テレビの宣伝でお馴染みの”ここひえ"。
コンパクトで価格も手頃、それでいて結構涼しいような宣伝もあって、気になっている方も多いんじゃないかと思います。
そこで、実際に買って試してみようという内容です。
そんなわけで、最新のここひえR5を買ってきました。
昨年購入したR4もあるので、2つ使って
▶︎至近距離の吹き出し温度測定
▶︎50cmの吹き出し温度
▶︎運転音
この辺りをテストしていきたいと思います。
ここひえってどんなもの?
2023年 NEW ここひえR5
じゃあまず、おさらいを兼ねてここひえがどんなものかをみていきましょう。
ここひえは家電の種類でいうと冷風扇というものに該当します。
冷風扇とは
冷風扇と聞いても、ピンとこない・馴染みがないという方が多いんじゃないでしょうか。
仕組みとしてはとても単純です。
①タンクに水をセット。
②すると、フィルターが水を吸い上げる。
③湿ったフィルターを風が通り抜け、水が蒸発する際に、周囲の熱を奪う。
こんな内容です。
これくらいのことで涼しくなるんだったら、もっと誰しもが使ったことがあるくらい普及しているはずです。
ところが、実際は馴染みがない人の方が多いっていうのは、まぁつまりそういうことです。
気化式加湿器も同じ
ちなみに、この湿ったフィルターに風を当てるという説明は、気化式の加湿器と全く同じになります。
気化式は加湿付きの空気清浄機でよく採用される加湿方式です。
冬に加湿空気清浄機で加湿すると、なんだかスースーして感じるというのと同じ理屈ですね。
冬に使ってスースーする程度のものが、夏の暑い時に使って涼しく感じるものなのかと疑いたくなります。
そんなこともあって、店員の間でも冷風扇の効果や謳い文句に対する反感は大きいです。
「やってることは加湿器と同じでしょ」って言いたくなりますもん。
箱をチェック
それではまずは箱の説明書きを軽くチェックしておきましょう。
▶︎抗菌プラスでリニューアル
ということで、R5からは水受けトレーも抗菌になったようです。
▶︎吹き出し口最大マイナス10度
ここが一番怪しい部分ですね。
3万円くらいするスポットクーラーでも室温からマイナス8度くらいの表記になっているものが多い中、水を入れるだけで10度も下がるなんて随分と大きく出たものだなぁと感じます。
それでは開封していきましょう。
付属品
・取り扱い説明書
・コンセントからUSBに変換するアダプター
・予備のフィルター
フィルターは本体に1つ装着済みなので、合わせて2個付属となります。
・本体
電源ケーブルはUSBのタイプAになっています。
コンセントから給電する場合は、付属のアダプターを接続すればOKです。
R4とR5の違い
去年買ったここひえR4と並べてみるとこんな感じです。
見た目上の違いはありません。
おそらく、水受けトレーが抗菌になったという違いだけでしょう。
至近距離で
吹き出し温度計測
それでは本題のテストに移りたいと思います。
テスト環境
吸い込み側と吹き出し側約10cmの距離にに室温計を設置します。
水は水道から出たままの温度で使います。
開始前の温度は約29度、湿度は55パーセント前後となっています。
部屋は鉄筋コンクリートの6畳です。
最大値を知りたいので、まずは一番強い風量で行います。
他に、吹き出し口から離れた場所にデータを記録できる温度計を設置し、室温・室温の変化も見てみたいと思います。
開始前
吹き出し口から約10cmに温湿度計を設置してテスト開始。
5分後
吹き出し温度が2~3℃低下
吹き出し口付近の湿度は約20%上昇
30分後
湿度は少しあがったものの、吹き出し温度は5分の時とそれほど変わりませんね。
ということで、今回の条件では・・
▶︎最大で2℃程度下吹き出し温度が下がる
▶︎新型と旧型も同じ程度の冷え方
という結果となりました。
室温の変化
部屋の温度計で測った結果も見てみましょう。
赤が室温 青が湿度です。
室温と湿度ともほとんど変化は見られないですね。
タンクの水が蒸発している分、部屋の湿度が上がる傾向にはなるのですが、蒸発量が少ないため部屋全体への影響は少ないようです。
吹き出しから50cmで
吹き出し温度を計測
次はもう少し実用的なシチュエーションでテストしてみたいと思います。
吹き出し口からの距離は約50cm。
後ほど計測しますが、最大風量での運転はやはり音が気になりますからね。
というわけで、1つは風量を下げてテストします。
1つは風量最大。もう一つは風量4段階中の2で運転します。
開始前の温度は29.5℃付近、湿度は52%付近となっています。
5分後
▶︎風量最大の方は1℃程度温度が低下
▶︎風量を2にした方はほとんど変化なし
30分後
こちらも30分ほど運転してみましたが、目立った変化はありませんでした。
実用的な条件と思っていた風量2で50cmの場合、温度の下がり方は1℃ちょっとという結果となりました。
計測結果
2回のテストの結果をまとめるとこんな感じです。
吹き出し口から10cmで風量最大の場合、最大で約3℃低下。
吹き出し口から50cmで風量2の場合、最大でも1。5℃の低下
と、マックスで3℃程度温度が下がるという結果となりました。
箱に書いてあるマイナス10℃にはほど遠いですね。
涼しいのか?
これを涼しいと感じるかは環境や個人差がかなり大きいと思います。
「これくらいでいいよ」とか、「ないよりマシ」って感じる人もいるでしょうし、
「全然涼しくない」 「がっかりだ」 と感じる方もいるでしょうね。
-10℃の条件
少し補足ですが、箱に書いてある吹き出し最大マイナス10というのは・・
室温35.4℃湿度30%で吹き出し0cmという条件のものです。
ですから、今回のテストで箱に書いてあるマイナス10℃にならないのは仕方ありません。
とはいえ、このマイナス10℃の条件が湿度30%なんですよね。
除湿機でも使わない限り出くわすことのないようなシチュエーションで出した最大値をデカデカと書くのはどうなんですかね。
マイナス10℃って書きたいから、無理やりその条件を探したっていう方が近いんじゃないかと疑いたくなります。
冷たい水や氷を使って、どれくらい頑張れば吹き出し温度が10℃下がるのかをテストした動画は昨年公開しています。
これも音声はぐずぐずですが、残してあるので興味がある方はチェックしてみてください。
▼動画版はコチラ
▼ブログ記事版はコチラ
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【購入テスト】Q.冷風除湿機で部屋は涼しくなる?→A.ならない
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運転音を測ってみる
次は運転音のテストです。
スマホで簡易的に音量を測定します。
単体では分かりにくいと思うので、山善のお手頃価格の冷風扇と比べてみましょう。
運転前の数値は33付近です。
ここひえR5
風量1 43付近
風量2 49付近
風量3 51付近
風量最大 54付近
山善 FMR-40
風量1 54付近
風量2 57付近
風量最大 60付近
ということで、ここひえの方の方が静かでした。
個人的な感覚ですけど、ここひえを使った場合、昼間なら風量3までならそれほど音は気になりません。
最大だとYouTubeなんかを見るのにちょっと邪魔という感じです。
夜中の場合だと、風量1ならまぁ我慢できるかなぁっていう感じです。
加湿器も同じ??
じゃあ最後はおまけということで、エキシビジョンマッチをしてみたいと思います。
まずは先ほど運転音の比較に使った山善。
価格が3000円ちょっとと手頃で、価格コムの冷風扇カテゴリーでも人気の上位にいるモデルです。
そしてもう一つは加湿器です。
ここひえと気化式の加湿器はやっていることが同じと知ってはいても、実際に温度を測ってみたことはありません。
この機会に試してみたいと思います。
我が家の加湿器はダイニチのハイブリッド式ですが、エコモードで運転した場合は気化式になるはずです。
それぞれ吹き出し口付近に温度計をセット
ここひえと山善は風量最大
加湿器はエコモード(気化式)
これでテスト開始。
5分後
予想通り加湿器の吹き出し温度が一番下がっていますね。
そして湿度も大きく上がっています。 さすが加湿器です。
山善は音が大きい割にあんまり温度が下がりませんでした。
ということで、温度低下チャンピオンは加湿器に決定しました。
といっても、それはあくまで吹き出し温度だけの話です。
湿度が高くなると体感温度は上がりますし、不快感も上がります。
加湿器の方が涼しく感じるというわけではないのでご注意ください。
まとめ
繰り返しになりますが、これを涼しいと思うかは個人差がかなり大きいと思います。
「これくらいでちょうどいい「とか、「ないよりはマシ」ということもあるでしょう。
ただし、期待が大きいとガッカリすることもあるんじゃないかと思います。
あと、店で実演している場合、ちょっと注意が必要です。
店内のエアコンが効いている場所で涼しいと感じても、いざ買って家に帰って、エアコンのない部屋で使った時はで全然違った感じ方になることもあります。
これは冷暖房関連品全般に言えることなので、頭の隅に入れておいてもらえればと思います。
以上、ここひえR5のテスト運転の結果でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。