今回は値切りのコツ1.基礎編で詳しく解説できなかった、「店員から安い価格を引き出す為にやる気にさせる」の部分を詳しく解説していきます。
まず始めに、価格交渉は店員との勝負ではありません。
値引きできたら"勝ち"でできなかったら"負け"そういうものではないと思っています。
お客様は「安く買えてよかった」
店員は「安く買ってもらえてよかった」
それが理想的ですよね。
どうして急にこんなこと言い出したかかといえば、お客様の中には値引き交渉のときにやたらと「強気な態度の人」「喧嘩腰の人」が居るんですけど、それは返って逆効果ではないかと思います。
これも書いたらお叱りを受けそうですが敢えて書きますと、”感じの良いお客様”と”感じの悪いお客様”どっちが値引きしたくなるかは言わなくてもわかりますよね。
販売が仕事ですから、どんなお客様でもある程度交渉には応じます。
仕事は仕事としてきっちりやらないといけないのは重々承知ですが、こっちも人間です。ちょっとは感情に左右されちゃいます。
そこで、どういうときに店員が「このお客様は、好感が持てる。値引きして買ってもらおう」と思うのか例をあげていきます。
1. こちらの説明を良く聞いてくれているとき
やっぱり説明する以上はちゃんと聞いててほしいものです。とは言ってもずっと黙って聞いててほしいわけ ではなく、ちょっとした相槌やうなずき位で十分です
2. 値引き交渉のとき申し訳なさそうに話始めたとき
「無理な相談しちゃってすいません」みたいな謙虚なお客様を見ると「いえいえ、私にまかせてください」と思っちゃうわけです。
実際に「すいません」なんて言わなくても少し言い辛そうにしていれば「ずいぶん謙虚なお客様だなー」って勝手に思ったりしてしまいます。
3. ほめられたとき
一番ベタな方法ですが、普段なかなかほめられることの無い家電店の店員はチョットほめられただけで
ついつい「このお客様は自分を気に入ってくれてるなー♪安くしちゃおっかなー♪」という気持ちになるのです。
ほめるといっても、「詳しいですね」とか「わかりやすい説明ですね」くらいで十分です。ただし、ほめたくも無い人をほめるっていうのは、気持ちのいいことではないでしょうから無理にやる必要は無いかと思います。
他にもありますが、多いのはこのパターン。
普段は店員がお客様に買っていただく為にやるようなことを、逆にお客様がすることで
店員をいいように使ってやれば良いんです。このような使われ方でしたら歓迎です。
そして、ここに更に値引きのエッセンスを加えていきますと、もっと効果的です。
一番効果的なのは「その場で買う」と宣言することです。
お客様としては他のお店も見たいでしょうし、ご家族に相談しないと決められない場合もあると思います。
ですが、より安い価格を引き出すためには、「金額や条件がよければその場で買う」と店員に伝えたほうがよいのです。
なぜならその場で買わない場合、少し値引きできる金額を残しておくのが店員の心理です。
例えば表示価格20万円で、値引きできるのは17万円までが限界の冷蔵庫があったとします。
とりあえず最初の価格提示は18万円くらいでお客様に伝えます。
そこで、お客様から「もう一声」とご相談いただいたとして、今日買わないと思ったら
「いやいやこれが限界です」とか「じゃあ後3千円引きます」くらいしか答られません。
お客様が他のお店で交渉して、また戻ってきていただいたときのために値引き幅を残しておきます。
それに、価格交渉は圧倒的に後だし有利なので次のお店でお客様が購入して、もう戻ってこない可能性が高いので「限界まで引いても、どうせ売れなさそうだな」って言う気持ちも働き、値引き金額をセーブしてしまうのです。
これが今日は買わないなと思ったときの例です。
そして、次が「その場で買う」と宣言があった場合
「今買っていきますので、もう一声引けませんか?」とか
「17万円なら買います」
こんなお言葉があったときには、店員としては後のことは気にせず、限界まで下げちゃいます。
だって17万円の売り上げは大きいですから、「今日確実に売れるなら安くして売っちゃおう」と思ううんですね。
と、このように「買います宣言」をすることでより安い価格を引き出しやすくするんです。
そしてできれば「もう一声」よりは、いくらで買いたいのかをはっきり言ってしまったほうがいいいですよ。
多くのお客様は限界価格を探ろうとするため、「もう一声」とか「もうチョット」って言う方多いんですけど
ズバッといくらなら買うのかを言ってもらったほうが下げやすいです。
つまり、「もうこれ以上値引きを要求しません、最低価格を言っても大丈夫ですよ」という安心感を店員に与えるのが効果的というわけです。
以上が店員を売る気にさせる(値引きさせる)方法なのですが、主に高額商品が対象になります。
それ以外の商品で説明にかける時間の関係でこの流れになることはあまり無いので、また別の記事にまとめたいと思います。