エアコン 除湿機 扇風機

「少しでいいから涼しくしたい!」は通用するか?冷風扇、スポットエアコンの特徴を解説

暑い日が続くと・・

「エアコン以外でなんか涼しくなるものありますか?」

こんなお問い合わせをたくさんいただきます。

部屋を涼しくするにはエアコンが一番なんですけど・・

価格が高い、設置ができない、そんなに使わない・・

などなどの理由でエアコン以外で探す方は多いようです。
 

そこで、涼しそうなものを探していると・・

▶︎冷風扇

▶︎スポットクーラー

▶︎冷風除湿機

こんなものを見かけることもあるかと思います。
 

「使ったことが無いけど、少しでも涼しくなるなら欲しいなぁ」

なんて考えている方もいるはずです。
 

そこで本日は

”エアコン以外に部屋を涼しくできる家電はあるのか?"

についてお話したいと思います。

誤解の多い家電たち・・

①冷風扇

②スポットエアコン(スポットクーラー)

③冷風除湿機(冷風機)

④窓用エアコン

実はこれらの商品はリピート購入する方が少ないです。

理由は簡単で「想像していたものと違ったから」ですね。

つまり、購入時に誤解が多かったんだと思います。

ですから、ここではこれらの家電の正しい認識というか、使い方を説明していきたいと思います。
 

冷風扇は冷風が出るのか

冷風扇っていうくらいですから、冷風の出る扇風機と思っている方も多いでしょう。

まぁ、確かに冷風と言えなくもないのですが、部屋の温度は全く下がりませんので注意が必要です。

冷風扇の仕組み

冷風扇の仕組みを知ってもらえれば、それが自分の求めているものかそうでないのかを判断しえもらえると思います。

冷風扇は本体下部のタンクに水や氷を入れて使います。その水をタオルのような、フィルターで吸い上げます。

冷風扇の正体はこの”濡れたフィルター”と”扇風機”です。

扇風機の風が濡れたフィルターの周りを通ってから室内に出てきます。

本当にただそれだけです。

フィルターは濡れているので水分が蒸発します。

そのときにフィルターの熱を少しだけ奪うんですね(気化熱)。

冷たくなったフィルターの周りを通った風は、少しだけ冷たくなります。

これが冷風扇の仕組みですね。

お水のタンクに氷を入れておけば少しひんやりした風がでますが、夏場だと当然すぐに溶けてしまいます。

氷が溶けてしまうと体感的にはただの湿った風がでてきているだけになってしまうので、扇風機の方がいいと感じる方も多いようです。
 

冷風扇のメリット・デメリット

冷風扇の仕組みはなんとなく理解してもらえたでしょうか?

「仕組みからして部屋を冷やすのは無理そうだなぁ」

と思ってもらえれば説明した甲斐が有ります。

「部屋が冷やせないならいらない」って方もいるでしょうが、冷風扇にもちゃんと使い道はあります。

■メリット
⭕️価格が手ごろ
冷風扇はただの扇風機とそんなに変わらない価格で買うことが出来ます。

⭕️自然な風
エアコンの風が苦手な方もいるでしょう。冷風風は本当に少しだけひんやりした自然な風です。

逆に、注意しないといけない点も有ります。

■デメリット
❌本当に少し冷たいだけ
冷水の染み込んだフィルターの隙間を通ってきた風は、ほんのりと冷たい程度です。部屋の温度としては全くといっていいほど変わらないですね。

❌湿気がでる
タオルを扇風機の風で乾かしているのとなんら変わりません。長く使っていると部屋がムシムシしてきます。

冷風扇の使い道

冷風扇が活躍できるシーンはやはり、”エアコンの風が苦手な人がいるとき”ですね。

特に赤ちゃんやご年配の方など、冷房の風が当たるのを苦手とする方もいらっしゃるでしょう。

そんなときには冷風扇の出番です。

自然な風で、扇風機よりも”気持ち”涼しい風を送ることが出来ます。

ただし湿気が出やすいことから、長時間の使用にはむいていません。

「エアコンをつけるほどじゃないけど、少しだけ涼みたい」ってときに短時間で使うと良いですね。

「寝るときにエアコンつけると凍えちゃう」

そんな時は寝る前に少し使って、寝たらタイマーで消すように使うのなんかが良いかも知れません。
 

冷風扇の正しい認識

冷風扇は使い方を間違えると、ただの”湿気拡散機”になりかねません。

反面、特徴を正しく理解してもらえれば使い道は有ります。

▶︎冷風扇の誤った認識
冷風が出て少しだけ部屋が涼しくなる冷房機。

▶︎冷風扇の正しい認識
ほんの少しだけ室温よりも冷たくて湿った空気が出る扇風機。

時間が経てば湿気の出る扇風機。

これを頭に入れてもらえば、「思ってたのと違う・・」といった状況になりにくいんではないでしょうか。

 

スポットエアコンとは?

スポットエアコンっていう名前がついているからには、エアコンの一種なんでしょうが、普通のエアコンと何が違うのでしょうか?

スポットエアコンの仕組み

スポットエアコンの仕組みは普通のエアコンとほとんど一緒です。

ざっくり説明すると、空気中から熱を取り出して屋外へ排出するのがエアコンの仕組みです。

ですから、普通の壁掛けエアコン同様にスポットエアコンも必ず排熱をしなければいけません。

室外まで配管をつなぐことが必須となります。

スポットエアコンのメリット・デメリット

多分皆さんが欲しいものに一番近いのがスポットエアコンだと思います。

ちゃんと涼しい風も出ますからね。

もう少しイメージを固めるために、メリット・デメリットも見てみましょう。

■メリット
⭕️冷たい風が出る
エアコンと同じ原理ですから、冷風扇とは異なりきちんと冷たい風が出ます。

⭕️エアコンが取り付けできない部屋でも使える
エアコン専用コンセントが無い、つける場所が無いなどの場合でも使用できます。

■デメリット
❌エアコン並みに価格が高い
少し予算を足せば、小さなエアコンくらいなら買える金額です。

ですが、エアコンよりもパワーは弱いのでコスパは悪いと言えますね。

壁掛けとしては一番小さな6畳向けのエアコンと比べても8割程度のパワーしかないです。つまり4畳半くらいのお部屋向けのパワーということになりますね。

❌吸気・排気口を確保しないといけない
ただ置けば良いわけではありません。

排気をしっかりと屋外に排出しなければ、室温はかえって上昇してしまいます。

スポットエアコンの使い道

スポットエアコンが活躍できるシーンは、エアコンを設置できない部屋を冷やしたいときです。

4畳半程度の小さなお部屋ですと、エアコンの取り付け自体が出来ない、できても高額な工事費がかかる場合があります。

そんなときにはスポットエアコンや、この後登場する窓用エアコンの出番になるでしょう。

エアコンとしてのパワー自体は4畳半程度が限界です。

普通の壁掛けエアコンをつけるべき部屋(6畳以上の部屋)用に買ってしまうと、パワー不足になりやすいです。

吸気・排気の処理が必要ですが、どうしても壁掛けエアコンを取り付けできないときには有効です。

また、庭やガレージ、いくつかの部屋で使いたいときには、多少手間はかかるものの本体を移動できることもメリットです。

「夏は”暑くて使えないあの部屋”を有効活用したい」そんなときにオススメです。

スポットエアコンの正しい認識

スポットエアコンとはこういうものです。

▶︎スポットエアコンの誤った認識
置くだけで使える小さなエアコン。

▶︎スポットエアコンの正しい認識
吸気・排気の処理が必要だが、移動ができる小さなエアコン。

”移動ができるので、エアコンを取り付けることが出来ない部屋でも使える”という部分にメリットを感じないなら素直に壁掛けエアコンがおすすめです。

やはりパワーが違います。

 

冷風機(冷風除湿機)って何?
スポットエアコンとの違いは?

除湿機の中には、冷風機能が付いている商品もあります。

こういったものはエアコン同様にコンプレッサーを使用していますので、しっかりと冷たい風が出ます。

では、スポットエアコンとの違いは何なのでしょうか?

冷風除湿機の仕組み

冷風除湿機もスポットエアコンも内容的には一緒です。

エアコン同様に、”冷たい空気”と熱くなった空気”両方を作ります。

スポットエアコンや普通の壁掛けエアコンと違うのは、冷風・熱風両方を部屋の中に出すことです。

このように、冷風が当たっていれば涼しいけど、部屋全体の温度は上がるのが除湿冷風機の特徴です。

ご紹介している”コロナCDM-1421”の場合は排気用のダクト(布ホース)が付属しますので熱風を屋外に排出することも可能です。

ですが、大きな期待は禁物です。

こんなふうに使うのですが、よく見ていただくとこれ部屋の空気が減ってしまってますよね。

部屋の空気を吸って、その一部を屋外に排出したら部屋の気圧が下がります。

部屋の気圧が下がれば、隙間から外の暖かい空気が入ってきてしまいます。

ですから、「排熱すれば、少しは冷えるんでしょ?」とはなかなかいかないものなんです。

排熱の方向を決めるためのものと思っていただければいいかと思います。使い方次第では十分実用的ですね。

▶︎キッチンが暑いから自分に向けた冷風が欲しい

▶︎帰宅後やお風呂上がりなど一時的に冷風を浴びたい

など、風に当たっている本人は快適な使い方は可能です。

冷風除湿機のメリット・デメリット

こちらもメリット・デメリットをまとめます。

■メリット
⭕️スポットエアコンよりも手軽
こちらは本来除湿機なので、当然水が溜まります。

水はタンクに溜まりますので、本体からタンクを外して水を捨てればOKです。

⭕️一人なら充分涼しい
自分に風を向けている限りは結構涼しいです。

スポットエアコンより手軽で、涼しさは同じ程度ですね。

■デメリット
❌排気の処理に過度の期待は禁物
排気だけ屋外に排出しても、部屋の気圧が下がるので隙間から外の空気が入ってきます。

残念ながらスポットエアコンほどの効率の良さは望めません。

❌部屋の温度が上昇する
排熱ダクトをつけた場合、つけなかった場合で程度の差はあるにしても、どちらも部屋の温度は上昇します。

冷風機の仕組み上避けられないことなんです。

冷風除湿機の使い道

冷風除湿機の活躍できるシーンは、”一人でいるとき”です。

「部屋はどうせ熱いんだから熱風が出てもいい。自分に冷風を届けて欲しい」

そんなときには冷風除湿機の出番です。

また、排熱を利用して押入れや靴などの湿気こもりやすい物や場所の乾燥をすることが出来ます。

元々除湿機ですから、湿気対策として使ってこそ本来の能力が発揮されます。
 

冷風除湿機の正しい認識

冷風除湿機を正しく理解してお求めください。

▶︎冷風除湿機の誤った認識
部屋を少し涼しく出来る小型の冷風機。

▶︎冷風除湿機の正しい認識
冷風にあたっている人だけが涼しい、熱風と少しの冷風を出す除湿機。

効率優先なら面倒ですがスポットエアコンが良いでしょう。手軽さ優先なら冷風除湿機に分があります。

 

最後の望み窓用エアコン

これならエアコンの一種ですから、みなさんがお探しのものに一番近いんじゃないでしょうか。

ですが、そんなに種類豊富に売っているわけではありませんし、使っている人も少ないですよね。

その理由は何かあるのでしょうか?
 

 窓用エアコンの仕組み

窓用エアコンと壁掛けエアコンの仕組みは大体一緒です。

エアコンは・・

室外で吸気した空気→室外で排出

屋内で吸気した空気→室内で排出

となっていますので、室内の気圧は変化しません。

加えて、屋内の熱を屋外まで運んで排熱しているため、効率よく室温を下げることが出来ます。


内側の空気は内側へ、外側の空気は外側へ排出。これがエアコンと冷風除湿機の違いです。
 

窓用エアコンの場合も一緒です。
部屋に冷たい空気を出し、熱は屋外に排出。壁掛けエアコンの室内機と室外機が一体になった構造です。

窓用エアコンのメリット・デメリット

窓用エアコンで部屋の冷房が済むなら、それこそ手軽で良いですよね。

でも実際は多くの人は壁掛けエアコンを使っています。

それはなぜなんでしょうか?

▼窓用エアコンメリット
⭕️窓さえあれば設置可能

壁掛けエアコンに比べ消費電力が少ないので、専用コンセント無しでも使用可能です。

室外機の置き場を確保できない場合なんかにも選択肢に入ると思います。

⭕️壁掛けエアコンより安い

窓用エアコンは冷房専用の低価格モデルだと30,000円程度から購入可能です。

窓用エアコンデメリット

❌小さいだけあってパワーは控えめ
先ほど消費電力が少ないと書きましたが、決して省エネ性能が高いわけではありません。

単純にパワーが弱いから使う電気も少ないんです。

お住まいの地域によりますが、戸建住宅や鉄骨アパートの場合は、4畳半程度でのしようが想定されています。

4~6畳目安と書いてある場合・・

木造(戸建・アパート)なら4畳

鉄筋コンクリート(マンション・団地)なら6畳

という意味で、6畳までOKという意味ではありません

鉄筋コンクリートのマンションだったら気密性が高いので何とか6畳いけると思いますが、ドアの開け閉めに気をつけましょう。

ちなみにパワーは一番小さい壁掛けエアコン(6畳向け)と比べても6割程度しかありません。

❌音が大きい

壁掛けエアコンの場合は室外機を外に置いて窓を閉めているので、音は比較的聞こえづらいです。

それでも結構な運転音がしますよね。

それが窓用エアコンの場合、室外機と室内機が一体化しています。

室外機が半分部屋の中にあるようなものです。かなり音が気になるでしょう。

しかも、実は窓用エアコンには運転の強さの調節がありません。

全開→オフ→全開→オフを繰り返して温度を調節しています。

オフの時は運転が止まるわけではなく送風のみになります。

この送風から冷風オンの時・冷風オンから送風に切り替わる時に一段と大きな音がするんです。

実は私も窓用エアコンを使っていますが、この運転切り替えの”ガコッ!”という音で目が覚める時があります。

上で紹介したCW-A1617の運転音は約50dbで、これは洗濯機の脱水以上、掃除機のハイパワー以下の運転音になります。

結構な大きさですよね。
 

窓用エアコンの使い道

窓用エアコンが活躍できるシーンは、なんといっても壁掛けエアコンが付けられないときです。

大き目の窓さえあれば大体取り付け可能です。

(出窓など例外も有りますので必ず設置条件を確認して下さい)

▶︎専用コンセントが無い

▶︎コンクリート住宅で壁に穴を開けられない

▶︎取り付けスペースが確保できない

など壁掛けエアコンがどうしても取り付けできない場合って結構あるんです。

そんなときには窓用エアコンが候補になります。

納戸みたいな小さな部屋でも場合によってはエアコン付けたいですよね。

でも、エアコンを取り付けする予定が無く設計されているせいで、壁掛けエアコンの設置ができないことが大半です。

そんな場所でも窓用エアコンなら取り付け可能かもしれません。
 

窓用エアコンの正しい認識

窓用エアコンという名前だからといって、ただの窓に取り付け可能なエアコンと考えていると失敗します。

▶︎窓用エアコンの誤った認識
窓に取り付けできるサイズの小さなエアコン。

▶︎窓用エアコンの正しい認識
本体が小さい分パワーは控えめ、うるさいという欠点がある代わりに設置性能が高いエアコン。

 

まとめ

というわけで、エアコン以外に部屋を冷やせる家電はあるのかを説明してきました。

エアコンほど快適に涼しくできるものは、「残念ながら無い」というのが答えになってしまいます。

紹介した商品たちも、皆さんの欲しいと思っていた商品とはちょっと違ったものだったのかも知れません。

でも誤解しないで下さい。どの商品にもメリットあるんです。

例えば、冷風扇なんかは部屋が涼しくなると思ってかってしまうと本当にがっかりするでしょう。

でも、エアコンの冷たい風がどうしても苦手な人はいるんです。特にご年配の方や、小さなお子さんですね。

”そんなに冷たい風じゃない”ということがメリットにもデメリットにもなるわけです。

正しく商品を理解すれば使い道はもちろんあります。

それがみなさんの探しているものに見合っていればどれでもオススメです。

とは言っても、この記事を読んで下さった方の大半は、部屋の涼しさ優先で探しているんじゃないかと思います。

涼しさを基準にした私のおすすめ度は次のようになります。
扇風機は部屋の温度は変わりませんが、使い勝手が抜群にいいので上位に入れました。

メインはあくまでエアコンと扇風機。

売り場に展示している数が多い順がそのまま使い勝手の良い順となります。

それだけ、家電店の売り場はお客様の声を反映して作られていると思いたいものです。

みなさんの希望に合った商品は見つかりましたでしょうか?

少しでも参考になれば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます。

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