エアコン

【10年前と比較】エアコンを買い替えたら電気代は安くなるのか2023年版

では早速、本日のテーマはこちら。

エアコンを買い替えたら電気代は安くなるか?

この内容でお伝えしたいと思います。

エアコンを買い替える際に、省エネ性能アップに期待する方も多い様子。

エアコンといえば、宣伝などの影響で年々性能アップしているようなイメージがあるのかもしれません。

ですが、実は省エネ性はそれほど上がっていません。

エアコンの省エネ性能はここ10年くらいあまり変わっていません。

どんな具合なのかは、金額を見てもらうのが手っ取り早いと思います。

ということで、このページでは・・

▶︎10年前から現在までのエアコンの電気代をチェック

▶︎買い換える際の注意点

この辺りを中心にお話していきたいと思います。

初めに 省エネ基準について

エアコンの省エネ性能を測る基準は、これまで長らく2010年目標が使われてきました。

(震災の影響などで基準が据え置かれていました)

ですから、10年以上遡って同じ基準で性能を比べることができるというわけです。

省エネ基準改定

長らく据え置きになっていた省エネ基準ですが、昨年ようやく新たに2027年目標の数値が発表されました。

2023年9月末までは表示変更の猶予期間となっているため、店によっては旧基準のままだったり、すでに表示を差し替え済みだったりと、混在している状況です。

※このページでは古い方の2010年目標を使っています。ご注意ください。

グレード別に電気代をチェック

それでは年代ごとにエアコンの電気代がどう変化してきたのかを見ていきましょう。

今回は、ロングセラーシリーズの多いパナソニックを例として扱います。

それぞれのモデルの位置付けと性能の概要はこんな感じです。

  シリーズ名 省エネ 暖房 フィルター掃除
ハイグレード X 自動
ミドルグレード EX
GX
自動
お手頃グレード J 手動

この中からX・EX・Jの3つのシリーズをチェックしていきます。

ハイグレード Xシリーズ
→リビングで採用されることの多い高性能モデル

ミドルグレード EXシリーズ
→フィルター自動お手入れがあり、価格的に中間程度のもの

お手頃グレード
→シンプルで価格も手頃なもの

こんなイメージでご覧ください。

サイズは最近多いワイドリビングを想定して5.6kW(主に18畳)のものを記載します。

  ハイ ミドル お手頃
  型番 年間電気代
目安(円)
省エネ
達成率(%)
型番 年間電気代目安(円) 省エネ
達成率(%)
型番 年間電気代
目安(円)
省エネ
達成率(%)
2012 CS-X562C2 54,100 112 CS-EX562C2 59,400 102 CS-J562C2 59,400 102
2013 CS-X563C2 54,100 112 CS-EX563C2 59,400 102 CS-J563C2 59,400 102
2014 CS-X564C2 49,700 122 CS-EX564C2 59,400 102 CS-J564C2 59,400 102
2015 CS-X565C2 49,700 122 CS-EX565C2 60,600 100 CS-J565C2 60,600 100
2016 CS-X566C2 49,700 122 CS-EX566C2 60,600 100 CS-J566C2 60,600 100
2017 CS-X567C2 47,300 128 CS-EX567C2 60,600 100 CS-J567C2 60,600 100
2018 CS-X568C2 46,600 130 CS-EX568C2 60,600 100 CS-J568C2 60,600 100
2019 CS-X569C2 46,600 130 CS-EX569C2 60,600 100 CS-J569C2 60,600 100
2020 CS-X560D2 46,600 130 CS-EX560D2 60,600 100 CS-J562D2 60,600 100
2021 CS-X561D2 46,600 130 CS-EX561D2 60,600 100 CS-J560D2 60,600 100
2022 CS-X562D2 46,600 130 CS-EX562D2 60,600 100 CS-J561D2 60,600 100
2023 CS-X563D2 47,300 128 CS-EX563D2 60,600 100 CS-J563D2 60,600 100

 

電気代の推移をグラフにするとこんな感じです。

右に行くほど新しい世代のエアコンです。

EXシリーズとJシリーズは数値が全く同じで重なってしまい、EXシリーズは表示されていません。

お手頃・ミドルグレード
(オレンジの線)

お手頃(Jシリーズ)とミドルグレード(EXシリーズ)に関しては、10年前と全くと言っていいほど変わっていません。

年式や容量によってはミドルグレードが少し省エネ性が高かったりすることもありますが、それも誤差のレベルとなります。

2010年目標を長く使っていたので、同じ基準で製造され続け、省エネ性能も据え置きという感じなんでしょう。

ということで・・

お手頃グレード・ミドルグレードに関しては10年前と今で同じ省エネ性能

となっています。

これを見てガッカリする方もいるかもしれませんね。

もちろん、エアコンの性能が全然進化していないわけではありません。

次はハイグレードモデルを見てみましょう。

ハイグレードモデル
(ブルーの線)

2013年モデルXシリーズ
年間電気代の目安54,100円

2023年モデルXシリーズ
年間電気代の目安47,300円

このように、この10年で・・

金額でいうと約7,000円

割合でいうと1割強

ほど電気代が安くなっています。

「もっと大幅に安くなっていると思っていた」

という方もいるんじゃないかと思いますが、実際はこれくらいです。

年間電気代の目安について

年間電気代の表示金額は、各種省エネ機能(センサーやAI)などを考慮していない数値となっています。

多くのエアコンをなるべく近い条件で比較するためと思われます。

ですから、そういったソフトウェア面の進歩も合わせれば、もう少し省エネ性が向上しているかもしれません。

ですが、現在のルールではソフトウェアによる省エネ効果を含めた数値を公開することはできず、それらを有効にした際の電気代は知りようがありません。

そんなわけで、このページでは省エネラベルに記載されている数値のみを扱っています。

 

暖房能力をチェック

こうして10年前と今の電気代を比べてみると

▶︎お手頃・ミドルグレードは全く変化なし

▶︎ハイグレードは1割強ほど省エネ性能アップ

ということがわかりました。

これを見て、中には「ハイグレードを買う必要ないじゃん」みたいに思った方もいるでしょう。

まぁ、確かにそう言えるケースもあると思います。

とはいえ、ハイグレードとそれ以外では電気代以外にも差があります。

最も大きな違いは暖房です。

グレードごとの暖房性能

最初の方に出したエアコンのグレード分布イメージをもう一度見て見ましょう。

  シリーズ名 省エネ 暖房 フィルター掃除
ハイグレード X 自動
ミドルグレード EX
GX
自動
お手頃グレード J 手動

省エネ性能と暖房性能は連動しています。

従来のエアコンの場合、暖房も得意なのはハイグレードモデルだけです。

実際の暖房のパワーを数値で見てみましょう。

  ハイ
X
ミドル
EX
お手頃
J
2012 8.3 6.8 6.8
2013 8.5 6.8 6.8
2014 8.5 6.8 6.8
2015 8.5 6.8 6.8
2016 8.5 6.8 6.8
2017 9 6.8 6.8
2018 9 6.8 6.8
2019 9 6.8 6.8
2020 9 6.8 6.8
2021 9 6.8 6.8
2022 9 6.8 6.8
2023 9 6.8 6.8

このようになり・・

暖房性能もここ10年くらい大きく変わっていないことがわかります。

「エアコンを買い替えたら、暖房も効くようになるかしら」と思っている方もいるかもしれませんが、同じグレードに変えたら同じ程度の暖房性能になります。

今のミドルグレードよりは、10年前のハイグレードの方がずっと暖房が強いことには注意が必要です。

 

エアコンは暖房性能の差が大きい

もう一つの注目ポイントは・・

ミドルグレード・お手頃グレードはハイグレードよりも3割弱暖房が弱い

ということです。

数値で言って2kWくらい違います。

2kWがどれくらいかをいうのは難しいですが、電気のヒーター2台分くらいの違いですね。

ハイグレードとミドル以下のグレードでは・・

省エネ性能も違うけど、暖房性能も大きく違う

ということが言えます。

かつては省エネ基準の設定や改訂などで順調に省エネ性能が伸びていました。

ですから、省エネ性能の違いでエアコンを選ぶという時期が続いたわけです。

ですが、ここ10年ほどは省エネ性能はそれほど大きく変わっていません。

それだけに、暖房性能の差が大きな注目点となっています。

令和のエアコン選びは・・

電気代もさることながら暖房性能に注目して選ぶ

ことが大事になっています。
 

注意ポイント
同じ予算では・・

最後にエアコンのグレードについて注意点をお伝えしておきたいと思います。

物価高が目立つ昨今ですが、エアコンも御多分に漏れず値上がりしています。

これもどんな具合か見てみましょう。

10年前の価格は正確にはわかりませんが、ヨドバシCOMの価格を参考にすると・・

年度 価格
2013年
563CXR2
販売終了時
192,400円
2014年
564CXR2
販売終了時
165,670円
2015年
565CXR2
販売終了時
187,420円
2016年
566CXR2
販売終了時
203,260円
2017年
X5672
販売終了時
217,180円
2018年
X568C2
販売終了時
232,580円
2019年
X569C2
販売終了時
261,020円
2020年
X560D2
販売終了時
238,700円
2021年
X561D2
販売終了時
265,380円
2022年
X562D2
販売終了時
267,760円
2023年
X 563D2
販売中
272,250

 

グラフにするとこんな感じです。

おおむね右肩あがりで本体価格が上昇していますね。

10年前と現在を比べた場合、4割くらい値上がりしているようです。

参考までに、現在販売中のミドルグレード(EXシリーズ)の価格もヨドバシCOMで見てみると・・

CS-EX563D2
税込211,670円

というように、10年前のハイグレードよりも価格は高い状況です。

しかしながら、これまで見てきたように10年前のハイグレードの方が性能はずっと良いです。

主要スペックをもう一度見てみましょう。

  10年前のハイグレード
CS-563CXR2
現在のミドルグレード
CS-EX563D2
ヨドバシCOM 販売終了時
192,400円
販売中
211,670円
年間電気代の目安
省エネ達成率
多段階評価
54,100円
112%
★×3
60,600円
100%
★×2
低温暖房能力 8.5 6.8
フィルター掃除 自動 自動

10年前であれば、20万円程度の予算でハイグレードモデルを購入することができました。

ですが、現在同じ予算でエアコンを買おうとすると、ミドルグレード程度までしか選べないケースがよくあります。

何が言いたいかと言えば・・

以前と同じ予算で購入すると、今ままでよりも性能が下がってしまう恐れがある。

ということです。

エアコンを買い替えたはずなのに・・

「これまでよりも電気代上がったかも・・」

「これまでよりも冷暖房の危機が悪いような・・」

と言った事態にならないようにご注意ください。

型番をチェック

新しく購入したエアコンよりも性能が下がるような悲しい事態を避けるためには、使用中のエアコンと比べるのが手っ取り早いです。

その際には、型番をメモしてから購入先に相談してもらうのがスムーズでいいと思います。

エアコンに慣れている店員なら型番見ればハイグレードかそうでないかとか、どれくらいの容量なのかはくらいはパッとわかります。

ちなみにエアコンの型番は室内機の下側のシールに記載があります。

どれが型番かわからない場合は、スマホでシール部分の写真を撮っていくと良いと思います。

まとめ

では最後に要点だけおさらいしておきましょう。

▶︎エアコンの省エネ性能は大きくは変わっていない

▶︎ミドルグレードまでは10年前と変化なし

▶︎ハイグレードは1割強省エネ性向上

▶︎本体価格は上昇している

▶︎以前と同じ予算で買い換えると性能ダウンの可能性あり

となっています。

以上、10年前と今のエアコンの電気代比較でした。

電気代がどんどん値上がりする昨今、エアコン選びの一助となれば嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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