毎日暑いですね。
この暑さを少しでも和らげたいということで、何かいいものはないかと探している方も多いでしょう。
そしてその中には冷風機能付き除湿機が気になっているという方もいるようです。
たしかに除湿機であれば・・
○エアコンよりも安い
○コンパクトで
○設置工事も不要
と手軽に導入することができます。
それでいて湿度を下げながら冷風も出せるんだったら、結構いいんじゃないかと期待が持てそうな気もします。
その一方で、ネットなどで調べてみると・・
×除湿機は室温が上がる
×冷風除湿機は涼しくない
というような情報も出てきます。
使って見たい気もするけど、期待外れだったらどうしようと悩んでいる方もいることでしょう。
そこで、実際に冷風機能付き除湿機を運転し、その様子を1つの例としてご覧いただきたいと思います。
初めに注意点
始める前に少しだけ前置きです。
実は昨年も同じような内容のテストをしています。
除湿機の種類や仕組みについてはそちらで解説しています。
興味のある方はこちらのページをご覧ください。
-
【購入テスト】Q.冷風除湿機で部屋は涼しくなる?→A.ならない
続きを見る
大事なことだけかいつまんでお伝えすると・・
▶︎締め切った室内で除湿機を使うと部屋の温度は上昇します
▶︎冷風機能つき除湿機でも同じことが言えます
▶︎冷風機能つき除湿機は冷風は出せますが、同時に必ず温風が出てきます。
そして、冷風よりも温風の方が強いです。
冷風機能付き除湿機に室温を下げるような効果はありませんので、ご注意ください。
まぁ、これは説明するよりも、実際の様子を見てもらった方がわかりやすいと思います。
テスト方法
使った除湿機はこちら
シャープ 冷風機能付き除湿機
CM-N100
それで、昨年と同じことをしてもつまらないので、今回は少し内容を変えてみようと思います。
変更点① 運転強度を変更
昨年は自動運転で使ったためか、吹き出し温度がそれほど下がりませんでした。
今回は強運転を使います。
変更点② 新アイテムを導入
今回新たに2つの温湿度計を用意しました。
1つ目 シチズン 快適度目安表示付温湿度計
温度と湿度から不快指数を計算し、メーター表示する機能がついています。
これを使って、吹き出し口付近の過ごしやすさをチェックしてみようと思います。
2つ目 タニタ 黒球式熱中症指数計 熱中アラーム
熱中症予防指針にあわせ、4段階11レベルで熱中症の危険度を表示する機能がついています。
こちらは除湿機の風が当たらない場所に設置して、部屋の環境の変化を見ていきます。
室温を計測してみる
それでは・・
吹き出し付近 排気口付近 吹き出しの風が当たらない場所に温湿度計をセットし、運転開始。
↓吹き出し口付近
スタート時 室温は約34度 湿度は56%付近
となっています。
快適度めやす表示は不快指数75以上を示す暑いを示しています。
Wikipediaによれば、不快指数75〜80で半数以上の人が不快に感じるとのことです。
熱中症の警戒度は厳重警戒の2番目。
表示は1番上が暑さ指数というもので、湿度・日射と輻射・気温の3つの要素から計算されているようです。
そして真ん中の表示が周囲温度、1番下が湿度表示となっています。
5分後の様子
↓吹き出し口付近
吹き出し口付近の温度は約34度 湿度は56%となっています。
スタート時とほとんど変わらないですね。
それに対して排気口付近は43度と大きく温度が上昇し、湿度が下がっています。
こうやってみると、改めて排熱の方が大きいことがわかりますね。
開始13分になる頃には排気口側の温度計が50度を超えました。
あまりの温度の下がらなさに不安になりここで1度吹き出しの温度を測って見ました。
吸気側の温度から9℃近く下がっているので、ちゃんとスペックに近い数値が出ています。
たった20cmくらい離しただけでも、これだけ周囲が暑いと冷風が薄まってしまうようです。
開始から30分経過
相変わらず吹き出しの温度はあまり下がっていません。
不快指数レベルの表示も暑いを示しています。
吹き出し口から離して設置した熱中アラームの方を見てみると
温度36度 湿度47パーセントと、室温が2度程度上がり、湿度は10パーセント近く下がっています。
スタートから1時間後
↓吹き出し口付近
↓室内の温湿度
30分の時とあんまり変わってないですね。
もっと時間飛ばしましょう。
開始から2時間経過
↓吹き出し口付近
吹き出し口付近は相変わらず34℃台。
不快指数メーターはずっと暑いの表示のままでした。
熱中アラームの方を見てみましょう。
↓室内の温湿度
周囲温度37.5℃と3℃ほど上昇し、湿度は16パーセント程度下がっています。
湿度が下がった影響か、暑さ指数は少し下がりましたが、警戒レベルは依然厳重警戒ゾーンとなっています。
個人的な感想
▼冷風の吹き出し口前に立った場合
冷風と周囲の暑さが混ざった風が届いて冷風なのか温風なのかもわからない程度に感じる
▼吹き出し口から離れた場合
ベタベタ感が減って少しマシになったように思うけど、窓を開けた方が断然涼しいことに気づきいいのか悪いのかわからない。
と、こんな感じでした。
ということで、冷風機能付き除湿機は排熱の方が大きく、締め切った部屋では室温が上がる結果となりました。
まぁ、ここまではご存じの方も多いでしょう。
屋外に排熱してみる
じゃあ次は排熱を外に出すように設置してみます。
排気側に筒を取り付け、窓から外に向かって排気します。
残りの部分はプチプチシートで雑に塞ぎます。
隙間があるじゃないかという声が聞こえてきそうですが、私はいくら隙間を塞いだところで、外に排気した分の空気がどこか別の隙間から入ってくるだけって思っているので、そのままスタートします。
スタート時の室温は約35.7℃ 湿度は51%となっています。
1時間後の様子
吹き出し口付近の温度はほとんど下がっていません。
先ほどよりも温度が下がらないのは、10cmくらい温度計までの距離が遠くなっているせいじゃないかと思います。
それで、部屋の温度の方はといえば・・
室温は約34.5℃ 湿度は44%となっています。
今度は1℃くらい室温が下がりました。
ただ、これが除湿機のおかげというよりは、夕方になって外気温が下がってきた影響という気がします。
まぁ、先ほどのように室温が上がらなかっただけマシかもしれません。
↓廊下に出てみると
とはいえ実は廊下の方が室温が低いので、やっぱり冷風機能つき除湿機に冷房的な効果は望めないと言っていいんじゃないかと思います。
運転音は大きい
じゃあ最後に運転音を測定してみたいとおもいます。
実は除湿機は結構うるさいです。
スマホのアプリで簡易的に計測してみます。
ユーチューブを見ているときに除湿機をつけると結構邪魔に感じます。
夜は特に注意
もしかしたら夜寝るときに使ってみようかななんて思っている方もいるかも知れませんが、音はうるさいし、寝ている間に室温も上がるかもしれないと、全く向いていないことをお伝えしておきたいと思います。
まとめ
今回は冷風機能付き除湿機を使ってみました。
繰り返しになりますが、冷風機能付き除湿機であっても室温を下げる効果はありません。
冷風機能は使い道としては・・
キッチンや脱衣所など、スポット的に短時間使う分には良いかもしれません。
ただ、その場合でも過度の期待は禁物です。
条件や使い方次第では涼しく感じる場面もあるとはおもいますが、
今回のようにとても暑い日には冷風機能が無力に感じることもあるでしょう。
適当な情報でもお構いなしに掲載しているウェブサイトなんかでは「エアコン代わりにおすすめ」みたいに紹介されている様子も見かけますが、結果はご覧の通りです。
本格的な暑さ対策として使うにのには適していませんのでご注意ください。