リビングに調和するスタイリッシュなデザイン。上位モデルはナノイーもパワーアップ。
空気清浄機の選び方シリーズ第2弾です。今回はパナソニックの特徴とラインナップを紹介させていただきながら、合わせてシャープとも比較していきたいと思います。
基礎知識の解説は前回のシャープ編と一緒になっています。できれば最初にご覧ください。

▼その1 基礎知識とシャープの機種紹介
加湿空気清浄機は自分で選ぶのがお得!?基礎知識の解説とメーカー比較【シャープ編】
▶︎その2 パナソニック編→このページ
▼その3 ダイキン編
【空気清浄機シリーズ3】ダイキンの特徴解説と他メーカーを比較
パナソニックの特徴
ナノイーとナノイーX
シャープのプラズマクラスターに対して、パナソニックはナノイー機能を持っています。
プラズマクラスターに7000や25000などのグレードがあったように、ナノイーにもナノイーとナノイーXの2つのグレードが存在します。
ナノイー内部にはOHラジカルが含まれており、このOHラジカルが脱臭したり、花粉の働きを抑制したりしています。ナノイーXは従来のナノイーの約10倍のOHラジカルを含んでおり、より多くの花粉に対応し、脱臭スピードも大幅にアップしています。
ナノイーはOHラジカルを水で包んだもので、肌にうるおいをあたえる効果も期待できます。とはいえ、部屋にあった水分を集めて使っているので、ナノイー自体に加湿効果があるわけではありません。もともとあった水分が肌に届きやすくなる程度です。
▼ナノイー
スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサの4種の花粉の働きを抑制します。脱臭効果も期待できますし、お肌や髪にうるおいをあたえる効果が見込めます。
▼ナノイーX
上記の4種類の花粉だけでなく日本中の花粉の働きを抑制します。脱臭効果はナノイーの10倍あり、肌のうるおいを保持する効果も見込めます。
ナノイーといえばパナソニックのヘアドライヤーなどにも採用されていますよね。これもナノイーの持つ水分で髪のうねりを抑えたり、ツヤを出したりする狙いで採用されています。常に人気の上位のモデルなので使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
ちなみに私も使っていますが、もう他のドライヤーにしようとは思いません。お出かけの時に違うドライヤーを使うこともありますが、まとまりが全然違うのを実感できます。
とはいえ、効果の感じ方には大きく個人差があるようです。「全く違いが分からなかった」と言っていた知人もいます。
ちなみにナノイー搭載ドライヤーがナノケアで、マイナスイオン搭載機種がイオニティというシリーズ名になっています。マイナスイオンとナノイーで別物として扱っているわけですね。
パワフル前面吸気
パナソニックといえばこの前面吸気を最大の特徴にあげる店員さんも多いかもしれません。
電源オン時にはフロントパネルが少し前にせり出すことで、大きな通風路を確保できるようになっています。
また、前方下側から吸い込むような気流を作ることで、床上30cmまでに溜まりやすいとされている花粉やハウスダストをスピーディーに吸引しています。
▶︎カーペットや畳の上に座る時
▶︎小さなお子様が動き回る時
よくあるシーンですが、実はハウスダストが溜まりやすい空間にいたということなんですね。それを効果的に解消するのが前面吸気というわけです。
スタイリッシュなデザイン
シャープのようなスマホ連携機能はありませんが、デザインはパナソニックの方が人気あるようです。
F−VXP90とF−VXP70のカーブしたフロントパネルは前面吸気の気流を効率よくするだけでなく、見た目の良さにも貢献しているというわけですね。
前の記事にも書いたのですが、空気清浄機は基本的には1年中お部屋に置いておく家電です。見た目がよかったり、お部屋の雰囲気を損なわないことも大事なポイントと言えますよね。
加湿付きモデルのラインナップ
それでは実際の商品を見ていきましょう。
たっぷり加湿のプレミアムモデル
パナソニック F−VXP90
▼機種概要
パナソニック最大のモデルで、様々な花粉・スピード脱臭にも有効なナノイーXを搭載したモデルとなります。
運転時にはフロントパネルが可動し、下方向からの吸引力を高める”メガキャッチャー”機能を備えています。
■比較機種その1
シャープのKI-HP100がライバル機種になるでしょうか。
シャープKI-HP100は
①プレフィルター自動掃除
②プラズマクラスターNEXT
といった魅力を持った機種となっています。
プラズマクラスターとナノイーは働きとしては似ているのですが、個人的には濃度の面でプラズマクラスターNEXT>ナノイーX=プラズマクラスター25000>ナノイー=プラズマクラスター7000くらいの感覚で多いと思っています。
プレフィルター自動お掃除は本来の実力を発揮するのに役立ちますし、プラズマクラスターの消臭効果は確かなものではないかと感じています。
逆にパナソニックのF−VXP90は
▶︎前面スピード吸気
▶︎ナノイーXで花粉対策
と、外から持ち込んでしまった花粉を素早くキャッチするのに適しています。デザインも個人的にはパナソニックの方がかっこいいと思っています。木目調のパネルは人気の北欧風・ヴィンテージなインテリアにマッチさせやすいのではないかと思います。
本体カラーは他にホワイトが用意されており、これも最近人気のモダンスタイルインテリアに合わせるのにちょうどいいですね
最近特によく耳にするのが北欧風インテリアではないでしょうか。北欧風インテリアは落ち着いた居心地のいい空間作りが特徴で、ベージュや木目などのナチュラルなベースカラーに差し色を加えていくスタイルが多く見受けられます。
幾何学模様のラグやスローケットは定番ですね。こんなシチュエーションにも木目パネルは合わせやすいのではないかと思います。明るめの雰囲気ならホワイトもいいですね。
それ以外にはモダンスタイルやヴィンテージスタイルが人気を集めているようです。
ホワイト・ブラックを基調としガラス製品などを合わせてスタイリッシュな空間を作っていますね。これならホワイトが良さそうです。
ウッディーでレトロな雰囲気のヴィンテージスタイルなら木目がぴったりですね。レザー小物を使うのも人気のようなので、そんな時でもマッチしやすいのではないでしょうか。
シャープはシャープでメカっぽいと言うか、近未来チックなデザインですね。それはそれでかっこいいのですが、個人的にはいかにも家電っぽいデザインな気がします。まぁ、この辺はお好みで選んでいただければ良いかと思います。
■比較機種その2
価格的にはシャープKI-HX75が近いですね。
KI-HX75はプレフィルター自動お手入れ搭載ですが、F−VXP90の方が空気清浄・加湿能力ともに大きくなっています。空気清浄機は大き方が有利なので、広めのリビングでお使いでしたらF−VXP90がおすすめとなります。
また、パナソニックといえばハウスダスト発見センサーもおなじみとなっていますね。普通の空気清浄機にも空気の汚れを感知するためのセンサーはついているのですが、こちらの機種ではなんと0.3μmの微細なチリまで発見することが可能となっています。
これがどのくらいのサイズかといいますと、花粉のサイズがだいたい20〜40μm、PM2.5はその名の通り2.5μm程度の大きさで、小さなものでは1.2μmとなるようです。こういった細かなハウスダストもしっかり感知できるのが0.3μm対応のハウスダスト発見センサーの実力となります。
細かな空気の汚れでもしっかりと感知し、自動で最適な運転を行ってくれるようになっていると言うことですね。
▶︎シャープより価格を抑えて大きなサイズは?
▶︎花粉を素早くキャッチできる機種は?
こんな場合におすすめの機種となっています。
こちらの機種にはもう一つ小さいサイズも用意されています。
リビング向け高機能モデル
パナソニック F−VXP70
▼機種概要
上記のF−VXP90と同じ機能の構成で、適応畳数だけが違っています。メガキャッチャー機構ももちろん採用されています。
カラーは1色増えて、木目・ホワイトの他にブラックが用意されています。F−VXP90の足元部分はシルバーで共通なのに対して、F−VC70XPの木目の足元はブラックに、ホワイトの足元はホワイトになっています。
木目×ブラックの方が暗めの配色ではありますが、なんだかかっこいい気もします。
このように色の細かな違いはあるものの、基本的にはお部屋の広さに合わせて選んでいただければOKです。
■比較機種
シャープのKI-HS70が近い適応畳数となります。
KI-HX75は
①プラズマクラスター25000
②KOKORO AIR(ネットワーク連携)
③スリムデザイン
が魅力の機種となっています。
イオンの面ではこちらもナノイーX搭載で互角と考えて良いかと思います。スリムデザインは設置性が高まる利点がありますが、その分吸気口も小さくなるともいえますよね。パワフル・スピーディなのはF−VXP70でコンパクトなのが高機能でもコンパクトなのがKI-HS70となります。お使いの状況に応じてお選びいただければと思います。
寝室・子供部屋におすすめ
パナソニック F−VXP55
▼機種概要
このモデルからはナノイーXではなく、普通のナノイーが採用されています。とはいえ空気清浄フィルターはHEPAですし、脱臭専用フィルターも採用されています。
デザインが上位のモデルと異なり、カーブのあるスタイリッシュなパネルではなくなってしまうのはやや残念に思います。メガキャッチャーも非採用ですが、前面3方向吸気は健在で、カラーはホワイトとブラックの2色が用意されています。
このモデルだけの機能として寝室モードが用意されています。寝室モードをオンにするとまず少し強めの運転でお部屋の空気を綺麗にします。約15分後には自動で静音運転に切り替わり、朝になってお部屋が明るくなるとまた5分程度強めの運転を行います。
寝ている間は静かにしつつも、就寝前と起床後にキレイな空気で過ごせるのは嬉しいですね。
■比較機種その1
スペック的にシャープのKC-H50と悩む方が多いかと思うのですが、個人的にはこの2つだったらどちらを選んでも良い気がします。
①イオン機能は互角
②フィルター構成も互角
と言っていいでしょう。
その時の価格で選んでもいいですし、デザインで選んでもOKです。
ちなみに私はイオン系の機能が好きなのでシャープ派です。プラズマクラスターほど他企業に採用されているイオン機能は他にないからですね。トヨタの車やフジテックのエレベーターなどニオイの気になる空間に多く採用されているなど、実績の面ではやはりナノイーよりもプラズマクラスターが有利なのではないかと考えています。
逆にパナソニックはこのモデルでも洗いやすい、布のような柔らかな加湿フィルターを採用しているのが好印象です。シャープは高級機はいいのですが、KC−H50では型崩れしやすい硬いフィルターが使われています。また、前面吸気でスピーディーに空気清浄できるのが魅力となっています。
まぁ、どちらにしても決め手になるほど大きな差では無いように感じます。お好みで選んでいただいて良い範囲ではないかと思っています。
お手頃モデル
F−VXP40
▼機種概要
パナソニックの加湿空気清浄機としては一番小さなサイズとなりますが、それでもしっかりとHEPAフィルターを採用しています。
サイズが小さい分価格も手頃なのですが、少し注意しないといけない点もあります。
注意点①
脱臭フィルターは独立タイプではなく、空気清浄フィルターと一体型となっています。独立専用脱臭フィルターには及びませんので、ニオイが気にる場合はF−VC55XP以上がおすすめです。
注意点②
加湿運転オフボタンが用意されておらず、タンクに水を入れないことで加湿を止めるタイプとなっています。梅雨時期はもちろん、冬に結露で困るような時に加湿を止めたいといった時に少し手間がかかってしまいます。
注意点③
お水タンクは受け皿と一体型になっています。蓋がないのでお水がこぼれる可能性があります。給水が少し不便に感じるかもしれません。
価格は手頃で良いものの、専用脱臭フィルターはありませんし、使い勝手も他の機種と比べるとダウンしてしまいます。
せっかく購入するのであれば少し予算を足してF−VC55XPかシャープのKC−H50にする方が良いのではないかと思います。
▶︎予算優先で加湿とナノイーが使いたい
▶︎ニオイはそれほど気にならない
こんな場合には選択肢に入るかと思います。
加湿なし空気清浄単体モデル
薄型スマートモデル
F-PXP55
▼機種概要
スリムでスタイリッシュなフォルムの空気清浄専用モデルです。脱臭フィルターは専用独立になっているので良いのですが、空気清浄フィルターがHEPAになっていないのは気になるところですね。
これまでの機種と同様に前面吸気ではあるのですが、吸い込み口は下部のみとなっています。パワフルさやスピードを求めるなら加湿付きのモデルが有利となるでしょう。
■比較機種
同等クラスの商品としてはシャープのFU-H50が挙げられます。
FU-H50はHEPAフィルターを採用しておりますので、この2機種に関してはややシャープが有利かと思います。ただし、FU-H50は幅広のデザインとなっていますので、コンパクトに設置したい場合にはF−PXP55が適しています。
▶︎加湿器は気化式以外を使いたい
▶︎シャープよりもこちらのデザインが好みだ
こんな場合に候補になる機種となっています。
加湿なしコンパクトモデル
F−PDP30
▼機種概要
上部に持ち手がついた可愛らしいデザインとなっており、お子さんでも部屋掃除の時などに自分で移動しやすいかと思います。
空気清浄フィルターと脱臭フィルターフィルターが分かれているのも良いポイントですね。ですが、これでの機種とは異なりフィルター寿命が2年になっている店には注意が必要です。ナノイーが非採用なのも少し残念に感じます。
■比較機種
シャープのFU-G30が同等機種となりますが、FU-G30は空気清浄と脱臭フィルターが一体型となっています。その点ではこちらが有利ですが、FU-G30はしっかりとプラズマクラスターを採用しています。
パナソニック・シャープ共にイオンを売りにしているメーカーさんですから、せっかくならプラズマクラスターがあった方がお得な感じはします。
とはいえ、大きな差にはならないかと思いますので、デザインやその時の価格で決めても良い範囲かと思います。
まとめ
パナソニックの空気清浄機の全ての機種を見ていただきました。他のメーカーも同じですが、やはり加湿付きのモデルの方が機種も豊富で、機能も充実していますね。
おすすめの機種とシチュエーションは・・
▼リビング
パナソニックといえば前面パワフルスピード吸引が魅力なわけですから、メガキャッチャー採用のF−VXP90か70がおすすめです。リビングであれば基本的には加湿付き機種から選んでいただくのが良いかと思います。もし、すでに加湿器がある場合は併用をお考えください。
▼寝室
花粉やニオイが気になるようであればナノイーX搭載のF−VXP70が、予算優先であればF−VXP55がおすすめとなります。F−VXP55は加湿目安が木造8.5畳なので、それよりも広い場合はF−VXP70が良いかと思います。小さめに買ってしまうと、運転が強くなる時間が増えてしまいますから、結果的に音が大きくなってしまうからです。
▼子供部屋
加湿をつけるならF−VXP55がおすすめです。予算優先ならF−VXP40も候補になりますが、水タンクと受け皿が一体の構造なので、給水しにくいと感じるかもしれません。
加湿なしなら、フィルターが長持ちのF−PXP55がおすすめです。
以上パナソニックのメーカーの特徴とおすすめ商品紹介でした。最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回は日立とダイキンをまとめる予定です。