加湿機

【2025年版】加湿器の選び方|家電店員が4大方式を比較&代表的なモデルを紹介

 
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冬になると気になるお部屋の乾燥。肌や喉のためにも、加湿器を使いたいと考えている方は多いと思います。

でも、いざ選ぼうとすると・・

「ハイブリッド式って何?」

「スチーム式は電気代が高いって本当?」

「安いモデルと高いモデルは何が違うの?」

など、たくさんの疑問が出てきてしまいますよね。

この記事では、そんな加湿器選びの悩みを解決するため、各加湿方式の仕組みや特徴をまとめています。

それぞれのメリット・デメリットをチェックし、2025年の最新情報に基づいた、各方式の代表的なモデルもご紹介します。

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加湿器選びの最重要ポイント!4つの加湿方式

加湿器選び悩んだときに、スムーズに機種の違いを把握するには、まずは加湿方式の違いを把握するのが効果的です。

加湿器のパワーは「加湿能力(ml/h)」で見るのが基本

各方式を解説する前に、加湿器のパワーを示す最も重要な指標について説明します。

それは「加湿能力(ml/h)」です。

これは「1時間あたりにどれくらいの水分を放出できるか」を示す数値で、この数値が大きいほど、広い部屋をパワフルに加湿できることを意味します。

一方で、ユーザーが体感する「加湿の速さ(立ち上がりスピード)」は、この加湿能力とは少し異なります。

例えば、ヒーターを使うスチーム式はスイッチを入れてからすぐに力強い蒸気が出てくるため「速い」と感じますが、ヒーターを使わない気化式は緩やかに湿度が上がるため「遅い」と感じます。

ただし、部屋全体の湿度を上げるという最終的な結果は、この「加湿能力(ml/h)」に大きく依存します。

この記事では、加湿器選びで重要な項目は「加湿能力(ml/h)」であることを前提に、それぞれの方式の特徴を解説していきます。

「ハイブリッド式」には2種類ある!この違いが一番大事

市場で最も混乱を招きやすいのが「ハイブリッド式」という言葉です。

実はこれ、全く異なる2つの方式をまとめて呼んでいるため、注意が必要です。

① 主流派の優等生「温風気化式ハイブリッド」

ダイニチやシャープなど、国内大手メーカーが採用しているのがこの方式です。

基本は、水を含んだフィルターにファンで風を当てる「気化式」ですが、加湿を早めたい時に補助的にヒーターで温風を送る仕組みです。

メリット

  • バランスの良さ: 加湿スピード、省エネ性、清潔性のバランスが非常に優れています。
    ヒーターで素早く湿度を上げ、設定湿度に達すればヒーターを止めて省エネ運転に切り替わります。
     
  • 安全性: 吹き出す風は熱くないので、小さなお子様やペットがいる家庭でも安心です。

デメリット

  • フィルターの手入れ:定期的なフィルター洗浄と、数シーズンごとの交換が必要です。
  • 本体サイズ:構造上、本体が大きくなる傾向があります。

結論として、現在最もおすすめ度が高いのがこの「温風気化式ハイブリッド」です。

多くの人にとって、最も失敗が少なく、ベターな選択肢と言えると思います。

② 少し注意が必要
「加熱超音波式ハイブリッド」

デザイン性の高い海外ブランドや一部の国内メーカーに見られるのがこの方式です。

水を霧状にする「超音波式」をベースに、ミストにする前にヒーターで水を温める仕組みです。

ここで注意したいのが「加熱」の効果です。

「加熱=除菌でクリーン」というイメージを持つかもしれませんが、多くのモデルでは、その効果は限定的と考えられます。

参考

例えば、水を完全に沸騰させて加湿する象印のスチーム式(加湿量480ml/h)は、加湿運転中に410Wもの電力を消費します。

一方、アイリスオーヤマの加熱超音波式AHM-HU55A(加湿量550ml/h)の消費電力は122Wです。

水を蒸発させるのに必要なエネルギーは物理的に決まっているため、この消費電力の差は明らかです。

つまり、このタイプの「加熱」は、ミストの清潔性を向上させるというよりは、冷たいミストを人肌に近い温度に温めて快適性を上げる、あるいは加湿効率を少し上げるための補助的な役割と考えるのが妥当です。

メリット

  • デザイン性: 構造がシンプルなため、デザインの自由度が高く、おしゃれなモデルが豊富です。

デメリット

  • 清潔性への過信は禁物: 加熱温度が低いモデルでは、スチーム式のような高い除菌効果は期待できません。
    UV除菌機能など、他の除菌機能が併載されているか確認することが重要です。
  • こまめな清掃が必要: ベースが超音波式であるため、タンクや振動子のこまめな清掃を怠ると、衛生面でのリスクが残ります。

気化式:電気代の安さと安全性ならNo.1

濡れたフィルターにファンで風を当て、水分を自然に気化させるシンプルな方式です。

洗濯物が乾くのと同じ原理です。

メリット

  • 圧倒的な省エネ性: 消費電力が極めて低く、24時間つけっぱなしで使いたい場合に最適です。パナソニックのモデルでは、1ヶ月の電気代が数十円レベルという試算もあります。
  • 高い安全性: 熱を使わないため、火傷の心配が全くありません 14
  • 過加湿になりにくい: 湿度が高くなると自然に気化しにくくなるため、結露やカビの発生を抑えられます。

デメリット

  • 加湿スピードが遅い: 設定湿度に到達するまでに時間がかかります 1
  • 選択肢が少ない: 性能の良いモデルを国内大手メーカーで探すと、実質的にパナソニックが中心となり、選択肢が限られるのが現状です。

スチーム式:最強の加湿力と清潔性、ただし注意点も

ヒーターで水を沸騰させ、その蒸気で加湿する方式です。

電気ポットと同じ原理で、非常にパワフルです。

メリット

  • 最高の加湿力とスピード: 4つの方式の中で最も加湿能力が高く、乾燥した部屋を短時間で潤せます。
  • 最高の衛生レベル: 水を100℃で沸騰させるため、水中の細菌やウイルスはほぼ死滅します。最も衛生的な方式です。

デメリット

  • 高い電気代: お湯を沸かし続けるため、消費電力は他の方式よりかなり高くなります。
  • 火傷のリスク: 吹き出し口や蒸気が高温になるため、小さなお子様やペットがいるご家庭では注意が必要です。
  • カルキの付着: 定期的にクエン酸などで水アカ(カルキ)の掃除をしないと、性能が低下したり、故障の原因になったりします。

象印の製品が非常に人気ですが、「フィルター不要でお手入れ簡単」という言葉を過信せず、定期的なカルキ掃除は必須であると理解した上で選ぶことが大切です。

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超音波式:デザインと静音性で人気、ただし「除菌機能」は必須

水を超音波で振動させ、微細なミストを発生させる方式です。

メリット

  • 静音性と省エネ性: ヒーターやファンを使わないため、電気代が安く、運転音も非常に静かです。
  • デザイン性: 構造がシンプルなため、おしゃれでコンパクトな製品が多いのが特徴です。

デメリット

  • 衛生リスク: タンクの水をそのまま放出するため、こまめに手入れをしないと、水が汚れていた場合に雑菌を部屋中に撒き散らすリスクがあります。

高級機ではUV-CのLEDで雑菌の繁殖を抑えるなど、しっかりと対策がされています。

【早わかり比較表】4大加湿方式メリット・デメリット

加湿方式体感速度電気代清潔性本体価格お手入れの手間
温風気化ハイブリッド速い★★★☆☆★★★★☆★★★☆☆★★☆☆☆
加熱超音波ハイブリッド速い★★☆☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★★☆☆
気化式遅い★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆
スチーム式速い★☆☆☆☆★★★★★★★★☆☆★★★☆☆
超音波式 (UV除菌あり)速い★★★★☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★☆☆

主要加湿器 電気代比較表

各方式の代表的なモデルで、なるべく加湿能力が近いものの電気代の目安を比べた表がこちらです。

加湿方式機種名運転モード消費電力 (W)1時間あたりの電気代 (円)1ヶ月の電気代 (円)
ハイブリッド式HD-RXT525eco12 W約0.37円約89円
標準163 W約5.05円約1,213円
ターボ170 W約5.27円約1,265円
気化式FE-KX05C静か4 W約0.12円約30円
8 W約0.25円約60円
お急ぎ11 W約0.34円約82円
スチーム式EE-DF50-HA加湿時410 W約12.71円約3,050円
湯沸かし立ち上げ時985 W約30.54円(参考値)
超音波式ASZ-400(最大)30 W約0.93円約223円

注:1ヶ月の電気代は1日8時間、30日使用した場合の目安です。スチーム式の「湯沸かし立ち上げ時」は運転開始直後の短時間における最大消費電力であり、継続的な運転コストは「加湿時」の値を参照してください。

結局、安いモデルと高いモデルは何が違うの?

1万円以下の安価なモデルの場合、湿度に合わせた自動運転なし・湿度表示もなし、という製品が多いです。

別で湿度計を用意し、運転の強さを手動で調節する必要があるため、手間がかかります。

湿度は高すぎても結露の原因になるので、その点にご注意ください。

代表的なモデルの例

ここからは、具体的な使用シーンに合わせたおすすめモデルを厳選して紹介します。

ハイブリッド式(温風気化式)

広いリビングには、パワフルな加湿能力と、家族の会話やテレビを邪魔しない静音性が求められます。

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ハイブリッド式のダイニチ・シャープ・コロナと、気化式のパナソニックの加湿器ラインナップを紹介しています。

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冬になると気になる、お部屋の乾燥。 朝起きたときの喉の違和感が気になったりしますよね。 ただ、いざ加湿器を選ぼうとすると、「ハイブリッド式? ...

総合力No.1:ダイニチ HD-LX1225

項目スペック
タイプ温風気化ハイブリッド
適用畳数(木造/プレハブ)20畳 / 33畳
最大加湿量1,300mL/h
タンク容量7.0L
消費電力(最大)670W
最小運転音13dB

最大1,300mL/hという非常に高い加湿能力で広いリビングをしっかり潤しつつ、最小運転音は13dBと業界トップクラスの静かさを誇ります。

お手入れが面倒なトレイに使い捨てカバーを装着できる「カンタン取替えトレイカバー」も画期的で、パワー・静音性・利便性のすべてを高いレベルで満たしています。

利便性で選ぶなら:シャープ HV-T75

項目スペック
タイプ温風気化ハイブリッド
適用畳数(木造/プレハブ)12.5畳 / 21畳
最大加湿量750mL/h
タンク容量4.0L
消費電力(最大)335W
最小運転音23dB

750mL/hの十分な加湿能力に加え、タンクを外さずに上から給水することも、タンクを運んで給水することもできる「どっちも給水」が非常に便利です。

シャープ独自の空気浄化技術「プラズマクラスター7000」も搭載しています。

過度な期待は出来ませんが、付加機能としてついてる分には良いと思います。

そういうのがいらない場合はダイニチを選ぶというのが定番ルートですかね。

気化式

静音性と省エネの最適解:パナソニック FE-KXC05

項目スペック
タイプ気化式
適用畳数(木造/プレハブ)8.5畳 / 14畳
最大加湿量600mL/h
タンク容量4.2L
消費電力(最大)11W
最小運転音15dB

ヒーターを使わない気化式なので安全性が高く、電気代も非常に安いのが特徴です。

「静かモード」では15dBという驚異的な静音性を実現。

表示ランプが暗くなる「おやすみモード」も搭載しており、光と音の両面から快適な睡眠環境を守ってくれます。

スチーム式

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清潔性とお手入れの手軽さ:象印 EE-DF50

created by Rinker
¥25,080 (2025/11/16 19:11:23時点 楽天市場調べ-詳細)
項目スペック
タイプスチーム式
適用畳数(木造/プレハブ)8畳 / 13畳
最大加湿量480mL/h
タンク容量4.0L
消費電力(加湿時)410W
最小運転音-

スチーム式は高温が心配されますが、このモデルは「チャイルドロック」「ふた開閉ロック」「転倒湯もれ防止構造」の三重の安全設計で、万が一のリスクを徹底的に低減しています。

水を沸騰させるので最も衛生的で、フィルター不要の構造は日々の手入れを楽にしてくれます。

加熱超音波式

アイリスオーヤマ UHK-500

項目スペック
タイプ加熱超音波ハイブリッド
適用畳数(木造/プレハブ)8.5畳 / 14畳
最大加湿量500mL/h
タンク容量4.5L
消費電力(最大)110W
最小運転音36.3dB

安価で加湿能力も有るんですが、前半でお伝えしたように清潔性の確保にはイマイチです。

誤解を解消した上で選んでもらう分にはお手頃価格だと思います。


【スペック比較表】2025年 おすすめ加湿器

メーカー型番タイプ適用畳数(木/プ)最大加湿量タンク消費電力(W)最小運転音(dB)
ダイニチHD-LX1225温風気化ハイブリッド20畳/33畳1,300mL/h7.0L67013
シャープHV-T75温風気化ハイブリッド12.5畳/21畳750mL/h4.0L33523
パナソニックFE-KXC05気化式8.5畳/14畳600mL/h4.2L1115
象印EE-DF50スチーム式8畳/13畳480mL/h4.0L410-
アイリスオーヤマUHK-500加熱超音波ハイブリッド8.5畳/14畳500mL/h4.5L11036.3

まとめ

加湿器選びは、一つの「正解」があるわけではありません。それぞれの方式が持つ長所と短所を理解した上で、ご自身の生活スタイルや価値観に合った一台を見つけることが大切です。

  • バランスを重視するなら → 温風気化ハイブリッド式
  • 電気代と安全性を最優先するなら → 気化式
  • 加湿力と清潔さを求めるなら → スチーム式
  • デザインと静音性を重視するなら → (除菌機能付きの)超音波式

このガイドが、あなたの加湿器選びの一助となれば幸いです。

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