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【2025年版】コロナ vs ダイニチ 石油ファンヒーターガイド!主力8シリーズ機能比較

 

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冬の暖房選びで、必ず名前が挙がるコロナとダイニチの石油ファンヒーター。

どちらも信頼できる日本のメーカーですが、いざ選ぶとなると「たくさん種類があって、どれが自分に合うのかサッパリわからない…」なんてことになりがちですよね。

この記事は、そんなあなたのための、2025年モデルに特化した決定版ガイドです。

両社の売れ筋である主力シリーズ(コロナ4機種、ダイニチ4機種)を、機能の違いがひと目でわかるように比較していきます。

コロナ・ダイニチの特徴比較はこちら

【コロナ対ダイニチ】石油ファンヒーター2社の特徴・電気代・灯油の持ちなど数値でチェック

2025/10/24  

「石油ファンヒーターを買おうと思うんだけど、コロナとダイニチって結局どっちがいいの?」 毎年冬が近づくたびに必ずいただくこの質問。 ネットで ...

目次

失敗しないファンヒーター選び:比べるべき5つのポイント

詳しいモデル紹介の前に、ファンヒーターを選ぶときの共通のチェックポイントを5つ、サッとおさえておきましょう。

これを頭に入れておくだけで、各モデルの長所と短所がグッと分かりやすくなります。

大前提:高いモデルは燃費が良い?
→答えはNO!価格差は「機能」の差です

まず、一番大事なことから。

石油ファンヒーターは、高いモデルだからといって、灯油の燃費がすごく良くなるわけではありません 。

灯油を燃やして熱を作る、という基本の仕組みはどのモデルも同じだからです。   

じゃあ、値段の違いはどこから来るの?というと、それは快適さや便利さをアップさせるための「追加オプション」の差です。

  • ニオイを抑えるための特別な消臭機能
  • 人の動きを見て節約してくれる人感センサー
  • 暖かい空気を足元に届けてくれる特別なルーバー
  • 給油やお手入れがラクになる工夫

つまり、ファンヒーター選びは「どのくらい快適さや便利さにお金をかけるか」を決める作業。

このことを知っておくだけで、冷静に自分に必要なモデルを選べるようになります。

1. 暖房パワーと部屋の広さ

まずは基本のキ。設置したいお部屋の広さに合ったパワー(kW)のモデルを選びましょう。

カタログには「木造〇畳」「コンクリート〇畳」と書いてあるので、これを基準に候補を絞るのが最初のステップです 。   

2. ニオイを抑える工夫

点火・消火時の「あのニオイ」をどう抑えるか。ここに両社の考え方の違いがハッキリと現れます。

ダイニチの考え方

「そもそもニオイの原因を作らない」 ダイニチのヒーターは「ブンゼン式」という燃焼方式を採用しています。

これは、灯油をガスに変えてから燃やす仕組みで、もともと消火時のニオイが出にくいのが大きな長所です 

。その上で、上位モデルには秒速消臭システムプレミアムという機能がついており、消すときにバーナーを高温に保って、わずかに残ったガスさえも焼き切ることで、ニオイを徹底的にシャットアウトします 。   

コロナの考え方

「出てしまったニオイも逃がさない」 コロナが採用する「ポンプ噴霧式(ポット式)」は、電気代が安いというメリットがある一方、構造上、消火時にニオイが出やすいという弱点があります 。

そのためコロナは、その弱点をカバーするために、何重もの対策をしています。

上位モデルのプレミアム消臭「極」は、燃焼の仕方を工夫してニオイの発生自体を抑えます。さらに、VXシリーズなどには消臭シャッターという物理的なフタがついており、消火と同時に吹き出し口をパタンと閉じて、発生してしまったニオイを外に漏らさないという徹底ぶりです 。   

3. 節約(省エネ)機能

電気代について

電気代に関しては、コロナの方が安いです。

コロナダイニチ電気代の差額
1時間の電気代
(最大火力時)
約0.33円約5.92円約5.59円
1ヶ月の電気代
(最大火力時)
約78円約1,421円約1,343円
ワンシーズンの電気代
(最大火力時)
約237円約4,262円約4,025円
1時間の電気代
(最小火力時)
約0.12円約2.48円約2.36円
1ヶ月の電気代
(最小火力時)
約30円約595円約565円
ワンシーズンの電気代
(最小火力時)
約86円約1,786円約1,682円

機能的な面で言えば、どちらのメーカーも設定温度に合わせて自動で火力を調整してくれるecoモードを備えています 。   

さらに上位モデルになると、部屋に人がいるかどうかをチェックする省エネセンサー(人感センサー)がついていて、誰もいないときは自動で火を弱めたり消したりして、うっかり消し忘れても無駄を防いでくれます 。   

灯油の燃費について

電気代とは様子がかわり、灯油の燃費にはほぼ差はありません。

モデル名暖房出力最大火力時の灯油消費量
コロナ FH-WZ5725BY5.65 kW0.549 L/h
ダイニチ FW-5725SGX5.70 kW0.554 L/h

つまり、トータルのランニングコストは、コロナの方が安いです。

ランニングコストの差については、こちらのページで詳しくチェックしています。

【コロナ対ダイニチ】石油ファンヒーター2社の特徴・電気代・灯油の持ちなど数値でチェック

2025/10/24  

「石油ファンヒーターを買おうと思うんだけど、コロナとダイニチって結局どっちがいいの?」 毎年冬が近づくたびに必ずいただくこの質問。 ネットで ...

4. 快適さ&使いやすさ

暖かさの「質」や、日々の使い勝手も大事なポイントです。

コロナのこだわり

「足元から、じんわり暖かく」 暖かい空気は上に逃げやすいもの。コロナは足もとあったかルーバーなどで、温風を床に広げることで、冷えやすい足元からしっかり暖めることを得意としています 。   

ダイニチのこだわり

「遠くまで、パワフルに暖かく」 ダイニチは、最上位モデルの快温トリプルフラップなどで、温風を部屋の隅々までパワフルに届けることを得意としています 。   


また、給油キャップの工夫(コロナよごれま栓、ダイニチワンタッチ汚れんキャップ)や、ダイニチの大きな9Lタンクと持ちやすいタンクWとってなど、毎日の面倒な給油作業を少しでもラクにしてくれる機能も見逃せません 。   

5. シリーズごとのキャラ分け

両社とも、機能や値段でいくつかのシリーズに分かれています。

この記事で紹介する主力シリーズのざっくりとしたキャラはこんな感じです。

  • フラッグシップ(最上位): メーカーの技術を全部乗せした、快適さも便利さもNo.1のモデル。
  • ハイグレード(高性能): 消臭や速暖など、大事な機能がしっかり入った高性能モデル。
  • スタンダード(売れ筋): 使いやすさと安心感を両立した、一番人気の万能モデル。
  • コンパクト(小型): 小さな部屋にピッタリの、基本性能を凝縮したお手頃モデル。

【コロナ編】暮らしに寄り添う「快適性」のコロナ

コロナのファンヒーターは、ひとことで言うと「暮らしに馴染む快適さ」が魅力。

パワフルさよりも、運転中の静かさや、ニオイの少なさ、心地よい暖かさといった、生活空間の質を高めることに力を入れています。

▼コロナ主力4シリーズ 機能・特徴くらべてみました

機能のポイントWZシリーズ (フラッグシップ)VXシリーズ (ハイグレード)STシリーズ (スタンダード)S32シリーズ お手頃)
消臭プレミアム消臭「極」プラスW消臭 (極+シャッター)ニオイカットメカニオイカットメカ
節約人感センサー + 新ecoモード新ecoモード新ecoモードセーブ運転
気流足もとあったかルーバーダブルフロー--
速暖ターボモードターボモード-秒速点火
操作パネルバックライト液晶バックライト液晶大型オレンジ液晶オレンジ液晶
その他DCモーター (静音)-火力セレクト-
タンク7.2L よごれま栓7.2L よごれま栓7.2L よごれま栓5.0L よごれま栓

秒速点火

あらかじめ設定が必要です。設定時は燃焼部を予熱し、約7秒で点火できるように備えておく機能です。

予熱のために電気を使い続けるので、常時使用はおすすめしません。

ターボモード

こちらは運転開始後にボタンで設定します。

設定時は、定格出力プラス10%の暖房出力で運転開始。

180秒からカウントダウンを終了するとお知らせブザーを鳴らして通常運転に戻ります。

WZシリーズ:静かさと省エネを備えた最上位

どんな人向け?

 音やニオイに敏感で、できるだけ何もしなくても快適な部屋にしてほしい、という人にピッタリの最上位モデルです。

WZシリーズは、人感センサー、自動で動くルーバー、そして驚くほど静かなDCモーターが全部連動して、あなたが意識しなくても勝手に一番快適な状態をキープしてくれます 。

▼温風の吹き上がりを抑え、足元に温風を届ける自動ルーバーはWZシリーズのみの特徴

特に弱運転時の静かさはトップクラスで、ついているのを忘れてしまうほど。

↓リモコンも付属します

▼WZシリーズの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
消臭プレミアム消臭「極」プラス
節約省エネセンサー、新ecoモード、DCモーター
気流足もとあったかルーバー、トリプルフロー
速暖ターボモード、秒速点火(7秒)
操作性大型白文字バックライト液晶、ダブルタイマー
給油7.2L よごれま栓タンク、給油お知らせメロディー

VXシリーズ:「W消臭」でニオイを徹底ガードするモデル

どんな人向け? とにかくニオイが一番気になる!という人に絶対おすすめの高性能モデル。

自動ルーバーなし・リモコンなし という内容ではありますが、それ以外は充実した内容となっています。

消臭に気を配りつつ、WZよりは予算を抑えることができます。

▼VXシリーズの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
消臭消臭シャッター + プレミアム消臭「極」プラス
節約新ecoモード
気流ダブルフロー
速暖ターボモード、秒速点火(7秒)
操作性大型白文字バックライト液晶、ダブルタイマー
給油7.2L よごれま栓タンク、給油お知らせメロディー

STシリーズ:誰でも使いやすい、安心のど真ん中モデル

どんな人向け? 難しい機能はいらないから、とにかく使いやすくて信頼できる一台が欲しい、という人に。コロナで一番売れているシリーズです。

さらに、自分で火力を「強・中・弱」から選べる火力セレクト機能もついていて、「機械に任せるより自分で調整したい」という人にもピッタリです 。   

▼STシリーズの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
消臭ニオイカットメカ、クリーン消火
節約新ecoモード
気流-
速暖秒速点火(7秒)
操作性大型オレンジ液晶、火力セレクト
給油7.2L よごれま栓タンク、給油お知らせメロディー

S32シリーズ:基本性能バッチリのコンパクトモデル

どんな人向け? 寝室や書斎など、小さな部屋で使いたい人や、とにかく価格を抑えたい人に。

S32シリーズは、上位モデルのような特別な機能はありませんが、暖房、安全装置、給油のしやすさといった「これだけは外せない」という基本機能はしっかり押さえています。

タンクは5Lと小さめですが、その分本体がコンパクト 。

▼S32シリーズの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
消臭ニオイカットメカ、クリーン消火
節約セーブ運転
気流-
速暖秒速点火(7秒)
給油5.0L よごれま栓タンク

【ダイニチ編】スピードとパワーで快適を作る「実力派」のダイニチ

ダイニチのファンヒーターは、「速暖・パワフル・便利」がキーワードです。

業界トップクラスの着火スピードと力強い暖房性能、そして給油やお手入れといった日々の面倒を解決してくれる、ユーザー目線の便利な機能がてんこ盛りです。

▼ダイニチ主力4シリーズ 機能・特徴くらべてみました

機能のポイントSGXタイプ (フラッグシップ)GRタイプ (ハイグレード)LSタイプ (スタンダード)NEタイプ (お手頃)
速暖オートターボEX + 35/40秒着火オートターボ + 35/40秒着火35/40秒着火35秒着火
消臭秒速消臭プレミアム秒速消臭プレミアムパワフル秒速消臭秒速消臭システムプレミアム
節約人感センサー + ecoおまかせプラスecoおまかせプラスecoおまかせモードecoおまかせモード
気流快温トリプルフラップ---
給油9Lタンク + Wとって9Lタンク + Wとって9Lタンク + Wとって5L/3.5Lタンク
お手入れかんたんフィルタークリーナーかんたんフィルタークリーナー抗菌ファンフィルター抗菌ファンフィルター

SGXタイプ:速さと快適さを備えた最上位モデル

どんな人向け? 寒い部屋に帰ってきて、一刻も早く暖まりたい!という、スピードとパワーを何よりも重視する人に。

SGXシリーズだけの特徴として、3枚のフラップが温風を部屋の隅々まで届ける快温トリプルフラップ があります。

また、35秒や40秒という圧倒的な着火スピード、自動でパワーアップするオートターボEX運転も搭載。

お手入れも楽チンで、SGXとGRシリーズのみ、簡単フィルタークリーナーが採用されています。

フィルターを上下に2~3往復させると、ブラシでフィルターを引っ掻いてダストボックスにホコリを落とすようになっています。

溜まったホコリは1ヶ月に1度捨てればOKです。

▼SGXタイプの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
速暖オートターボEX運転、35秒/40秒スピード着火
消臭秒速消臭システムプレミアム
節約Wエコプラス (ecoおまかせモードプラス + 省エネセンサー)
気流快温トリプルフラップ
給油9.0Lタンク、タンクWとって、ワンタッチ汚れんキャップ、8段階油量モニター
お手入れかんたんフィルタークリーナー

GRタイプ:性能と使いやすさのハイグレード

どんな人向け? 最上位モデルほどの機能はいらないけど、速暖と消臭性能は妥協したくない、という賢い選択をしたい人に。

GRシリーズは、ダイニチのラインナップで最もバランスの取れた「優等生」。

速暖性を高めるオートターボ運転と、最上位の秒速消臭システムプレミアムはしっかり搭載 。その上で、面倒なフィルター掃除が劇的にラクになるかんたんフィルタークリーナーという、地味に嬉しい便利機能が光ります 。

性能と実用性のいいとこ取りをした、総合力の高いモデルです。   

▼GRタイプの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
速暖オートターボ運転、35秒/40秒スピード着火
消臭秒速消臭システムプレミアム
節約ecoおまかせモードプラス(一時消火機能あり)
給油9.0Lタンク、タンクWとって、ワンタッチ汚れんキャップ、8段階油量モニター
お手入れかんたんフィルタークリーナー

LSタイプ:「給油、面倒くさい…」を解決する大容量モデル

どんな人向け? とにかく給油の回数を減らしたい!という、手間を何よりも嫌う人に。

LSシリーズの存在意義は、なんといっても9Lの大容量タンク 。

一度満タンにすれば、驚くほど長持ちします。

さらに、重いタンクを両手でしっかり持てるタンクWとっても標準装備。特別な機能よりも「日々の面倒が減る」という、非常に分かりやすいメリットに特化した、実用性あるモデルです。   

▼LSタイプの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
速暖35秒/40秒スピード着火
消臭パワフル秒速消臭システム
節約ecoおまかせモード(一時消火機能あり)
給油9.0LタンクタンクWとって、ワンタッチ汚れんキャップ
お手入れ抗菌ファンフィルター

NEタイプ:小さくても消臭は妥協しない優良モデル

どんな人向け? 寝室や書斎向けの比較的コンパクトなシリーズです。

秒速消臭システムプレミアム搭載ではありますが、ダイニチの魅力である9Lタンクが不採用となっている点には注意が必要です。

▼NEタイプの主な機能

機能カテゴリ搭載機能
速暖35秒スピード着火
消臭秒速消臭システムプレミアム
節約ecoおまかせモード(一時消火機能なし)
給油5.0L / 3.5Lタンク、ワンタッチ汚れんキャップ
お手入れ抗菌ファンフィルター

まとめ:あなたにピッタリの一台はこれ!目的別おすすめモデル

さて、長旅お疲れ様でした!最後に、あなたの「これだけは譲れない!」というポイント別に、一番おすすめのモデルをズバリ紹介します。

とにかく「ニオイの少なさ」を最優先したいなら

  • 第1候補:コロナ VXシリーズ 燃焼制御と物理的なフタ(シャッター)の二段構えは、ニオイ対策として最も信頼できる選択肢です 。   
  • 対抗馬:ダイニチ GR / SGXタイプ もともとニオイの少ない燃焼方式に加え、メーカー最高峰の消臭システムを搭載。こちらも極めて高いレベルでニオイを抑えます 。   

寒い朝、とにかく「すぐに」暖まりたいなら

  • 第1候補:ダイニチ SGXタイプ 業界最速クラスの着火スピードと、強力なターボ機能の組み合わせは、暖かくなるまでの速さで他を圧倒します 。   
  • 対抗馬:ダイニチ GRタイプ SGXに迫る速暖性を、より手頃な価格で実現しています 。   

ランニングコスト(灯油代・電気代)を少しでも「節約」したいなら

  • 第1候補:コロナ WZシリーズ 人感センサーと、超低消費電力のDCモーターの組み合わせは、無駄な運転をなくすという点で一歩リードしています 。   
  • 対抗馬:ダイニチ SGXタイプ こちらも人感センサーを含むWエコプラスで、賢く燃料の無駄をカットします 。   

面倒な「給油の手間」を極限まで減らしたいなら

  • 第1候補:ダイニチ LS / GR / SGXタイプ 標準装備の9Lタンクは、とにかく長持ち。給油回数を一番少なくできます 。持ちやすいタンクWとっても嬉しいポイント。   
  • 対抗馬:コロナ ST / VX / WZシリーズ 7.2Lタンクも十分大きいですが、給油頻度の少なさではダイニチの9Lモデルに軍配が上がります 。   

小さな部屋で使う「コスパの良い一台」が欲しいなら

  • 消臭性能を重視するなら:ダイニチ NEタイプ コンパクトなモデルに最上位クラスの消臭機能を搭載しており、非常に価値の高い選択肢です 。   
  • 価格を最優先するなら:コロナ S32シリーズ 余計な機能をそぎ落とし、暖房器具としての基本性能をしっかり押さえた、安心と信頼のモデルです 。   

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