このページではエアコンの価格差でどれくらい性能に差が出るのかを三菱を例に紹介しています。
注目するポイントは・・
省エネ性と暖房能力
目玉機能
フィルター自動お手入れ
防汚加工
除湿機能
これらの項目ごとにどれくらい違いがあるのか見ていきましょう。
省エネ性能と暖房能力
エアコンの暖房は省エネ性が高い機種ほど効きがよくなります。
いくら省エネ化が進んでいるとは言っても、エアコンで使う電気は家庭内で大きな割合を占めています。
▶︎使用頻度が高い場合
▶︎エアコンをメイン暖房にする場合
こういった時には省エネ多段階評価で星4つ以上の機種がおすすめとなります。
省エネ性多段階評価とは・・
そのエアコンのエアコンがどれくらい省エネかを5段階で表したラベルです。
星マークで表され★2つが最低で、★5つがもっとも省エネ性が高くなります。
★1つは省エネ基準未達成となり、発売自体ができません。
古い機種に遡って調べると★1つのものも見当たりますが、これから買おうとしているもので★1つのエアコンはありません。
目玉機能
メーカーを選ぶ決め手となる機能がどれくらい取り入れられているかに注目します。
そのメーカーを選ぶ甲斐がどれくらいあるかということですね。
▶︎このページでは三菱のムーブアイの精度について触れていきます。
その他には日立の凍結洗浄・富士通のデュアルブラスター・ダイキンの加湿機能
などが挙げられます。
メーカーの象徴となるような特別な機能も、価格帯によって差がついていたり、採用されていなかったりすることがあります。
「どのメーカーにするか?」
はみなさん悩むところではないかと思います。
せっかくならそのメーカーの魅力がしっかり入った機種を選んでいただくと満足度が高くなるのではないかと思います。
フィルター自動お手入れ
フィルターの自動お手入れとは、室内機に吸い込んだ空気からホコリを取り除くためのプレフィルターに付着したホコリを自動的に除去してくれる機能です。
プレフィルターが目詰まりしてしまうと運転効率は大幅に悪くなってしまうので、フィルターのお手入れはとても重要なことなんです。
もちろん自分でお手入れしても良いのですが、どんなにマメな人でも週に1回程度のお手入れになるかと思います。
1年に1回なんていう方も多いかもしれません。
自動お手入れ機能があれば毎日ホコリを取り除いてくれるわけですから、常に本来の性能が発揮できるようになります。
”もったいない使い方”
をしないためにもフィルター自動お手入れがある機種を選ぶことをおすすめします。
フィルター自動お手入れには2種類あり、
①ダストボックス式
②屋外排出式
があります。
ダストボックス式は本体の内部にホコリをためておき、1年に一度程度の頻度でゴミ捨てを行います。現在の主流はダストボックス式となっています。
屋外排出方式はパナソニックの一部の機種(WX・X・AX・EX)でのみ採用されています。
自動お掃除で取れたホコリをパイプを通じて屋外に排出します。
ホコリを排出するパイプが必要な分、他の機種よりも配管が増えるため隠蔽配管などでは取り付けできないこともあります。
防汚コーティングなどの清潔機能
エアコンから出てくる風からニオイがしたり、汚れていたらいやですよね。
そうならないためにも室内機の内部は清潔に保ちたいものです。
残念ながらエアコンの内部(通風路やファン・熱交換器など)は自分では掃除するのはとても難しいです。
ですから定期的に業者さんに洗浄を依頼するのが望ましいです。
と言っても、なかなか頻繁に行うのは難しいですよね。ですから汚れやニオイの付着を防ぐような加工がされている機種がおすすめです。
三菱のハイブリッドナノコーティング
日立の凍結洗浄
これらが有名ですが、これらもグレードによって内容に差があるのであらかじめチェックしておきましょう。
除湿機能
どのエアコンにも除湿機能はついているものですが、実は2種類の方式があるんです。
①弱冷房除湿
一般的なエアコンに搭載されている除湿はこちらですね。
室内機内部が冷たくなっているので結露が起こり、これを屋外に排出することで除湿しています。
室内機の中が冷たくなっていれば除湿はできるので、普通の冷房でも除湿効果を得ることができます。
設定温度に近づける運転を”冷房”と呼んで、弱運転で固定した冷房を”除湿”と呼んでいるだけなんです。
弱冷房除湿は電気代が安いメリットがある反面、運転内容は冷房と同じなので肌寒く感じる場合もあります。
特に梅雨時期などのそれほど気温が上がっていない時に使うと寒くなりやすいデメリットがあります。
②再熱除湿
室内機内部を冷やして結露させるのは一緒なんですが、風を部屋に送る前に温め直して室温の低下を防ぐのが再熱除湿です。
暖房のような暖かい風ではなく室温程度のぬるい風が出てきます。
肌寒くならないメリットがありますが、エアコン内部で冷房と暖房を同時に使っているようなものなので弱冷房除湿よりも電気代が高くなります。
再熱除湿は一部の高級機に採用されており、弱冷房除湿と再熱除湿を切り替えることが可能となっています。
▶︎除湿をよく使う
▶︎除湿でも肌寒くて困った経験がある
という方には再熱除湿搭載機種がおすすめです。
以上がエアコンのチェックで注目するべき主なポイントとなります。
次は価格帯別に機能や性能の違いの例を見ていきましょう。
グレードごとの大まかな特徴
機能の説明は別のページで行いますので、
ここではまず
省エネ性能
暖房性能
特色
清潔性
フィルター掃除
これらに注目してグレードごとの違いをを見ていきましょう。
シンプルモデル
▶︎省エネ性は基準ギリギリ
▶︎フィルター自動掃除なし
昔ながらの特別な機能のないエアコンです。
メーカーによってはイオンだったりセンサーだったりがついている場合もありますが、基本的には予算優先のモデルとなります。
例 シンプルモデル
三菱 MSZ-GE2819
▶︎省エネ基準達成率 100%
▶︎低温暖房能力 3.5KW
▶︎特徴 フロアアイ(床のみ)
▶︎防汚加工なし
▶︎フィルター自動掃除なし
▶︎弱冷房除湿
省エネ達成率は本当に発売基準ギリギリの100%となります。
三菱エアコンの代名詞とも言えるムーブアイもなく、床面の温度だけを計測するフロアアイが搭載されています。
自動掃除もハイブリッドナノコーティングも採用されていませんので、清潔性としても旧来のエアコン同様となってしまいます。
全体的に見て、これくらいの機能であれば別に三菱じゃ無くてもいいかも・・となりやすいグレードかもしれません。
付加機能モデル
▶︎省エネ性は基準ギリギリ
▶︎フィルター自動掃除なし
▶︎シンプルモデルに少し機能を加えたグレード
省エネ性や暖房性能など性能的にシンプルモデルと差が少なく、メーカーによっては用意されていないこともあるグレードとなります。
例 付加機能モデル
三菱 MSZ-S2819
▶︎省エネ基準達成率 100%
▶︎低温暖房能力 3.5KW
▶︎目玉機能 ムーブアイ
▶︎防汚加工 ファンのみ
▶︎フィルター自動掃除なし
▶︎弱冷房除湿
シンプルモデルではフロアアイ搭載でしたが、こちらはムーブアイと三菱の目玉機能がしっかりと搭載されています。
防汚加工のハイブリッドナノコーティングもファンのみですが採用されています。
スタイリッシュなデザインということもありモダンインテリアの寝室に相性の良い機種となっています。
三菱らしさという点ではまだまだ弱いですが、デザインなどそれなりに選ぶ決め手が加わってきますね。
フィルター自動掃除機種
▶︎省エネ性・暖房能力ともにシンプルモデル並
▶︎フィルター掃除は搭載している
価格を抑えつつもフィルター自動掃除機能は欲しいという時に適したモデルです。
省エネ性や暖房の能力は高くありませんが、寝室や子供部屋など使用時間が短いお部屋用に選ばれることが多いグレードとなっています。
例 フィルター自動掃除モデル
三菱 MSZ-R2819
▶︎省エネ基準達成率 100%
▶︎低温暖房能力3.5kw
▶︎ムーブアイ(中精度・前方のみ)
▶︎ファンのみ1箇所が防汚加工
▶︎フィルター掃除あり
▶︎弱冷房除湿
省エネ基準達成率はシンプルモデルや付加機能モデルとほとんど同等ではありますが、フィルター自動掃除がついていることで効率の良い運転を行うことができるようになります。
そういった点では結果的に少し省エネになることが期待できるグレードとなっています。
準省エネ機種
▶︎省エネ性能はこれまでよりぐっと上がる
▶︎暖房性能も実用的
性能としては全体の中間から上位にかけての位置づけとなります。
価格が超省エネモデルに近い事もあり、
「ここまできたら超省エネにしておこう」
となる場合も多いですね。
売り場でもやや影が薄いグレードかもしれません。
例 準省エネ機種
三菱 MSZ−X2818
▶︎省エネ基準達成率 115%
▶︎低温暖房能力 5.0kw
▶︎特徴 ムーブアイ極(高精細・前方のみ)
▶︎通風路/ファンの2箇所が防汚加工
▶︎フィルター自動掃除あり
▶︎寒くならい再熱除湿
これまでの機種の省エネ基準達成率が100パーセントギリギリの星2つだったのに対し、ここでようやく星4つまで省エネ性がアップします。
ムーブアイも高精細な”極"センサーになり、手先足先の温度を感知することが可能です。
体の温度を細かく測ることで、人の快適は保ったまま無駄な電気代は使わない運転が可能となります。
ハイブリッドナノコーティングはファンに加え熱交換器にも施されています。
「電気代も気になるし暖房も使いたいけど、少しでも本体価格を抑えたい」
こんな時に候補になるグレードかと思います。
ですが、先ほども書いたようにここまできたら超省エネグレードまでアップさせた方がお得感があるように感じます。
超省エネ機種
▶︎省エネ性能が高い(主に省エネ性能で★4つ以上)
▶︎暖房も得意
▶︎自動で省エネしてくれる(エアコン自体が賢い)
▶︎清潔機能にも力が入っている
メーカーの顔となる代表機種で、そのメーカーの魅力が詰まったグレードです。
主にリビング用ですが、その高い清潔性・快適性から寝室につける方も多いです。
例 超省エネモデル
三菱 MSZ-ZW2819
▶︎省エネ基準達成率 124%
▶︎低温暖房能力5.4kw
▶︎特徴 360度ムーブアイMIRAI(高精細・全体)
▶︎通風路/ファン/熱交換器の3箇所が防汚加工
▶︎フィルター自動掃除あり
▶︎寒くならない再熱除湿
フロアアイ→ムーブアイ→ムーブアイ極→ムーブアイMIRAIとさらに性能がアップします。
これまでのエアコンは室温の変化に対して後出しで運転内容を決めていましたが、ムーブアイMIRAIはAIで気温の変化を予測しながら運転する画期的な機能です。
また、MSZ−X2818のムーブアイ極はエアコン前方だけのセンサーエリアだったのに対して、こちらは水平方向に360度回転して温度を計測します。
これによりエアコン側面や背面に窓があっても、日射や冷気を遮るような送風も可能となりお部屋を効率よく快適に保つことができます。
清潔機能としても”ハイブリッドナノコーティング”が通風路・ファン・熱交換器に施されています。
ファンと熱交換器はエアコンの内部にあり、自分でお手入れすることができない部分となっています。
さらに、風がたくさん通るため汚れが付着しやすい通風路にも加工がされています。
ここまで来てこそ三菱を選んだ甲斐があると言えるでしょう。
まとめ 結局どれがお得なの?
▼よくある質問
省エネ型の高級機と普通の性能のお手頃機種はトータルでどちらがお得になるのかという質問をよくいただきます。
使用頻度や時間・暖房の使用の有無・住宅環境にもよるのですが、省エネ型を購入したからと言って必ずしもコストが安く済むとは限りません。
先ほど例で登場した機種の場合
▶︎MSZ−ZW2818(★5)
年間電気代の目安17,000円
▶︎MSZ−GE2818(★2)
年間電気代の目安26,100円
このように、1年で約9,000円が電気代の差となります。
エアコンの設計上の使用年数、いわゆる寿命は10年ですから、その通り使ったとして90,000円が電気代の差となります。
90,000円の差なら本体が高くても省エネ型を選んだ方がトータルコストは安くなりそうですね。
電気代の目安は夏に3ヶ月、冬に3ヶ月の合計半年間、
1日18時間運転した場合の数値となっています。
これよりも使用時間が短ければ電気代の差はもっと小さくなる可能性もあり、お手頃な機種を買った方が一見トータルコストが安くなるように感じるかもしれません。
ですが、金額だけで判断するのは少しもったいないのではないかと思います。
高級機種とお手頃機種では
暖房のパワーはもちろん、様々な快適機能や清潔機能にも違いがあるからですね。
トータルコストを考える時は本体と電気代の金額だけでなく、性能や機能などの充実度を含めて考えて頂くのが良いのではないかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。