ストリーマとイオンのW方式のダイキン。シャープやパナソニックとの違いは?
空気清浄シリーズ第3弾となる今回はダイキンの機種を紹介していきたいと思います。
人気2強のシャープ・パナソニックとはどんな違いがあるのでしょうか?比べながら見てみましょう。
シャープ・パナソニックの解説は別ページになりますので、よろしければ先にそちらをご覧ください。
1 基礎知識の解説とシャープの紹介
【加湿空気清浄機は簡単に選べる!?】基礎知識の解説とメーカー比較【シャープ編】
2 パナソニックの紹介と比較
パナソニックの特徴とラインナップ解説 シャープと比較も
ダイキンの特徴
空調専門メーカーということで気になっている方も多いメーカーさんかもしれませんね。どんな魅力があるのか見てみましょう。
ストリーマ
ダイキンと言えばストリーマを一番に思い浮かべる方も多いかもしれませんね。
ストリーマを本体内部に放電することとで、
▶︎花粉の芯を分解
▶︎脱臭
▶︎カビ菌などの抑制
▶︎加湿フィルターの除菌
主にこのような役割を果たしています。
一見なんだかすごい効果があるように見えますが、花粉に関しては過度な期待は禁物かもしれません。MCK70Uという主にリビング向けの機種を6畳の部屋で使って、1週間で約半分程度の花粉が分解できるようです。
また、プラズマクラスターやナノイーとは異なり、部屋に放出されるものではありませんので、上記の効果が部屋中に及ぶわけではないことも注意が必要です。
脱臭に関してはとても有効ではないかと思います。脱臭フィルターは時間が経つにつれ、フィルター事態にニオイが染み付いてしまいます。この染み付いたニオイをストリーマで分解してやれば脱臭効果が長続きするというわけです。
本体内部、特に水を吸い込んで使う加湿フィルターの除菌が見込めることも好ポイントですね。
アクティブプラズマイオン
ストリーマは本体内部のみ有効でしたが、ダイキンでは部屋に放出するタイプのイオンも備えています。プラズマクラスターやナノイーに相当するのがアクティブプラズマイオンです。
イオン濃度は吹き出し口付近で1立方センチあたり25,000個のようですね。シャープのプラズマクラスター25000と同じ数値に見えますが、プラズマクラスターは適応床面積ごとに部屋の中央でイオンの数を測定していますので、実際はプラズマクラスター25000ほどの濃度には及ばないのではないかと思います。
とはいえ、ストリーマで脱臭フィルターの付着臭を分解していることを考えれば、一概にシャープが有利とも言えませんね。使用環境やお手入れ次第で変わってくるでしょう。
▶︎キッチンとつながったお部屋で使う
▶︎タバコを吸う
▶︎ペットがいる
こんな場合には脱臭フィルターの性能が低下しやすくなります。フィルターの交換やお手入れを積極的に行わないのであれば、ニオイ分解機能のあるストリーマが有利になりそうです。
バイオ抗体フィルター
別売りのバイオ抗体フィルターを取り付けることで、インフルエンザウイルスを不活性化することができます。
ウイルス抑制とはいっても、当然それでインフルエンザにかからなくなるわけではありません。効果が期待できるのはフィルターに触れたウイルスだけとなっていますから、よほど条件がよくない限りは、お部屋中のウイルスをフィルターに届けるのは難しいかと思います。外出時の予防効果があるわけでもないですしね。
とはいえ、フィルターを追加購入することで性能をアップグレードできると言うのは評価できるポイントではないかと思います。使いたい人だけ買えばいいと言う仕組みなら、余分な出費を抑えやすいですよね。
バイオ抗体フィルターは2千円程度で、毎年交換が必要となります。使わなくても空気清浄に支障はありません。
ここまでがダイキンの主な特徴となります。次は機種ごとの違いを見ていきましょう。
加湿付きモデル
TAFUフィルター搭載モデル
MCK70U
▼機種概要
TAFUフィルターはHEPAと同等の集塵性能を持ちつつ、時間の経過による性能低下を抑えたフィルターです。10年経過した時の集塵効率は従来の1.4倍ほどあるようです。他社では採用されておらず、ダイキンの中でもこのモデルだけに搭載されている特別なフィルターとなっています。
また、ストリーマも強化されており、ユニットは従来の2倍も採用されています。
サイズ的にはリビング向けとなっており、他社のようなワイドリビング向けのモデルが用意されていないのは少し残念ですね。
無線LAN環境があればスマホアプリでの操作も可能となっています。スマホをリモコン代わりに使ったり、空気の綺麗さをモニターで確認することができるようになっています。外出先からでも操作可能なので、帰る前に強めに運転して湿度を上げておくとか、空気を綺麗にしておくといった使い方も可能となっています。おうちについた頃にお部屋の環境が整っていれば、あとは静かに運転することができますね。
■比較機種
シャープのKI-HP100やパナソニックのF-VXP90
よりは適応畳数が小さい機種となっています。
同じ程度の適応畳数で見ると・・
シャープKI-HX75・KI-HS70
パナソニックF-VC70XP
この辺りがライバル機種となるでしょうか。
KI-HX75はプレフィルター自動掃除がついていますので、お手入れの手間を減らしたい方におすすめとなります。
KI-HS70とF−VC70XPはかなり近い内容で、シャープが背面吸気とスリムデザイン、パナソニックが前面吸気が特徴となっていました。ちなみにダイキンMCK70Uも前面吸気を採用しています。
吸気が前面か背面かは、個人的にはあまり気にしなくて良い部分かと思いますが、どちらかといえば部屋の空気を循環させて壁際や隅っこに強いのが背面吸気、スピーディにホコリを吸い込むのが得意なのが前面吸気ではないかと思います。
KI-HX75→プレフィルター自動手入れ
KI-HS70→スリムでプラズマクラスター25000
F−VC70XP→パワフルスピーディー
このあたりが選ぶ基準になりそうです。集塵フィルターが長持ちなのはMCK70Uなので、フィルター交換はしなそうだなぁとお考えでしたらダイキンが良さそうですね。
効率が落ちてきたら交換すると言う場合はスタイリッシュなデザインのパナソニックも良いかと思います。いくらTAFUフィルターが性能長持ちといっても、交換するのには敵わないですからね。
スリムタワーフォルム
MCK55U
▼機種概要
TAFUフィルターではなくなってはしまうものの、HEPAフィルター・独立脱臭フィルター・ストリーマ・アティブイオン搭載と基本性能は充実したモデルとなっています。
タワー型のデザインで、設置性が高いことも魅力ですね。吸気は本体下部の2面から行っていますので、お部屋の中央に近い場所に設置した方が効果的かもしれません。
空気清浄機としては珍しくリモコンが付属しています。寝室で使う場合には、静音モードにしていても気になる日もあるかもしれませんね。そんな時でもリモコンがあれば簡単に運転オフにできますね。
■比較機種
シャープKI-HS50・KC-H50
やパナソニックのF-VC55XP
が同じ程度の適応畳数となります。
どの機種もHEPAフィルターと独立脱臭フィルターを備えています。基本性能は似たようなものなので、あとはイオン機能が選ぶ基準になりそうです。
KI-HS50→プラズマクラスター25000
KC−H50→プラズマクラスター7000
F−VC55XP→ナノイー
MCK55U→アクティブプラズマイオン
この中で、ハイグレードタイプのイオン機能はKI-HS50だけになりますね。
価格の面ではスタンダードモデルのKC−H50が有利かと思います。このラインナップではF−VC55XPが唯一の前面吸気となりますので、花粉対策など帰宅時の空気の汚れなどを素早くキャッチできるのではないかと思います。リモコンが欲しい場合はダイキンですね。
▶︎性能重視ならKI-HS50
▶︎予算重視ならKC−H50
▶︎スピード重視ならF−VC55XP
▶︎コンパクトさ重視ならMCK55U
このあたりが選ぶ際のポイントになりそうです。
コンパクト性能充実モデル
MCK40U
▼機種概要
一つ上で紹介したMCK55Uより少し小さい適応畳数になりますが、それ以外はほぼ共通となっています。MCK55Uとの違いは”のど・肌モード”という湿度を通常よりも高めに保つ機能があるかないかくらいになっています。
小さな適応畳数のモデルでも、しっかりと上位モデル並みのスペックを持っているのが魅力の機種となっています。
■比較機種
シャープKI-HS40やパナソニックF-VXP40
が同等の対応畳数ですが、KI-HS40はHEPAフィルター非搭載で脱臭フィルター一体型、F−VXP40はHEPAフィルターですが脱臭フィルター一体型となっています。
そういったフィルター部分のスペックはMCK40Uが一歩リードしていますね。イオン機能に厚い信頼を寄せているならプラズマクラスター25000搭載のKI-HS40が、子供部屋っぽいデザインを優先するならF−VXP40も候補になりますが、基本的にはこの3機種ならKCM40Uがおすすめです。
除湿加湿空気清浄モデル
除湿・加湿付きプレミアムモデル
MCZ70U
▼機種概要
除湿機能付きのモデルで、適応畳数としてはMCK70Uと同じになります。ただし、こちらはTAFUフィルターとツインストリーマではなく、HEPAとストリーマの組み合わせになっています。
TAFUフィルターではないものの、こちらのモデルには電気集塵が追加されており空気清浄機能は強化されています。
電気集塵とは、チリやホコリに帯電させることで電極に引き寄せる方式です。静電気でホコリをくっつけるイメージが近いですね。
電気集塵には小さなチリやホコリを集めやすいメリットがあります。軽いものほど引き寄せられやすいからですね。その代わり2週間に1度は電極ユニットのお手入れが必要になります。
多少お手入れは増えますが、より細かな空気の汚れまでキャッチできる機種となっています。
除湿機能もついており、まさにプレミアムな機種と言える内容となっています。本体は大きめなので設置場所は選ぶかもしれません。
除湿機にはコンプレッサー式とデシカント式がありますが、このMCZ70Uではコンプレッサー式が採用されています。
コンプレッサー式のメリットは・・
▶︎デシカント式より電気代が安い
▶︎室温の上昇が少ない
コンプレッサー式のデメリットは・・
▶︎室温が低いと除湿能力が下がる
▶︎デシカント式よりも音が大きい
▶︎本体が重い
こういった違いがあります。空気清浄機と一体型にするなら電気代の安いコンプレッサー式にするのは妥当な判断と言えますね。
室温が低いと除湿能力が下がってしまうので、主に夏場に活躍する除湿機がコンプレッサー式です。
除湿機はこちらの記事でもっと詳しく解説していますので、よかったら合わせてご覧ください。
除湿機能に関してはデシカント・コンプレッサーの違いがあるので、無理に空気清浄機と一体にしなくても良いかと思いますが、夏場の除湿がメインであればおすすめの機種となります。
■比較機種
除湿なしのMCK70Uと迷う方もいらっしゃるかもしれませんね。
MCK70U→TAFUフィルター&ツインストリーマ
MCZ70U→電気集塵&除湿
集塵性能の低下が少ないTAFUフィルター採用でツインストリーマで本体内部を清潔に保ってくれるMCK70Uの方が、お手入れをし忘れてしまっても実力が発揮されやすい内容となっています。それでもお手入れをするに越したことはないですけどね。
しっかりお手入れするのであればMCZ70Uの電気集塵は非常に魅力的ではあります。コンプレッサー式除湿は夏向きなので、夏のムシムシが気になるようであれば候補になる方お思います。
冬の部屋干しなどで除湿機能を使いたい場合は、空気清浄機と一体にせずにデシカント式で選ぶ方が良いかもしれません。
空気清浄単体モデル
スタンダードリビングモデル
MC80U
▼機種概要
電気集塵空気清浄をメインとしたモデルで、ストリーマとリモコン搭載ですがアクティブプラズマイオンは非採用となっています。
電気集塵は魅力もあるのですが、お手入れが多く必要にはなってしまいます。電極の表面がホコリで覆われてしまうと、ホコリを吸着する効率が大きく落ちてしまうからですね。
電気集塵で取りきれなかったホコリは空気清浄フィルターでキャッチするのですが、残念ながらHEPAになっておらず、割と薄手のフィルターになっています。
電気集塵なら電気集塵専用にして、手入れをしやすい構造にしてくれればいいのに・・と思ってしまいます。
どうしても予算が厳しい場合は候補になりますが、せっかくなら加湿付きのMCK70Uの方がお得ではないかと感じてしまいます。
MC80U→MCK70Uの違い
非HEPA→TAFUフィルター
ストリーマ→ツインストリーマ
イオンなし→イオンあり
加湿なし→加湿あり
主にこのような違いがあり、結構大きな差になっています。
加湿機能が不要な場合はこの機種でお手入れをしっかりする方法もありますが、他社のHEPAフィルター搭載機種も検討していただければと思います。
コンパクト性能充実モデル
MC55U
▼機種概要
MC80Uとは異なり、こちらはしっかりとHEPAフィルターとアクティブプラズマイオンが搭載されています。リモコンも付属しています。
コンパクトな本体なのでローボードの上に設置することも可能です。床上に設置スペースを確保できないような時には良いかもしれませんね。
適応畳数もMC80Uとそこまで大きく変わらないので、10畳くらいまでのリビングならこちらでも良い気もします。
■比較機種
適応畳数としてはシャープKC-H50やパナソニックF-VC55XP
が近いモデルとなります。
どの機種も
▶︎HEPAフィルター搭載
▶︎イオン機能搭載
となっていますので、比べるポイントは吸気方向になってくるのではないかと思います。
シャープKC−H50→背面吸気で壁際に強い
パナソニックF−VC55P→前面吸気でスピーディー
ダイキンMC55U→側面吸気でコンパクト
MC55Uはコンパクトな本体が魅力ではありますが、その分吸気口の広さやフィルターのサイズも小さめになってしまいます。本体サイズが気にならないならシャープやパナソニックの方が吸気口やフィルターが大きくて効率は良いのではないかと思います。設置スペースに応じてお選びください。
ダイキンまとめ
ダイキンの機種を全て紹介させていただきました。
注目はTAFUフィルターとツインストリーマを搭載したMCK70Uですね。せっかくダイキンで選ぶならこのモデルを選んでこそと言えるかと思います。
意外なところでは除湿付きのMCZ70UがHEPA&電気集塵と充実の内容となっています。リビングはこのどちらかで決まりですね。
寝室向けのMCK55UやMC55Uはいずれもコンパクト設計となっています。置き場所に困る場合には候補になる機種ではありますが、小さいゆえのデメリットも少しありますのでスペースに合わせてご検討ください。
次回は日立の紹介を予定しています。