空気清浄機として十分に使える性能に進化したTP04
HP02(ホット&クール)や前モデルと比較レビュー!
ダイソンピュアクールは空気清浄機として見ると、「ちょっと微妙」という評価をしてきました。
ですが、2018年4月発売の新型モデルが思った以上に良くて衝動買いしてしまいました。
せっかくホット&クールも使っているので、その辺とも比べながらレビューしていきたいと思います。
TP04のチェックポイント
まずは機種の概要を見ていきましょう。
Dyson Pure Cool
空気清浄タワーファンTP04
▼WS ホワイトシルバー
カラーは2色で他にIB色があり、型番の最後がWSならホワイトシルバーでIBならアイアンブルーとなります。
▼IB アイアンブルー
機種の概要
まずは基本からということで、
ダイソンの空気清浄扇風機ってどんなもの?
ここからおさらいしておきましょう。
羽根の無い扇風機
ダイソンの扇風機の特徴といえば羽根が無いことですね。
まぁ、厳密には見えない内部にはあるわけですが、この独自の形状には幾つかのメリットがあります。
⭕️羽根が無いので安全性が高い
小さなお子様がいるご家庭でも羽根に指を挟める心配がなく、安心して使うことができますね。
とはいえ普通の扇風機でもメッシュ状のガードで指が入らないようになっていたり、カバーを使うなどすれば同じことが言えます。
これだけの理由ではこの高価な扇風機を買う理由にはならないですよね。
⭕️羽根が無いので手入れが楽
風の吹き出し口付近に凹凸が少なく、本体の拭き掃除が楽に行えます。
本体内部も空気清浄された風が通っているので、汚れる心配はほとんどありません。
普通の扇風機だとガードや羽根にホコリがたくさんくっついて風量が低下しやすいですし、そうなった時に手入れするのもちょっと面倒ですよね。
そういった点では清潔性が高くて風量の低下が少ない扇風機と言えるかと思います。
⭕️デザインが良い
これは人によって意見が別れる部分かと思いますが、普通の扇風機って馴染み深い分古臭く感じることもあるかなと思います。
代わり映えしないというか、昔ながらというか・・。
あれが1つの完成形とも言えるので仕方無いですが。
ダイソンの羽根の無い扇風機はこれまでに無い形状ですし、シンプルかつ流線形のフォルムで見た目も良いように感じます。
一見扇風機に見えない意外性が良いわけですね。
この独自のデザインはダイソンを選ぶ大きな理由になるのでは無いでしょうか。
人のいる空間の近くに置いて使うものですから、見た目が良いことも大事な性能の1つだと考えています。
⭕️ムラの無いスムーズな風
ダイソンの扇風機では輪っかになっている部分の狭い隙間から風を出すことで、周囲の風を巻き込みながら大きな風の流れを作っています。
これは空気砲とかタバコの煙の輪っかと同じですね。
普通の扇風機とは違い、ダイソンの場合は風を連続して押し出しています。
それで、切れ目の無い心地よい風を作ることができるわけです。
普通の扇風機でも分断された風が当たる不快感を抑えるために、多枚羽根を採用しているモデルもありますよね。
ダイソンの風はこういった多枚羽根の進化版と言えるのでは無いでしょうか。
また、この周囲の空気を巻き込みながら進む気流があってこそ、空気清浄機機能を一緒に搭載できるのではないかと予想しています。
普通の扇風機に空気清浄フィルターをつけたら風の通りが悪くなって、風量が低下してしまいますからね。
周囲の風を巻き込んで風量を増せるからこそ、高性能なフィルターを搭載しながらも十分な風量を実現できるのではないかと思います。
主な性能・機能
では次にTP04の特徴やどんなことができるのかをチェックしていきましょう。
風量は10段階
風量調整の段階が多いので”自分にぴったり”の心地よい風を作ることができます。
風量を弱めて静かにとか、
強くしてスピーディーに空気清浄
このように、体感温度や室内の環境に合わせてきめ細かく風量を決めることができます。
新機能”空気清浄モード”
これまでのダイソンピュアクールは空気清浄だけしたくても、前から風が出て扇風機も一緒に動いてしまうようなものだったんですね。
夏なら良いのですが、それ以外の季節では肌寒く感じてしまうという意見もあったようです。
そこで新型のTP04では
①本体の前面から風を出して扇風機としても使う
②背面から風を出して人に当たらないようにする
2つから送風の方向を選ぶことができるようになりました。
これなら扇風機の風が必要無い時でも空気清浄機として使いやすいですね。
オートモード搭載
初期のピュアクールはオートモードがなかったこともあり「空気清浄機としては微妙」という評価をしていました。
ですが、最近ではしっかり自動運転も搭載しています。
PM2.5やニオイなどを感知するセンサーを備えているので、空気の汚れを感知すると自動で運転を強めてくれます。
もちろん手動モードもあるので、静かに使いたい時には弱運転に固定することも可能となっています。
初のカラーモニタ搭載
ピュアクールシリーズとしては初となるモニタが搭載されており、
空気の汚れ情報
その履歴
室温
湿度
などがチェックできるようになっています。
なくても困らない機能ではありますが、空気がキレイになっていく様子をグラフで見ることができるので、空気清浄機を使っているという満足感は得られるかと思います。
空気の汚れは
自人の目では”見て実感"することはできないので、
”知って納得”という感じですね。
リモコン付き&アプリ連携
TP04はリモコンでの操作ができるのはもちろんですが、スマホのアプリと連携することでも本体を操作することができます。
リモコンが付属のものと合わせて2つになるようなものですから、2箇所で操作できて便利ですね。
アプリだけの機能として本体の向きの調整機能があります。
右の画像をご覧いただくと白い◯が出ているのが見えるかと思います。
この○のいちを移動させることで、本体の正面に関係なく任意の方向に風を向けることができるようになっています。
ソファーでくつろいでいる時に、
風を自分の方向ぴったりに当てたり、
少しずらして使ったりと
とても快適に使うことができます。
そんなにダラダラしているのは私だけかもしれませんが・・
また、アプリを使えば外出先からの本体の操作が可能となります(要無線LANアクセスポイント)。
空気清浄機は付けっ放しにする方も多いかもしれませんが、帰宅前に電源オンにするような使い方もできるということですね。
主な特徴はこんなところですね。
買って良かった点・悪かった点
進化したと思うポイント
次は他機種と比べて強化されたと思うポイントを私の感想を交えつつ書いていきたいと思います。
良かった点
⭕️省スペース
これが一番の決め手と言ってもいいかもしれません。
空気清浄機は欲しかったんですが、置く場所に悩んでいたんですね。
夏は扇風機も使いたいのですが、あまり物が増えると狭い部屋が余計に狭くなってしまいます。
それがTP04ならだいたいA4サイズにも収まるくらいの設置面積しか取りません。
しかも扇風機を兼ねているわけですから空気清浄機と扇風機を置くのに比べればずっと省スペースと言えますね。
小さな空気清浄機を買うという選択肢は考えませんでした。
小型モデルだと・・
▶︎HEPAフィルターや独立脱臭フィルターが採用されていないことも多く性能面で満足できない
▶︎デザインも好みのものがない
こんな理由からです。
"性能がよくて"
"しかも邪魔になりにくい空気清浄機"
というところを気に入って購入しました。
⭕️空気清浄&脱臭能力アップ
前述した通りピュアクールは空気清浄機としては微妙と思っていましたが、新型では実用的なスペックになったのではないかと思います。
▶︎フィルター強化
▶︎適応畳数アップ
▶︎後ろへ送風
▶︎オートモードあり
適応畳数は未だに空気清浄機としては小さめの12畳(30分)ですが、
初期のピュアクールの10畳
ホット&クールの8畳
これらに比べれば、まぁいいかという程度には強化されたと思います。
空気清浄フィルターも厚みがましているようですし、脱臭フィルターが独立になったことはとても評価できます。
私はホット&クールHP02も使っているので、フィルターを取り出して比べて見ました。
HP02は空気清浄と脱臭の一体型フィルターなのに対して、
TP04は空気清浄と脱臭それぞれ専用のフィルターが採用されています。
フィルター自体の厚みも全然違います。
内容としてはグラスHEPAと活性炭フィルターで変わりませんが、新型のTP04の方がずっと厚みのあるしっかりしたフィルターが採用されています。
確かにこれなら適応畳数が12畳にアップしたことも納得できます。
脱臭フィルターが独立型になり性能がアップしていることも購入の動機の1つになりました。
最近暖かくなってきましたから、いろいろニオイがしやすくなってきて嫌だなぁと思っていたんです。
例えば・・
お魚を焼いたあとにニオイが残ったり、
お肉とかお魚が入っていたトレーからニオイがしたり
と困っていたんですね。
それがTP04導入以降はニオイで困ることはめっきりなくなりとても満足しています。
⭕️心地良い風
予想外によかったのが扇風機として使った時の風です。
繰り返しになりますが、ピュアクールでは"ムラのないスムーズな風"を"十分な風量で"届けてくれるのが魅力です。
これがなかなか気持ち良い風なんですね。
普通の扇風機のよりも体全体を通り抜けるような自然な風なんですよね。
屋外のそよ風のような心地良さを感じます。
周りの風を巻き込みながら進むダイソンの気流ならではのメリットと言えるかもしれません。
ホット&クールは本体が小さい分、風もそれほど広がりません。
温風機能も備えていることから"決まった場所にしっかりと風を届ける"必要があるからでしょう。
空気清浄機能は共通ですが、扇風機として見るとやはりピュアクールが優秀です。
⭕️電源ボタンの位置
ホット&クールやこれまでのピュアクールの電源ボタンの位置は本体の一番下側にあったのに対して、新型では送風口のすぐ下にボタンが配置されています。
ボタンが一番下の配置の場合、床面付近まで手を伸ばさないといけないのでどうしても押しにくいんですよね。
リモコンはベッドサイドに置いている事もあるので、お出かけ前などサッと消したい時に少し不便に感じていました。
新型では少し手を伸ばせば届く位置にボタンがあるので使いやすくなったなぁと感じています。
期待と違った点
もちろん全て満足というわけではありません。
思っていたのと違ったポイントもまとめておきます。
❌本体操作は電源入切のみ
電源ボタンの位置が高くなって使いやすくなったのは嬉しいのですが、それなら一緒に風量調節ボタンくらいはつけて欲しかったです。
私は洗面台やキッチンに持ち運んで使うこともあるんですが、本体が目の前にあるのにリモコンじゃないと風量を変えられないのは少し面倒に感じます。
夏にドライヤーを使っている時は強めの風に当たっていたいんですよね・・。
省スペースな本体で簡単に場所を移動できるからこその贅沢な悩みかもしれせんが・・
❌オートモードが容赦ない
オートモードの時は、少しでも空気の汚れを感知すると強運転に切り替わります。
センサーの精度も高いので、
▶︎調理中や食事中
▶︎帰宅時
▶︎着替えや掃除
こういったホコリが舞ったり、ニオイが出た時にはほぼ毎回強運転になります。
空気清浄機としては優秀でうれしいのですが、食事中なんかだと音が気になってしまいます。
ちなみに運転音は・・
10段階の内、
▶︎1〜2がテレビを見ていても気にならない程度
▶︎3〜4が連続運転で許せる範囲
▶︎それ以上はうるさくて気になります
5以上は一時的にならいいですが、連続では使わないですね。
オートモードであっても上限を風量5くらいに抑える設定があればなお良かったのにと思います。
まぁ、強運転でうるさいのは他のメーカーでも同じことですが、適応畳数がもっと大きければ素早く空気を綺麗にして静かな運転に戻せるのかな?と思ってしまいます。
そういた点では設置スペースさえあれば国内の家電メーカーの物もいいもなんだなと感じますね。
❌リンク機能(外出先からの操作)の必要性
ホット&クールにおけるリンク機能はとても便利だと感じています。
冬場には帰宅前に電源を入れてお部屋を温めておくことができますからね。
温風の適応畳数は小さいとはいえ、冷え切ったお部屋に帰るよりは圧倒的に快適です。
ですが、ピュアクールは空気清浄も兼ねていることもあり、私の場合は基本的に付けっ放しにしています。
お部屋の空気を綺麗に保つことで、オート運転で音が大きくなる状況をなるべく減らしたいですしね。
そうなると外出先から操作できるメリットがあまり無いような気もします。
偶然あった友人を急に家に招待するような時に
「お部屋のニオイ大丈夫かな?」
とかそういった限られたシーンでしか大きな恩恵は無いかもしれません。
リンク機能を搭載するのにどれくらいのコストがかかるのかはわかりませんが、リンク機能無しで価格を下げたグレードがあっても良かったのかと思います。
どちらにしても家電好きの私はリンク有りを買ってしまいそうですが・・
❌風量調節がループしない
細い話になるのですが私の場合、
▶︎静かな運転の風量1
▶︎帰宅時やお風呂上がりにたくさん風を浴びるための風量10
この2つが一番使用頻度の高い設定なんですね。
これがリモコンでの操作だと何度もボタンを押す必要があって不便に感じます。
10まで行ったら次は1に戻ってくれればいいのですが、残念ながら10・9・8・・・と順番にしか切り替えばできないんですね。
アプリで操作する時はできるのに、どうしてリモコンではできないのかな?と少し不満を感じます。
それ以外の注意点
最後に私は気にならないことでも、使う人によっては気になるかもしれないポイントもまとめておきます。
個人的にはマイナスポイントではないのですが、基準は人それぞれですからね。
①フィルター寿命が短い
公式にはフィルター寿命の表記は無いのですが、販売店によっては1日12時間の使用で1年の寿命と説明していることが有ります。
使用環境によって大きく変わりそうでは有りますが、私のように24時間付けっ放しだと半年程度でフィルター交換になる可能性が有ります。
空気清浄フィルターは税込で4,320円と安いとは言い難い価格となっています。
国内メーカーのフィルターには寿命10年を謳っているものも有りますので、そういったものと比べると割高かもしれません。
個人的には空気清浄機のフィルターは消耗品だと思っているので、そういうものだと割り切っています。
フィルターこそ空気清浄機の心臓部なわけですから、定期的に交換した方が良いと思うんですよね。
汚れたり、ニオイが染み付いた入りしたフィルターを使っていては、空気をキレイにしているのか汚しているのか分からなくなってしまいますからね。
②価格の割に適応畳数は狭い
私の家のリビングはそんなに広くないというか、正直に言うと狭いんです。
ですからこれくらいの適応畳数でもいいかなと思っています。
リビングはピュアクール
寝室はホット&クール
と2台利用ということもあり不足は感じません。
ですが、これがワイドリビングで使うとなるとそうも言っていられないかもしれません。
同じ価格帯で購入できる国内メーカーの空気清浄機なら
だいたい2倍程度の適応畳数が有ります。
つまり、同じ広さなら約半分の時間で空気をキレイにできるということになります。
素早く空気がキレイにできるということは、それだけ静かに運転している時間が増えるということですね。
ですから、適応畳数が大きなことはとても重要と言えます。
広いリビングや続き間で使う方は、空気清浄のスピードを重視するかを考えてダイソンにするか家電メーカーにするかを決めて頂ければと思います。
③送風用の隙間が目立つ
新型モデルでは後ろからの送風を可能にするためなのか、送風口が前面の目立つ部分に配置されています。
送風口が奥にあった方がデザイン的にもすっきりしていて良いですし、どこから風が出てるの?みたいな不思議感もあって良かったんですが、私はすぐに見慣れて気にならなくなりました。
私が使っていて感じたことはこれくらいでしょうか。
まとめ
最後に簡単なまとめとおすすめパターンを書いておきたいと思います。
扇風機として見た場合
キレイで心地よい風が出てきて満足です。
風量をあげれば音は大きくなりますが、涼む目的で強運転にするのは一時的ですからそれほど気になりません。
ただし、シンプルな扇風機として考えるなら割高感は否めないですね。
デザインはともかくとして、風自体は普通のDCモーターの多枚羽の扇風機でもいいやとなるかもしれません。
空気清浄機として見た場合
▶︎風を後ろから出せる
▶︎フィルター強化
▶︎モニタで確認
と、充実の内容となっています。
不満もないではないですが、オートモードがうるさいことはセンサーが優秀とも言えますし、本体のボタンが少ないからこそデザインが良いとも言える部分もあるかと思っています。
近い価格帯の国内メーカー品の方が適応畳数は大きいですから、使うお部屋の広さによってはスピード不足が感じられるかもしれません。
ということで空気清浄機や扇風機単品としてみれば他にも良い機種がたくさん見つかるのではないかと思います。
ですが、トータルして見てみれば
省スペースで心地よい風を生むだけで無く、
空気清浄にもなる
と、いいこといっぱいの商品でとても満足しています。
決め手はこの総合力だったと言えるでしょう。
▶︎省スペースで高性能な空気清浄機が欲しい
▶︎お部屋はそれほど広くない
▶︎扇風機としても使いたい
▶︎フィルター交換は仕方ない
こんな場合はTP04がおすすめです。
ホット&クールリンクと比べて
空気清浄+扇風機が共通ということで似たような商品だと思っていましたが、両方使ってみると思った以上に役割が違うと感じました。
ホット&クールリンクは
▶︎温風も出せる
▶︎背が低いので視界の邪魔になりにくい
▶︎決まった場所に風を届けるのが得意
▶︎外出先からでも温風オンが便利
といったメリットがあります。
反面、扇風機や空気清浄機として見るならピュアクールの方が満足感は高いのではないかと思います。
エアコンのタイマー暖房で問題ないならホット&クールの温風にこだわらないでピュアクールを採用するのも選択肢の一つになりそうです。
逆に私のように帰宅時間が不規則な場合は外出先から電源オンが可能なホット&クールはとても便利でおすすめできます。
以上新型ピュアクールTP04の購入・比較レビューでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。