうして2点の差をつけたのかっていう理由についてお話ししたいと思います。
パナソニック
JZ1000
まずはJZ1000の画質についてです。
JZ1000最大の特徴は、放熱プレートが入っていることです。
有機ELテレビの1番の敵といえば、やはり発熱なんじゃないかと思います。
熱がこもると、映像の処理能力が低下して、本来の実力を発揮できなくなってしまうんですね。
この熱を逃がしてやるのが放熱プレートの役割です。
これまでの一般的な有機ELは、放熱プレートが入っていませんでした。
ですから、意図的に明るさを抑えた映像になりがちだったんですね。
JZ1000は放熱プレートが入っていますので、しっかりと本来の明るさを表現できるようになるわけなんです。
しっかりとした明るさを表現するのには、放熱は欠かせない要素で、他のメーカーでHA最上位モデルで採用されています。
2番手グレードで放熱プレートが入っているのはパナソニックだけなので、画質面での評価は当然高くなります。
パナソニックの画質は、インパクトがあるというよりは、バランスの良い明るさ・色合いという雰囲気です。
色合いは原色よりのくっきりした色合いですね。
派手というよりは、見やすさを重視した感じとなっています。
画面の表面は光沢があり、有機ELならではのキリッとした映像と相性が良いように感じます。
ソニー
A80Jの画質
ソニーのA80Jには、放熱プレートは入っていませんが、だからと言って、暗いという印象もありせん。
映像としては、やや明るめの発色となっています。
パッと見た時の印象が良い、なんというかソニーらしい色合だと感じます。
簡単にいえば、ほんのわずかにパステルよりの発色にすることで、明るさを演出している感じですね。
パネル表面は少しざらっとした見た目で、光沢感はやや少なめになっています。
光の映り込み
有機ELテレビは光沢があり、液晶テレビよりもくっきりと光が反射する傾向があります。
ただ、反射の具合も両者で若干異なるように見えます。
▶︎パナソニックはガラスみたいにくっきりと反射します。
反射の光は強いように見えますが、その代わり周囲への影響は少ないです。
黒の締まりはパナソニックが上ですね。
▶︎それに対してソニーは僅かに反射した光が散乱しているように見えます。
反射が弱まっているように見えますが、その代わり周囲全体に光が染み込んでる感じですね。
明るい部屋で見ると、ソニーのパネルは真っ黒に見えない気がします。
有機ELテレビの大きなメリットである、キリッと引き締まった黒が僅かにぼやけてしまっているように感じます。
個人的には、黒がくっきりしないのは減点対象って思います。
逆に、ギラっと反射するのが嫌な方はソニーの方が見やすいかもしれません。
映像を見比べて
画質はどちらもキレイですが、やはり比べてみるとちょっとした違いがあります。
見え方の違いを具体的にお伝えするために、皆さんも視聴できる映像を例にお話を進めます。
色合い
まず、パナソニックの方が色がしっかり出ているように見えます。
パナソニックは原色よりのはっきりした色合いで、ソニーはちょっとだけパステルな色合いに感じます。
ソニーは、ぱっと見では明るいのですが、よく見ると色が淡くなっているようにも見えます。
特に人物の顔や木目なんかはパナソニックの方がしっかり色が出ているように感じます。
光の表現
光の明暗の表現は、放熱プレートが入っているだけあってパナソニックが有利に感じます。
例えば・・
▶︎金属製の楽器の艶感
▶︎髪の毛の光沢感
▶︎アクセサリーのキラキラ感
▶︎スポットライトの光が正面を向いた時の眩しさ
▶︎紙吹雪にあたった照明ライトの反射
なんかもパナソニックの方がしっかり表現できているように感じます。
光の表現はパナソニックが上ですね。
ソニーは悪くはないんですけど、全体的に少しマイルドな映像になっています。
明るさのピークがパナソニックより低いからではないかと予想しています。
加えて、パナソニックの方がパネル表面に光沢があるので、光をくっきりと描いているように見えます。
ソニーは、わずかにザラっとしたパネルということもあり、従来の液晶テレビに近いような映像の質感という感じです。
別のシーンの場合
次は食べ物の映像だった場合です。
パナソニックの方が色合いがくっきりしているので、
例えば焼いたお肉とか・お魚の艶とか照りなどの質感がよく出ています。
語感で現すなら "うまそう" なのがパナソニックです。
色とりどりのスイーツとかの場合は、ソニーのパステルっぽい色合いのおかげで、バエます。
語感で現すなら "可愛いい 美味しそう" なのがソニーっていう感じです。
得意な映像
それぞれが得意な映像としては、
▶︎綺麗な映像を綺麗に再現するのがパナソニックで
▶︎普通の映像を見栄え良く、底上げするのがソニーっていう感じですね。
そんなわけで、
映画とかドラマなど、雰囲気が大事な映像ならならパナソニック有利
バラエティやニュースなど、見やすさが大事ならソニー有利
こんなふうに捉えてもらえればOKです。
さてさて、さも大きな差があるように説明してみましたが、最初にお伝えしたように画質の差はわずかです。
多分、2台を並べて比べないとわからないくらいの差だと思います。
ほとんどのお客様は、比べてもあんまり違いがわからないっていう反応ですね。
ということで、個人的には違いは感じつつも、2点差だけにしています。
スピーカー
音質を比較
次はスピーカーの違いについて見ていきましょう。
スペック紹介の時も触れましたが、
▶︎スピーカーの出力はどちらも30Wです。
ただし、スピーカーの配置が全然違うので、音の聞こえ方はだいぶ変わってきます。
パナソニック JZ1000
パナソニックは下向きのスピーカーで、普通のテレビっていう感じの音です。
スピーカーのパワーこそそれほどありませんが、質はそれほど悪くないので、聞きやすい音になっています。
ソニー A80J
対して、ソニーは画面から音が出る、一風変わったスピーカー配置となっています。
手前に向かって音が出るので、迫力があります。
やっぱりソニーは派手目なのが好きなようですね。
スピーカーのパワーは一般的なテレビ並なので、高音質っていうのを期待するほどではないと思います。
音質を比べると・・
違いをお伝えするために、これもYOASOBIの映像を例に説明して見たいと思います。
画質面とは逆転して、音質面ではやはりソニーが僅かに有利に感じます。
▼パナソニック
バランスよく聞きやすい音なんですけど、音楽を流すと少しチャカチャカした音に聞こえます。
歌声はいいんですけど、低音・高音が鳴らし切れてない感じですね。
▼ソニー
対して、ソニーは音楽を流しても、比較的しっかりと全域の音が出ているように感じます。
とはいえ、スピーカーの性能は標準並みなので、音のまとまりがよくない印象です。
パナソニックがチャカチャカと弱い音だとしたら、ソニーはジャカジャカっていう強めの音ですね。
スピーカー性能が高くないだけあって、音が迫って来るような居心地の悪さを感じることもあります。
得意なシーン
パナソニックは・・
⭕️良く言えば聞き疲れしにくいバランスの音
❌悪く言えば特徴のないつまらない音です。
どちらかと言えば、日常のテレビ番組視聴に適しているように思います。
ソニーは・・
⭕️よくいえば迫力のある音
❌悪く言えばやかましい感じ
どちらかと言えば、映画やドラマ・ゲームに向いていると思います。
ネット動画について
パナソニック・ソニー共に、ネット動画配信サービスに対応しています。
パナソニックは・・
youtube・Netflix・アマゾンプライムビデオ・Huluなどの主要なアプリに対応しています。
主要なものは揃っているものの、対応するアプリは決まったものだけとなっています。
最近だとディズニープラスに対応するなど、要望の多いアプリが追加されることもありますが、だいぶ遅れて対応となりました。
ということで、パナソニックは
「アプリは有名どころ中心で、時々追加があるくらい」
という感じです。
対して、ソニーは・・
アンドロイドティービーになっており、数多くのアプリに対応しています。
主要な動画配信サービスはもちろんのこと、見たことも聞いたこともないようなアプリもダウンロードで追加することができます。
「アプリの豊富さと、新しいアプリの追加の数・スピードを考えるならソニー有利」
という感じです。
その他の機能
次は、画質・音質以外の特徴です。
パナソニック
その他の特徴
パナソニックの特徴といえば、転倒防止スタンドと、首振り機能があることですね。
スタンドの台座の中に吸盤が入っていて、テレビ台に吸着するようになっています。
かなり強くくっつくので、子供が捕まったり、地震がきたりしても倒れにくいメリットがあります。
あとは、有機ELでは珍しい、首振りスタンドが採用されています。
リビング側からダイニング側に少し向きを変える
掃除や配線の抜き差しの時に画面部分をずらす
っていうことができるわけです。
ソニー
その他の特徴
ソニーの特徴としては、スマホ連携が得意です。
ソニーは、GoogleキャストとAirPlayの両方に対応しています。
ですから、アンドロイドスマホ・iPhoneのどちらでも テレビに画面を映すことができるんです。
もともとテレビ自体に動画アプリは入っているので、頻繁に使うことはないかと思いますが、自分で撮った写真などをテレビの画面で見たいときに便利です。
あと、ソニーの一部のサウンドバーを接続したときに連携する機能もあります。
ただし、この機能に対応するサウンドバーは値段が高いので、実際に活用するケースは非常に稀じゃないかと思います。
どっちがいいか?
次は、どっちを買ったらいいかについて考えてみたいと思います。
パナソニックは・・
▶︎放熱プレートが入っており、画質が良い
▶︎転倒防止 首振りスタンド採用で便利
ということで、ただ使っていてもメリットを実感できる内容かと思います。
ソニーは・・
▶︎音に迫力がある
▶︎対応アプリが多い
▶︎スマホ連携が得意
▶︎ソニーの高級サウンドバーと連携できる
というように、何かと連携することで本領を発揮する感じです。
価格はソニーの方が3万円ほど高くなっています。
価格差と機能差
ソニー優位のポイント
▶︎画面から音が出るスピーカーと
▶︎スマホ連携や豊富なアプリ
が価格差の主な要因になっている状況です。
ここに予算をかけるかどうかが、機種選びの別れ目になるかと思います。
テレビ単体で見た時には、パナソニックの方がお得かなぁというのが個人的な感想です。
逆に、他の機器との連携や、有名どころ以外の動画アプリなどの追加を考えるならソニーが有利になるかと思います。
この2つのモデルに限った話ではないのですが、パナソニックは単体で使った時に強い
ソニーは機材環境が揃ったところに組み込むと強いっていう印象があります。
グレードアップ
JZ2000 A90Jにすると・・
最後に、上位モデルにグレードアップするとどうなるかについて軽くお伝えしておきたいと思います。
パナソニック
TH-55JZ2000
シリーズ名で言うと、JZ1000がJZ2000になります。
主な違いは・・
▶︎放熱構造強化でさらに画質が良い
▶︎スピーカーの性能が段違いにアップ
JZ1000 | JZ2000 | |
放熱(画質) | ○ | ◎ |
スピーカー | 30W 下向き 普通のテレビという感じ |
125W 前向き+上と左右 テレビとしては最上級 |
アプリや転倒防止など | 同じ |
一番大きな違いはスピーカー出力ですね。
▶︎JZ1000のスピーカーは下向きの30Wとなっています。
それが、
▶︎JZ2000になると、前向きプラス上と左右で125Wスピーカー
映画やドラマでの迫力があるのはもちろんのこと、JZ1000にはないセンタースピーカーも加わるので、セリフの聞き取りやすさが大きくアップします。
テレビとしては最高峰の音質じゃないかと思います。
あと、放熱性能がさらにアップするので、画質も少しよくなります。
JZ1000でも十分綺麗ですが、JZ2000はさらに明るさのメリハリと、色合いの綺麗さで上回ります。
現状の4Kテレビで最高画質は多分このJZ2000でしょう。
ソニー
XRJ-55A90J
シリーズ名で言うと A80JからA90Jとなります。
主な違いは、画質と音質のグレードアップです。
A80J | A90J | |
放熱(画質) | ー | ◯ |
スピーカー | 30W 画面から音 |
60W 画面から音 |
アプリやスマホ連携 | 同じ |
ソニーもA90Jシリーズでは
▶︎放熱プレートを採用しているので、明るさがアップ
また、
▶︎スピーカー出力も30Wから60Wへアップ
音楽を聴いた時の、高音のビリビリ感が減って、音楽でも聞きやすい音になります。
AVアンプと繋がる
あと、細かいところでは、センタースピーカーモード対応になります。
AVアンプを使う場合、テレビのスピーカーをセンタースピーカーとして使うことができます。
A80Jで対応のアコースティックセンターシンクにも対応です。
どちらにしても、それなりの外部機器が必要なため、実用性は低いかもしれません。
いずれにしても、
画質と音質がさらによくなります。
画質の違いはあまり気にならないという意見が多いですが、音質は結構違いを感じてもらえるかと思います。
特にパナソニックのJZ2000はお客様の反応が非常に良いですね。
ということで、
画質だけでなく音質にも期待する場合は、グレードアップする
っていう感じの選び方になります。
まとめ
最後に簡単におさらいしておきましょう。
パナソニック
▶︎2番手モデルでは唯一の放熱プレート採用モデルで、画質が良い
▶︎スピーカーは普通レベル
▶︎アプリは主要どころがメイン
▶︎転倒防止と首振りスタンドで便利
ソニー
▶︎画質はいいけど、明暗や色合いはややマイルド
▶︎スピーカーはやや迫力あり
▶︎アプリは豊富
▶︎スマホ連携も得意
割安感はあまりないかと思います。
こんな感じです。
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。