新型ロボ掃除機の進化のポイントは?
他のメーカーと比べるとどうなの?
ルンバ新型I7の登場もあり、ますます盛り上がるロボット掃除機コーナー。
そんな中、約3年ぶりとなるダイソンのロボット掃除機360Heuritが発売となりました。
見た目は前のモデルとそっくりなんですが、どんな風に変わったのでしょうか?
そこで本日は
「ダイソンロボ360Heuritの魅力と弱点」
「ルンバ・ルーロと比べるとどうなの?」
この辺りを中心にお話させていただきたいと思います。
最初の印象
Dyson 360Heurist
RB02BN
基本スペック
最大運転時間 約75分
充電時間 2.75時間
アプリ連携 あり
衝突回避 あり
売り場で運転している様子を見てきたのですが、まず思ったのが
「掃除機が動いた!!」
という驚きでした。
いや、ロボ掃除機なんで当たり前なんですけど・・。
今までのロボット掃除機って、"ロボ"っていう普通の掃除機とは別の種類であって、多少吸い残しなんかがあっても「そんなもんだよなぁ」なんて思ってたんです。
それがやはりダイソンということで、吸引力がすごかったんですね。
本当に掃除機をかけたみたいにしっかりとゴミが取れたんです。それで、ロボ掃除機を見て「掃除機が動いた」って初めて思ったんです。こりゃすごい!と。
そんなダイソン360Heuristですが、どんな魅力があるのでしょうか。
その辺りをお話する前に、ロボット掃除機選びのチェックポイントを少しおさらいしておきましょう。
ロボット掃除機でチェックするべきポイント
チェック①吸引力
小さな内臓バッテリーで1時間以上稼働ができるロボット掃除機。
となれば、やはり吸引力はそれほど望めないのではないかというのがよくある不安ですね。
まぁ、それはその通りで、普通の掃除機みたいに吸うわけではないんですよね。
そんな中注目を集めるのがルンバのゴムベラ吸い込み口(デュアルアクションブラシ)です。
ゴミをつまむように吸う&風の通り道を集中させて吸引力アップという優れものですね。
ルンバ E5
限られた電気しか使えない中で、それでも吸引力を高める工夫がしっかりとされているわけです。これがルンバE5人気の理由ですね。
チェック②衝突回避
現状の1番人気はルンバではあるのですが、ルンバにも弱点はあります。
ルンバは壁や家具にぶつかってしまうんですね。
それに対してパナソニックRULOはセンサーを使って衝突を回避しているわけです。
RULO 310
「ルンバは魅力的だけど、壁や家具に跡が残ったら嫌だなぁ」
そんな場合はルーロが候補になります。
③カメラ(複数の部屋対応)
ルンバにしてもRULOにしても、上位モデルには部屋の形を認識するためのカメラが搭載されています。
ルンバ I7
カメラを使って部屋の形を認識し、地図を作成します。
地図があれば、廊下にも出て行けますし、隣の部屋へもたどり着けます。
カメラなしのロボ掃除機でも廊下に出て行ったり、隣の部屋に辿り着くこともあります。ですが、あくまで目隠し状態でたまたま辿り着いているにすぎないです。毎回行くとも限りませんし、充電台に戻ってこれない可能性が高いです。
ですから、複数のお部屋を掃除したい場合にはカメラ付きモデルが必要となります。
チェック④スマホアプリ連携
ロボット掃除機は基本的に外出中に使っていただくものです。
在宅中だとそれなりに運転音もしますし、動き回って邪魔になっちゃいますからね。
タイマーでもいいのですが、出かける時間が日によって違うこともあるでしょうし、もちろんおやすみの日もありますよね。
そこで大切なのがスマホアプリ連携でのスケジュール登録です。
スケジュール登録とは、「何曜日は何時にお掃除スタート」のように曜日ごとの運転時間を設定できる機能のことです。
このあたりがロボット掃除機を選ぶ際の決め手になってくるポイントです。
それではダイソン360Heuristはどうなのかを見ていきましょう。
360Heuristの魅力
魅力①しっかりと掃除できる吸引力
冒頭でも書いたように、ダイソンの魅力はやはりこの吸引力でしょう。
他のロボット掃除機とは違い、パワーが3段階 強・中・弱から選択可能です。
弱でもルンバ・ルーロと同じくらいは吸うような印象ですね。
強ともなれば、ダントツの吸引力を誇ります。
強運転だと運転時間は短くなりますが、充電がなくなりそうな時は一度充電台に戻って、回復したらまた再開してくれます。電池切れで途中で止まっているという心配はないわけですね。
魅力②ハイスペック
その他の機能も充実しています。
複数部屋対応のためのカメラ搭載
衝突回避のためのセンサーも搭載
スマホアプリ連携も対応
このように、今ロボット掃除機選びでチェックすべきポイントは全部抑えられているんです。
衝突回避センサーの種類は不明ではあるのですが、スチールラックの脚(直径2cm弱)も避けていたので、RULOと同等程度の性能ではないかと予想しています。
魅力③お手入れ楽&低コスト
本格サイクロン掃除機ということで、お手入れはかなり楽チンですね。
本体に二箇所、布のようなフィルターがあるのですが、これは3ヶ月に1度水洗いすればOKです。
それ以外はゴミ捨てだけでOK。
ダストケースも円筒状でゴミがとても捨てやすいです。
ルンバの場合・・
ダストケースの網にホコリが張り付くので、掃除するごとに手入れが必要。また、ダストカットフィルターが定期的に手入れ、交換が必要です。サイドブラシもよれてしまったら交換ですね。
RULOの場合・・
ルンバ同様に、ダストケースの網にホコリがつまります。毎回手入れが理想ですね。サイドブラシ2本もよれてしまったら交換です。
ダイソンなら普段はゴミ捨てのみで、3ヶ月に1度だけフィルター洗浄と楽チンです。頻繁に交換が必要になるパーツもありませんから、低ランニングコストで使うことができます。
魅力をまとめると
▶︎ダントツの吸引力で吸い残しが少なく
▶︎壁や家具への衝突も回避してくれて
▶︎廊下も隣の部屋も掃除できて
▶︎手入れも楽で、しかもランニングコストが安い
と、このように非常にハイスペックな内容となっています。
価格は初期で約12万と高価ではありますが、近いスペックとなるカメラ付きRULOの初期価格が約15万円だったことを考えれば妥当というか、安いとも言えるかもしれません。
さてさて、そんな360Heuristですが、もちろんいいとこだけということはありません。
次は弱点も見ていきましょう。
360Heuristの弱点
弱点①隅っこに弱い
隅っこを掃除するためのサイドブラシは搭載していません。
本体幅いっぱいの吸い込み口がありますので、壁際はまぁなんとかなるとしても隅っこはもう全然ダメです。
指1〜2本分くらいは届いていない隙間ができます。この辺りはRULOに軍配が上がります。
弱点②段差にも弱い
ルンバ・RULOが約2cmの段差まで乗り越えるのに対して、ダイソンは全然登らないです。
説明書やカタログにも◯cmまでOKみたいなことは書いていなくて、「段差は乗り越えません」と記載されていました。
端っこがなだらかなカーペットくらいなら登るのですが、それでも吸い込み口が床から浮くと、動作が不安定になります。
厚手のカーペットや絨毯をお使いの方は注意が必要です。
大きな弱点はこの2つですね。その他にも知らないで買ってしまうとがっかりするかもしれないポイントがいくつかあります。
その他注意点
弱点といえば弱点だけど、問題ないといえば問題ないポイントをまとめておきます。
注意①サイドブラシなし
くるくる回転して見えるサイドブラシは搭載していません。
ですから隅っこの掃除はめっぽう苦手なんですけど、じゃあブラシがあったらいいかといえば、そうとも言い切れない部分もあります。
サイドブラシはゴミを掻き入れることもありますが、ゴミを遠くへ弾き飛ばしてしまうこともあります。
遠くに飛ばしてしまっても、そこを後から掃除するならまだいいです。
問題はロボ掃除機がたどり着けない場所にゴミを飛ばしてしまうケースですね。
当たり前ではありますが、ロボット掃除機は自分のサイズよりも狭い隙間にはどうやっても入り込むことはできません。そういうところにゴミを飛ばしてしまうことがあるのがサイドブラシの悪いとこです。
ものが置いてある場所でサイドブラシを動すと、綺麗になる場所と、最初より汚れちゃう場所ができるんですね。隅っこに強いのは魅力ですが、難点もあるわけです。
なので、サイドブラシのあり・なしは一長一短でどっちもどっちです。
注意点②うるさい
キャタピラー走行&強力回転ブラシ&パワフル吸引ということで、ロボット掃除機の中でもダントツで音が大きいです。強運転なんて普通の掃除機並みの音がしている気もします。
とはいえ、お掃除ロボは基本的には外出時に動かすものです。それなら掃除機の音くらいは問題ないですよね。
注意点③動きがぎこちない
ダイソンHeuristはなんだかちょっともっさりした動作です。
ルンバ・RULO
▶︎スイッチオンですぐに動き出す
▶︎移動中は常に吸引状態
▶︎動きがスムーズ
ダイソン
▶︎スイッチオンしてしばらく考え込む
▶︎吸引なしのただの移動がある
▶︎動きがスムーズではない
ダイソンはスイッチオンしてもしばらく動き出さないですし、動き出してもウロウロするだけで吸引してない時間もあるんですよね。
他に、方向転換するときなんかも吸引が止まって移動だけになります。電池節約のためというのはわかるのですが、吸引していない時間が続くと「本当に大丈夫?」となります。
動きもスムーズとはいえなくて、なんだか全体的に不安になる挙動なんですよね。見ると不安になるロボ掃除機という印象です。
とはいえ、ロボット掃除機はスピード勝負ではありませんから、掃除さえしっかりしてくれればOKです。
スマホ連携必須
スマホアプリ連携をしないと使い勝手がすごく悪いです。つまり、WIFI環境必須ということになります。
実は本体にはスタートボタン一つしか搭載されていないんですね。ですから、その他の操作は全てアプリから行う必要があります。
上にも書いたように動きがもっさりしているので、アプリがないとロボが今何をしようとしているのかがいまいちわからないです。
スタート待機中なのか、考え中なのか、一時停止中なのかも本体をパッと見るだけではわかりにくいです。
あとこれがすごく大事な話なんですけど、
アプリを使ってマップ作成してから使わないと、動きがすごく悪いです。
マップ登録しないまま使うと、ランダム走行に近い運転になるんですが、それだとお掃除で通らない場所が残ってしまうこともあります。
マップ登録が終わればしっかりルート走行になりますので、まずはマップ作成からスタートしていただくことをおすすめします。
ルート走行っていうのは▼こういう効率良いジグザグ走行のことです。
そういった意味でスマホ連携は必須と感じました。
ロボット掃除機において、もはやスマホ連携はスタンダードではあります。これくらい高級なロボ掃除機ならなおさらですね。
なので、ちょっと惜しい気もしますが、仕方ないといえば仕方ない部分にはなります。
以上が弱点にもなってしまうかもしれないポイントです。
ダイソンHeuristは買いか?待ちか?
良いところ・悪いところ両方あったわけですが、結局どうなんでしょうか?
私の印象は"買い"ですね。
「これくらいしっかり吸ってくれるなら使ってみたい」と思いました。
価格としては効果ではありますが、他所とスペックを比べるとまぁ妥当というか、割安とまで言ってしまっても良いかと思います。
一応他メーカーとざっくり比べておくと・・
衝突回避があるという面から見るとRULO810が一番近い性能でしょうか?
RULO810の初期価格が約15万円だったことを考えると、値段は許容範囲ではないかと思います。
ロボ掃除機の王者ルンバと比べると、衝突回避がある点で優れています。
ルンバで同じ価格帯となると、ゴミ回収装置のついたi7+が相当しますね。
確かにゴミ回収は魅力ではあるのですが、ダイソンはゴミが捨てやすい&こまめなフィルターメンテ不要なので、それほど大きな差にはならないかなぁと。
そういう風に見ていけば、隅っこに弱いとか、動きがスムーズじゃないととかも含めても十分に戦っていけるレベルにはあるんじゃないかと思います。
むしろ他には変えがたい吸引力は大きな武器になっているように感じます。
ということで・・
特に新居を綺麗に保ちたいという方にはおすすめです。
「壁や家具に跡をつけたくない」
「綺麗なフローリングを維持したい」
「カーペットもキッチンマットも買い換えたし、ホコリはつけたくない」
こんな時にはダイソン360Heuristがおすすめです。
ダイソン製品は総じてとんがった性能と言った印象です。
私はあまり尖った性能よりはバランス良いのが好きなんですが、こと掃除機、特に充電で動く掃除機に関しては吸引力で他社を突き放しているダイソンが有利と思っています。
吸わなきゃしょうがないですからね。
そんなわけで、個人的には意外だったんですが良い製品だなぁと感じました。なんかもう全然ルンバには敵わないんじゃないかなぁと思っていたので・・。良い意味で予想が外れた感じです。
以上、ダイソンの新型ロボの考察でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。