メーカー別グレード解説第2弾として、今回はパナソニックの機種を紹介させていただきます。
今回も
▶︎電気代
▶︎暖房のパワー
▶︎清潔性
▶︎目玉機能
これらに注目しながら、グレードごとの違いを紹介していきたいと思います。
関連記事
↓2023年版 メーカーざっくり解説と印象
基本をチェック
エアコンの紹介に入る前にエアコンの基本とパナソニックの特徴を簡単に見ておきましょう。
基本①価格の差は
電気代と暖房性能の差
「価格の高いエアコンと、値段の手頃なエアコンは何が違うんですか?」
エアコンのご案内をしている時に、よくあるお問合せの1つにこんなものがあります。
エアコンの価格の差は・・
▶︎省エネ性能
▶︎暖房のパワー
この2つに顕著に現れます。
主に14畳(4.0kW)モデルの省エネ性能と、主な特徴についてまとめるとこのようになります。
↑価格 高
シリーズ | 省エネ達成率 | 年間電気代目安 | 低温暖房能力 | フィルター自動掃除 |
LX | 110% | 28,000円 | 9.0 | ○ |
X | 110% | 28,000円 | 9.0 | ○ |
EX | 78% | 39,300円 | 5.6 | ○ |
GX | 74% | 41,700円 | 5.3 | ○ |
J | 74% | 41,700円 | 5.2 | ー |
このように、上位グレードと中間以下グレードでは
省エネ性では3割程度
暖房性能では4割程度
性能の差があります。
エアコンをメイン暖房として使う場合には、対応の畳数だけでなく、省エネの度合いや低温暖房能力も合わせてチェックすることが大事です。
また、メーカーによって度合いは異なりますが、
▶︎清潔性能
▶︎便利機能
この辺まで違いが現れることがあります。
基本②
無線LAN内蔵
このページに掲載しているモデルは、全てエオリアアプリに対応しています。
ただし、グレードにより・・
▶︎初めから無線LAN内蔵のグレード
▶︎別売りの無線LAN子機が必要なグレード
に別れています。
LX | 内蔵 |
X | 内蔵 |
EX | 内蔵 |
GX | 内蔵 |
J | 内蔵 |
DFR | 別売り |
このページに掲載のグレードで言えば、J以上は最初から無線LANを内蔵しています。
DFRのみ別売りの子機が必要になります。
このページには掲載していませんが、価格コムで人気上位のDFLシリーズも、子機別売りとなります。
この辺りが、他のメーカーとも共通するような基本的なスペックとなります。
パナソニックの魅力をチェック
では次は、パナソニックの魅力となる特徴について、グレードごとの違いを見ていきましょう。
魅力①
フィルターの埃自動排出
自動排出お掃除
パナソニックだけの特徴として・・
フィルター自動お手入れで取ったホコリを、屋外に自動排出する機能があります。(Xシリーズ・EXシリーズで採用)
他のメーカーと違って、本体にホコリをためないので、ゴミ捨て作業が不要になるメリットがあります。
以前は隠蔽配管に弱いといったデメリットもありましたが、今はダストボックス式(本体に溜め込む)も選択できるようになっています。
ちなみにLXシリーズ・GXシリーズはダストボックス式のみ対応となっています。
自動排出お掃除対応シリーズ
(ダストボックス式に切り替え可)
→X・EXシリーズ
ダストボックス式
→LX・GXシリーズ
このようになります。
チェック②
ナノイーX
ナノイーX対応
→LX・X・EX・GX・Jシリーズ
パナソニックの大きな魅力となるのがナノイーX機能ですね。
ナノイーXは
▶︎ニオイの抑制
▶︎花粉の無力化
▶︎ウイルスの抑制
などに効果があると言われています。
これで風邪をひかないとか花粉症が治るとかそういったものではないですが、ニオイ対策としてはそれなりの効果を見込むことができるかと思います。
特にタバコ・ペット・焼肉・生乾き・汗のニオイに有効となっています。
さらにナノイーXはエアコン内部のカビ対策にも有効です。
ナノイーXにもグレードがあり・・
LX・X・EX・GX
→ナノイーX48兆
48兆はナノイーX搭載製品の中でも、最高ランクに位置します。
Jシリーズ
→9.6兆
48兆の1つ下のクラスになります。
Jシリーズも2022年モデルまでは48兆採用でしたが、2023モデルでは9.6兆にスペックダウンしています。
チェック③
各種センサー
AI快適おまかせ
→LX・Xシリーズ
AIモード
→EX・GXシリーズ
センサーで人・部屋の状況を解析・学習し、お部屋の状況に適した運転を行います。
センシングする項目はグレードにより異なります。
人の居場所 活動量 温冷感 |
家具の位置 間取り |
人の在・不在 | 日射 | 住宅環境 (温度変化) |
室温 外気温 |
|
LX / X シリーズ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
EXシリーズ | ー | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー |
GXシリーズ | ー | ー | ー | 〇 | 〇 | ー |
上位グレードほど、細かく部屋の状態を感知し、賢く運転してくれるようになっています。
と、こんなところがパナソニックエアコンの見所となっています。
メーカー指定価格も
パナソニックの一部商品は、メーカー指定価格販売となっています。
メーカー指定価格
▶︎どの家電量販店でも同じ価格で、価格競争不可
▶︎値引き交渉による値下げ不可
となっています。
簡単に言えば、「どんな理由があっても一円も値引きできません。」という内容です。
指定価格になっているグレードはLX・Xです。
その場での値引きこそはできませんが、時間の経過によって少しずつ価格改定の値下げはあります。
LXシリーズはプレミア的位置付けということで、やや割高感がありますかね。
Xシリーズに関しては、値引きできない代わりに最初から比較的控えめな価格で登場となっています。
以上がパナソニックのエアコンを選ぶ上で、知っておくと良いポイントとなります。
では、次はモデルごとに特徴とおすすめパターンを見ていきましょう。
電気代などは、リビングでよく選ばれる4.0KWモデルで比べていきます。
省エネ基準達成率について
省エネ基準達成率は、省エネ型製品情報サイトの2027年目標を掲載しています。
2027年の目標を基準ぴったりでクリアしている場合、達成率100%となります。
100%を超えるほど、省エネ性が高いことになります。
現在では、120パーセント前後あれば優秀という感じです。
逆に、数字が小さいほど省エネ性能が低いことになります。
低いものだと80%付近のモデルがあります。
この性能では、今はいいとしても、2027年になると同じ性能では発売できないレベルという感じです。
最新の基準ということで、厳しめの採点基準になっているようですね。
パナソニックの見どころはこの辺りがメインでしょうか。
それでは、次はグレードごとの違いの紹介をしていきます。
LXシリーズ
プレミアムグレード 加湿付き
LXシリーズ CS-403D2
メーカー指定価格商品
年間電気代の目安 | 約28,000円 |
省エネ達成率 | 107% ★×4.0 |
低温暖房能力 | 9.0kW |
フィルター自動お掃除 | あり |
ナノイーX | なし |
清潔機能 | 防汚・防カビファン 熱交換器ホコリ対策 |
LXシリーズのポイント
↓給水不要の加湿機能採用
最上位グレードに位置し、パナソニックで唯一の加湿・換気機能を備えたモデルとなります。
Xシリーズとの違いは、主に加湿・換気のある・なしです。
加湿できるエアコンは、このLXシリーズと、ダイキンのうるさらシリーズくらいということで、貴重な機能ではあります。
ただし、エアコンでの加湿は・・
△ 屋外の湿度が下がると加湿量も下がる
△ 加湿する時は大きな電力を使う
というデメリットもあります。
残念ながら、加湿器なしでもOKみたいなものではありません。
また、こちらのLXシリーズは、メーカー指定価格での販売となっています。
どの家電量販店でも同じ価格で競争がなく、その場での値引きもできない品となっています。
劇的に高いという印象もないですが、お得感みたいなものは薄いですね。
機能的にも、販売方法的にもプレミアムグレード的な位置付けという雰囲気です。
多くの特徴は、次のXシリーズと共通なので、次でまとめて紹介させてもらいます。
超省エネグレード
Xシリーズ CS-X403D2
メーカー指定価格商品
年間電気代の目安 | 約31,400円 |
省エネ達成率 多段階評価 |
107% ★×4.0 |
低温暖房能力 | 9.0kW |
フィルター自動お掃除 | あり (切り替え可) |
ナノイーX | 48兆 |
清潔機能 | 内部ナノイーX 熱交換器ホコリ対策 |
無線LAN | 内蔵 |
Xシリーズのポイント
値も張りますが、その分内容は充実しており、おすすめのグレードとなっています。
万能型モデル
上位モデルということで、
▶︎冷暖房能力も高く
▶︎清潔コーティングもあり
▶︎ナノイーXも48兆
▶︎自動排出お掃除も選べる
と、いろいろな魅力が詰まったモデルとなっています。
エネチャージシステム
室外機のコンプレッサーから出る機械熱を蓄えることで、霜取り運転時も暖房を止めることなく運転が可能となっています。
エアコンは空気中の熱を集める仕組みなので、暖房運転すると外気温が氷点下になっていなくても室外機が凍ってしまうことがあるです。
そうなると霜取り運転を行うのですが、この時は外に温風を出すので暖房が止まってしまいます。
暖房運転時に涼しい風が出ることがあるのは、この霜取り運転のせいなんですね。
エネチャージシステムがあれば、あのスーッとした肌寒い風を出すことなく運転することができるわけです。
また、昨年からは冷房にもエネチャージが使われています。
仕組みを話すと難しくなるので省略しますが、今までよりも繊細な冷房制御が可能になったんです。
これにより、
▶︎温度が一定に保たれ快適
▶︎室外機のオンオフが減り省エネ性アップ
というメリットがあります。
エアコンのモデルチェンジで久しぶりに「おおっ! その発想はなかった!」ってなりましたね。
何気にこれが一番の推しポイントかもしれません。
おすすめパターン
予算さえ合えば寝室・リビングに真っ先におすすめしたいグレードがこちらです。
エネチャージを活用した冷房・暖房はパナソニックだけの大きな魅力になりそうです。
ナノイーX・防汚コーティングが揃い
エアコンの中も・部屋の空気も・吹き出しの風
どれも、キレイに保てるということもパナソニックを選ぶ理由になりそうです。
フィルター自動お手入れグレード
EXシリーズ CS-EX403D2
年間電気代の目安 |
約39,300円 |
省エネ達成率 他段階評価 |
78% ★×1.3 |
低温暖房能力 | 5.6kW |
フィルター自動お掃除 | あり (自動排出 or ダストボックス式) |
ナノイーX | 48兆 |
清潔機能 | 防汚・防カビファン 熱交換器ホコリ対策 |
無線LAN | 内蔵 |
EXシリーズのポイント
パナソニックの大きな特徴である、フィルターお掃除の自動排出対応の中では一番お手頃なモデルにあたります。
また、室内機の奥行き23.9cmと、薄型で目立ちにくいデザインとなっています。
加えて、EXシリーズからは人センサーが採用されおり
▶︎人の不在時に自動で省エネ運転・人が戻ってきたら運転復帰
▶︎長時間不在なら電源オフ(切り忘れ防止)
に対応となっています。
清潔機能が一通りと、自動排出があることから寝室用としてよく選ばれている印象があります。
フィルター自動お手入れグレード
GXシリーズ CS-GX403D2
年間電気代の目安 | 約41,700円 |
省エネ達成率 他段階評価 |
74% ★×1.0 |
低温暖房能力 | 5.3kW |
フィルター自動お掃除 | あり (ダストボックス式) |
ナノイーX | 48兆 |
清潔機能 | 防汚・防カビファン 熱交換器ホコリ対策 |
無線LAN | 内蔵 |
GXシリーズのポイント
フィルター自動お掃除付きの中間価格モデルとなっています。
室内機の高さが24.9cmと小さいことも特徴の一つとなっています。
カーテンレールの上など、設置スペースに高さ制限がある場合に候補になるモデルとなっています。
自動お掃除はダストボックス式なので、ゴミ捨て自動が希望の場合は次のEXシリーズをご検討ください。
付加価値グレード
Jシリーズ CS-J403D2
年間電気代の目安 | 約41,700円 |
省エネ達成率 他段階評価 |
74% ★×1 |
低温暖房能力 | 5.2kW |
フィルター自動お掃除 | なし |
ナノイーX | 9.6兆 |
清潔機能 | 内部ナノイーX 熱交換器ホコリ対策 |
無線LAN | 内蔵 |
Jシリーズのポイント
こちらのJシリーズからは、リモコンでの左右風向調節や自動スイングが対応となります。
他メーカーと差別化できる機能として、ナノイーXが搭載されています。
ナノイーXは
▶︎エアコン内部のカビ抑制
▶︎室内の脱臭やカビ抑制
などに効果があります。
2022年モデルでは上位グレードと同じ48兆でしたが、2023年モデルからは9.6兆へグレードダウンしています。
実質的な値上げという感じですね。
▼おすすめパターン
空気清浄効果のあるクリーンフィルターも採用されておりナノイーXと合わせて、空気のキレイさ・エアコン内部の清潔にも気を配ったグレードとなっています。
寝室などにつける場合、寝ている間はエアコンを使わないと言う方も多いかと思います。
予算を抑えつつもなるべく清潔性の高いもでお探しの方におすすめです。
シンプルグレード
Fシリーズ CS-403DFR2
年間電気代の目安 | 約44,200円 |
省エネ達成率 他段階評価 |
74% ★×1 |
低温暖房能力 | 5.2kW |
フィルター自動お掃除 | なし |
ナノイーX | なし |
清潔機能 | 熱交換器ホコリ対策 |
無線LAN | 別売り |
Fシリーズのポイント
最近のエアコンとしては、少し珍しいくらいまでに機能をシンプルにしたグレードとなっています。
セールなどで売り出し価格になっているのをよく見かけますね。
▼おすすめパターン
シンプルな内容というだけあって、有名メーカーのエアコンとしては安く出ていることが多いです。
客間のような使用頻度が低いお部屋には良いのではないでしょうか。
「安いに越したことはないけど、聞いたことがあるメーカーがなんとなく安心」とお考えの方も多いかと思います。
その点ではパナソニックなら間違いないところですね。
リモコンで左右の風向調節機能ができないので、それだけは注意が必要です。
風を自動で左右にスイングさせたり、リモコンで風向きを変えるような使い方は残念ながらできません
手動で羽根の向きを変えることは可能となっています。
まとめ
最後に簡単におさらいしておきますと・・
▶︎LXシリーズは加湿・換気ありだけど、指定価格
▶︎Xシリーズはバランス良く高性能。
▶︎中間くらいの性能で探すならEX
▶︎自動排出なしならGX
▶︎風向きの左右スイングあり・ナノイーXを使ってみたいならJシリーズ
▶︎価格優先ならFシリーズ。でも風向きの左右スイングなし
このようになっています。
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。