空気清浄機の性能の違いってどんなもの?空気のキレイさに違いはあるの?
空気清浄機でも買ってみようかなと思うタイミングは人それぞれかもせれませんが、
「花粉が辛い!どうにかなんないかなぁ?」
「赤ちゃんがいるから空気はキレイにしておきたいなぁ」
「タバコや料理のニオイが残ってるかも・・」
こんなシーンが多いかもしれませんね。
空気の汚れやニオイ・乾燥など職場や屋外ではつらい思いをしている方も多いでしょうから、せめてお家の空気くらいはキレイにしておきたいものですよね。
そこで本日は空気清浄機の基礎知識や選び方のポイント、おすすめ機種の紹介をしたいと思います。
機種の選び方は意外と簡単?
空気をキレイにするっていうと、なんだか特別なことをしているように感じる方も多いかもしれませんが、空気清浄機の構造は意外とシンプルです。
▶︎空気を吸って
▶︎中でホコリやニオイをキャッチして
▶︎キレイになった空気を部屋に出す
やってることはこれだけなんです。
ホコリやニオイはフィルターに吸着させていて、空気を濾過しているイメージが近いですね。
空気清浄機にはいろいろな製品があって「どれを選んだらいいかわからない!」と思っている方も多いかと思いますが、少しの基礎知識さえ抑えておけば、空気清浄機は自分でも十分に選べる家電だと言えます。
自分で機種を選ぶことができれば、ネットや店頭でお買い得な商品を見つけやすくなりますね。
それではまず最初に、どの部分に注目したら良いかを3つの段階に分けて見てみましょう。
①空気を吸う
ホコリやニオイを取るためにには一度空気清浄機の中に入らないといけません。ですから、どれくらい吸う力があるかをチェックします。
②ホコリをキャッチする
本体の中に吸い込んだ空気からホコリやニオイを分離する力がどれくらいあるか?どれくらいキレイな空気にできるのかをチェックします。
③ニオイを取る
空気中のホコリを取ることと、ニオイを取ることは似ているようで少し違います。ニオイに対してどんな対策をしているのかをチェックします。
それでは各項目ごとにもう少し細かく説明していきますね。
空気を吸う
本体にどれくらい空気を吸い込むことができるかを判断するためのポイントは3つあります。
1 適応畳数
空気をしっかり吸い込むためにはお部屋の広さと空気清浄機のサイズがあっているかが重要です。
ここで重要なのが空気清浄機の適応畳数の見方です。空気清浄機の適応畳数を知るにはちょっとした知識が必要になるんですね。
例としてシャープの人気機種を見てみましょう。
シャープ KC−H50
スペック表を見てみると・・
こんな風に書いてあります。数字がたくさんあってどこをみればいいか迷ってしまいますよね。
空気清浄としては〜23畳と記載されていますが、一緒についている加湿機能は普通のおうちだと8.5畳ですし、シャープの特徴であるプラズマクラスターは約13畳のようです。
どうしてこんなに広さがバラバラなんでしょうか?
これは空気清浄の適応畳数の決め方のルールに原因があります。
空気清浄の適応畳数はおすすめの広さではなく、30分かけて空気が循環する広さを記載しています。つまり、上記の機種では23畳の部屋で使った時に30分で空気が一周すると言うことになります。
そして、これも重要なことなんですが、空気が1周するのに30分かかるのでは遅いと言われていて、10分で一周するくらいが快適さの目安となっているんです。
つまり、”空気清浄の適応畳数と実際に使う畳数は違う”ものなんです。ですから、お部屋の広さよりも大きな適応畳数の機種を選ばないと、「せっかく買っても効きがいまいち」と言うことになり兼ねません。
ではどれくらいのサイズにすると良いのでしょうか?
空気が1周するのに30分かかるのを10分にしたいわけですから、それなら単純に適応畳数も3分の1にして考えればOKです。
この考え方で行くと、上記の23畳の機種であれば約8畳となりますね。そうすると、加湿の対応畳数である8.5畳とかなり近い数値になります。つまり、もともとこの機種は8畳くらいの広さで使うのがもっとも理想的だったと言うことがわかりますね。
メーカーさんのおすすめ畳数は13畳となっていますが、これはシャープの特徴であるプラズマクラスターの適応畳数を基準にしているのではないかと思います。空気清浄自体は遅くはなるものの、実用の範囲内と言う判断なんでしょうね。
空気清浄機の適応畳数は実際に使うお部屋の広さよりも大きいものを選ぶのが効果的ということが伝わりましたでしょうか。極端にいえば大きければ大きいほどよくて、清浄スピードがアップします。
例えば花粉でお困りの方でしたら、なるべく早く空気をキレイにしたいですよね。そんな場合は大きめサイズがおすすめとなります。
2 吸気方向
空気清浄機には主に背面から空気を吸うタイプと、前面から空気を吸う2つのタイプがあります。
どちらが優れていると言うことではなくて、得意な場面が少し変わってくるという程度の内容ですが、少し説明させてください。
▼前から吸気
主にパナソニック・ダイキン
吸気口がお部屋の広い方を向いているのでパワフルでスピーディーに吸気し、空気をキレイにすることができます。
また、壁際近くまで寄せて設置できるメリットもあります。
▼後ろから吸気
主にシャープ・日立
お部屋の隅や壁際に吸気口を向けることで、お部屋全体の空気が循環させやすい構造となっています。
また、壁際に溜まりがちなチリやホコリをキャッチするのにも向いています。
個人的には、空気清浄機はずっと付けっ放しにして使うものですから、吸気口の位置が少し変わったところで影響は少ないのではないかと思っています。
敢えて言うなら、お料理ごのニオイや帰宅時に衣類についた花粉を素早く除去したいなら前方吸気が有利で、お部屋全体の快適さをキープしたいなら後方吸気が良いということは言えるかもしれません。
3 風の通り道を確保する
せっかく性能の良い機種を選んでも、風の通り道にホコリが詰まっていては十分に吸気を行うことができず、本来の性能が発揮できなくなってしまいます。
空気清浄機には大きなホコリをキャッチするプレフィルターと花粉やPM2.5のような微細な粒子をキャッチする空気清浄フィルターがあります。(パナソニックはプレフィルターなし)
プレフィルターは本体の背面などについているアミアミのことですね。ここで目詰まりが起こると吸い込みが悪くなるので、定期的に掃除機などでお手入れする必要があります。
でも、それって少し面倒ですよね。中にはごくたまにしか手入れしない方もいるのではないかと思います。ですが、それでは性能が発揮できていなくてもったいなくもあります。
そこで登場したのがプレフィルターを自動でお手入れしてくれる機種です。
今の所シャープのHP・HXシリーズと日立のNVG110・NVG90にしか搭載されていませんが、自動お手入れ機能があればいつでも効率よく運転ができるようになりますね。
例 シャープ KI-HP100
例 日立 EP−NVG110
比較的大きめのサイズ・高価なモデルにしか搭載されていない機能となっており、あるに越したことはありませんが必須とまではいかないかと思います。
自分でこまめにお掃除すれば同じことですからね。とはいえ、その”こまめ”が面倒に感じる方には魅力的な機能でがないかと思います。ちなみに上記のKI-HP100は48時間運転ごとに1回お手入れされるようになっています。同じくらいのペースで自力でお手入れするのは、かなりマメな方でないと難しいのではないでしょうか。
吸気についてまとめると・・
▶︎しっかりとお部屋の空気を吸い込むためにはきちんとしたサイズ選びが重要
▶︎サイズがあっていても風の通り道の確保もしないと効率ダウン
▶︎スピード重視か全体重視かで吸気方向を決めましょう
まとめるとこんな感じになります。サイズ選びがダントツで重要で、あとはお手入れも大事ですね。吸気方向はそれほど気にしなくて良いので、どうしてもどのメーカーがいいか決められないという時に考えればいいかと思います。
空気をキレイにする
本体内部のフィルターの話になります。いわば空気清浄機の心臓部とも言える重要な部分なのでしっかりチェックしておきましょう。
本体の内部に風が入って行く時には、プレフィルターにより大きなホコリはすでに除去されています。
ですから、本体の中でキャッチするのは小さなチリや花粉やPM2.5などの細かな粒子となります。これをキャッチする方法として今主流になっているのがフィルターで分離する方式です。
本体内部に入っていて蛇腹状のフィルターを使います。これが空気清浄フィルターです。
↑こんな見た目のものです。
そしてこの空気清浄フィルターにも種類があり、主にHEPAフィルターとそれ意外に分けることができます。
▼HEPAフィルター
少し端折りますが、0.3μMの粒子を99.97パーセント捕集できる性能を持ったフィルターのことです。多くの空気清浄機や掃除機などで採用されており、空気清浄機ではHEPA採用がスタンダードとなっています。
最近ではTAFUフィルターという、HEPAフィルターと同じ捕集性能でさらに捕集率の低下が少ないフィルターも出てきていますが、今の所ダイキンのみとなっています。
▼それ以外のフィルター
HEPAの基準に届かないフィルターで、”高性能フィルター”など独自の名称で呼ばれている場合もあります。空気清浄機では比較的安価なモデルに採用されています。
つまり、基本的にはHEPAフィルター搭載の機種から選んで行くのが基本かつ安心と言うことができます。
フィルターの寿命について
少し話がそれるのですが、フィリターの寿命について少しお話させていただきたいと思います。
最近では10年交換不要というフィルターを採用したモデルが増えてきています。
ですが、これは必ず10年持つというわけでもありませんし、10年間お手入れがいらないということでもありません。
フィルターでホコリをキャッチしている以上、ある程度目詰まりはおきてきます。ですから定期的なフィルターのお手入れは必要になります。そうやって大事に使っていれば10年持つということです。
それと、大事に使っていても10年よりももっと早く寿命がくる場合があります。
▶︎タバコを吸う
▶︎キッチンとつながっている部屋で使う
こういった場合はタールや油煙の影響でフィルターにホコリが張り付いてしまうので、寿命が短くなってしまいます。
ですから、すごく理想的な環境で使えば10年持つというくらいに考えていただいた方が良いかと思います。また、理想的な環境で使ったとしても10年使えば半分程度まで性能が低下してしまいます。
フィルターの寿命が10年と言っても過信は禁物ということですね。定期的に状態をチェックして必要があれば交換した方が良いかと思います。
ニオイをとる
空気清浄機の役割は花粉やホコリをキャッチすることだけではありませんよね。嫌なニオイもとってくれてこそ空気がキレイになったと実感できるものではないかと思います。
ニオイをとる方法は主に2つあります。
①脱臭フィルターでとる
まずはこれが基本的な方法となります。
活性炭などのニオイを吸着しやすい素材を含んだフィルターを使うことでニオイを除去していきます。
脱臭フィルターには脱臭専用のフィルターが用いられるのが一般的ですが、安価なモデルでは空気清浄フィルターと一体になっていることもあります。
脱臭専用のフィルターの方が当然性能はいいです。
②イオンでとる
脱臭フィルターの他にニオイをとる方法として使われるのが、シャープのプラズマクラスターやパナソニックのナノイーなどのイオン機能です。
脱臭フィルターでは本体内部に取り込んだ空気の脱臭しかできませんが、イオンなら部屋に放出することでさらに広い範囲の脱臭が可能になります。
また、イオンを放出することによりカーテンやソファーなどの付着臭の抑制も期待できます。空気清浄機に入った空気の臭い以外も抑制できるのがシャープとパナソニックの魅力ですね。この2社が人気のツートップなのも頷けますね。
また、特にイオン機能に注力しているシャープとパナソニックでは、イオン機能にも幾つかのグレードが設けられています。
▼シャープ
プラズマクラスター7000→プラズマクラスター25000→プラズマクラスターNEXT
▼パナソニック
ナノイー→ナノイーX
右に行くほど空気中のイオンの濃度が高くなります。こういったイオンは空気中に放出されてもずっとイオンとして存在しているわけではなく、脱臭や除菌を行うと分解されてなくなってしまいます。
ですからどんどん放出しないとお部屋中に行き渡らないんですね。それでこういったイオンの量を増やしたグレードが出てきているんです。
▼ダイキンのストリーマ
似たような機能でダイキンのストリーマというものがあります。これは空気中に放出するわけでは無く、フィルターに向けて放出(放電)しています。
ストリーマで脱臭フィルターのニオイを除去することで、フィルター自体に染み付いたニオイが部屋に戻ってしまうのを抑制しているんですね。そういった意味ではストリーマも脱臭に大きく貢献していると言えますね。
プラズマクラスターやナノイーと違ってお部屋のニオイを取りに行くわけではないのですが、ストリーマ発生装置とフィルターの距離が近いので効率は良いかと思います。
▼イオン機能なしの日立
大手メーカーでは唯一イオン機能がついていませんが、だからと言って脱臭能力が低いわけではありません。
密度の高い脱臭フィルターでしっかりとニオイを取り除いてくれます。
例 交換用脱臭フィルター EPF-KVG900D
画像ではわかりにくいかもしれませんが、活性炭がびっしりと詰まっています。
■イオンと空気清浄の関係 花粉に対しては?
プラズマクラスター、ナノイー、ストリーマどれも共通なんですが、これら自体がホコリをキャッチしてくれるわけではありません。そういった意味では空気清浄とは言えないかもしれません。
ただ、それ以外にも空気の質をよくする様々な効果は期待できるかと思います。個人的には一番のメリットは脱臭ではないかと思っています。
ちなみに花粉に対してですが・・
▼シャープ
プラズマクラスターで花粉の効果を抑制するような表現はありません。あくまで空気清浄フィルターで花粉をキャッチする方法で花粉の飛散を抑えています。
▼パナソニック
ナノイーでは杉など4つの樹木の花粉を抑制、ナノイーXでは日本中の花粉を無力化すると記載があります。ただし、無力化するまでの時間や効果が及ぶ範囲についての詳細は記載が見つかりません。
▼ダイキン
花粉に4日間ストリーマを照射することで、花粉を破壊することができるようです。ですが、先ほど書いたようにストリーマの照射範囲は本体内部の空気清浄フィルターのみとなっています。ですから、やはり本体に吸い込んでキャッチするのがメインとなりそうです。
花粉対策としてはイオン機能などに頼るよりもしっかりと本体に吸い込んでフィルターでキャッチするのが一番効果があるのではないかと思います。やはりサイズ選びか重要と言えますね。
加湿機能はあった方がいいの?
最近では加湿付きの空気清浄機の種類が増えていますね。空気清浄機の単体とどちらがいいのかお悩みの方もいるのではないかと思います。
先に結論を書きますと、加湿付きから選んだ方がお得ではないかと思います。
理由としては加湿付きの方が
▶︎人気があり機種が豊富になっている
▶︎人気がある分値段も下がっている
と、コスパ的に非常に有利だからです。あえて単体の空気清浄機を選ぶ理由がほとんどないんですね。空気清浄の性能が優れたHEPAフィルターを搭載した機種も基本的には加湿一体型のモデルに多くなっています。
ただし、選ぶときに少しだけ注意したい点もあります。
加湿空気清浄機の加湿方式は全て"気化式"となっています。
他にスチーム式やハイブリッド式、超音波式などがあるのですが、これらの加湿方式の中で気化式はもっとも加湿スピードが遅いです。その代わりに電気代はすごく安くて、ほとんど空気清浄機を動かす電気代だけで加湿運転も可能というメリットがあります。
空気清浄機は基本的にずっと付けっ放しで使う家電ですから、ゆっくりでも電気代の安い気化式とは相性が良いです。ですが、パワフルかと言われるとちょっと微妙です。
また、先ほどもご覧いただいたように、加湿の適応畳数は空気清浄の適応畳数よりもずっと小さくなっています。
ちなみに加湿畳数の目安は木造和室とプレハブ洋室の両方が記載されていますが、木造の畳数を参考にした方が安心です。気密性が優れた住宅にお住まいなら良いかもしれませんが、日本でプレハブ工法で建てられた住宅は2割いかない程度の割合しかありません。加湿がゆっくりということもあり、十分な能力を持ったサイズを選んでおくことをおすすめします。
⭕️加湿付きのメリット
だいたい1万円以下の価格帯の加湿器には湿度の自動調節機能がついていません。主要な加湿空気清浄機ならどれも湿度自動調節機能がついていますので、そういった意味ではコスパが高いと言えます。
もちろん、設置スペースを2台分取らないことや、コンセントが一つで済むこともメリットになりますね。
❌加湿付きのデメリット
十分なサイズを選べば問題ないとは言え、気化式しか選べないことは欠点と言えば欠点かもしれません。
▶︎加湿はハイブリッドやスチーム式などパワフルなものを別に選びたい
▶︎性能の良い加湿器をすでに持っている
気化式加湿は水を温めることなく加湿するので、ややひんやりした風に感じることもあります。そういった加湿が苦手な場合は空気清浄単体のモデルも候補になるかと思います。
ただ、どうしても加湿付きモデルの方がラインナップが多く機種が選びやすいので、他の加湿器がある場合でも併用する方向で考えた方が良いのではないかと思います。
ちなみに加湿運転はオン・オフの切り替えが可能です。加湿付きの機種だからと言って常に加湿するわけではありませんのでご安心ください。ただし、加湿の運転の切り替えボタンがなく、水を入れてる時は常に加湿されるモデルもあります。(シャープKI-HS40、パナソニックFV−XP40)これらの機種では加湿が不要な時はタンクの水を抜いておくことで、加湿運転を行わないようにすることだできます。
加湿方法の詳しい解説はこちらをご覧ください
ここまでのまとめ
基礎知識の説明が終わりましたので一度まとめておきます。
空気清浄機に大事なことは・・
①しっかりと空気を吸うこと
そのためには適切なサイズを選ぶのがもっとも効果的で、こまめにプレフィルターをお手入れして通風路を確保することも大切です。
②吸った空気から微粒子も分離できること
HEPAフィルター(ダイキンの場合はTAFUフィルター)を備えた機種から選ぶのが基本となります。
③ニオイ除去と空気清浄は別物
独立した脱臭専用のフィルターを搭載している機種の方が効果的です。シャープ・パナソニックの場合はさらに空気中にイオンを放出することで付着臭なども抑制する効果が期待できます。
④加湿一体型で選ぶ
空気清浄と加湿はもはや一体になっているのがスタンダードです。特別な理由がない限りは加湿空気清浄機から選んだ方が機種も多く、コスパもよくなります。
だいたいの目安で適応床面積が20畳以上のモデルだとこういった条件を満たす機種が多いですね。空気清浄の効率を考えてもやはり大きめのサイズがおすすめです。
運転音が静かな機種は?
このお問い合わせはよくいただくのですが、どの機種にも当てはまることなので先に書いておきます。
空気清浄機の運転音はメーカーや機種によって多少の違いはありますが、大きな差とは言えません。
機種やメーカーの違いよりも、運転の強弱で音の大きさが変わる割合の方が圧倒的に大きいです。
弱く運転すれば当然運転音も静かになります。
弱く運転するためには、素早くお部屋の環境を整えることが重要です。
▶︎空気をキレイにする
▶︎加湿付きなら適湿にする
この2つを素早く行うほど静かに運転できる時間が長くなります。ですから、空気清浄機は大き目が有利になんです。
シャープの特徴
①プラズマクラスター
特徴はなんと言ってもプラズマクラスターですね。スタンダードな7000タイプと、より高濃度の25000のタイプ、最上級のNEXT(50000)の3種類があります。
空気清浄機の人気のトップ2であるシャープ・パナソニック共にこういったイオン機能を備えていますから、注目ポイントの一つになるのは間違いかと思います。
②プレフィルター自動掃除(HP100、HX75のみ)
上の基礎知識の部分でも書きましたが、風の通り道をしっかりと確保してこそ本来の性能が発揮できるものです。こまめにお手入れするのが苦手な方には自動お手入れ機能搭載機種がおすすめです。
それでは実際に機種を見ていきましょう。
最上位プレミアムモデル
KI-HP100
▼機種概要
シャープの最上位モデルで、加湿を含めた時でも15畳程度まで対応することができます。現状では他のメーカーを含めてもこれで一番大きなクラスとなります。
これ以上広いお部屋の場合は複数台にするか、加湿器を併用していただくのがおすすめです。
最上位機種というだけあって、申し分ないスペックとなっていますね。
空気清浄フィルターはHEPAを採用していますし、脱臭フィルターも専用独立タイプとなっています。
プレフィルターの自動お手入れ機能も搭載されており、いつでも本来の実力を発揮することがでるのが大きな魅力の機種となっています。
基本性能以外の部分でいうと以下のような特徴があります。
▼プラズマクラスターNEXT
シャープ最高のプラズマクラスター濃度50,000を唯一搭載した機種となっています。先ほども書いたようにプラズマクラスターはどんどん出さないと部屋中に行き渡りませんから、多ければ多いほど効果的と言えます。
基本のプラズマクラスターでもタバコ臭の抑制やカビ菌の抑制は期待できますが、高濃度プラズマクラスターではさらなる効果が期待できます。
このような効果が期待できるようです。ただし、試験条件が空気清浄機の対応畳数よりも狭い空間を使っている場合もあるので過度の期待は禁物かと思います。また、私では効果の程度がどれくらい心地よさに影響するのか判断できないものもあるので、目安程度にお考えください。
個人的にはプラズマクラスターは好きで、家でも使っていますし、車でもイオン発生器を2台使っています。主に脱臭の目的ですね。
▼KOKORO AIR
スマホアプリと連携することで空気の状態をモニタリングしたり、ネットと接続することで最適な運転を自動で行ってくれる機能が搭載されています。
▶︎PM2.5や花粉の情報を取得し最適な運転を行う
▶︎そのご家庭での運転状況を学習して運転状況をフィットさせる(HP100・HX75のみ)
ネットワークを介して情報を送信し、クラウド側で処理することでこれくらい高度な制御も可能になっています。
■家電のネットワーク連携について
家電のネット連携はまだまだ浸透していませんし、別に必要ないと考えている方も多いのではないかと思います。
ですが、個人的にはこれからの家電はこういったIoT(モノとネットの連携)方向に進化していくと考えています。
ネットワークを介して集まったデータを解析すれば、使用者は最適な自動運転で家電を使うことができますし、メーカーは需要に応じた製品開発が可能です。誰もがスマホを持っている、ディープラーニングなどの機械学習も発達してきていると、IoTの土壌は十分に整ってきているわけですから、これを使わない手はないと思うんですよね。
この機種の場合は運転したデータをクラウド処理し、最適な運転を学習していきます。こういった学習プログラムを本体1個1個に搭載しようとすれば大きなコストが発生してしまいます。またオフラインではもっといいプログラムが作られたとしてもアップデートをするのが困難です。
ですが、通信機能だけつけてクラウド上で処理すれば低コストで高度な処理を利用することもできますし、プログラムのアップデートも行うことができます。
今はまだちょっとしたおまけ程度の機能かもしれませんが、今後例えばネットワークを介して自動で消耗品を注文できたりするようになるかもしれません。その時は自動運転の車が配達してくれるといいですね。そんな未来は意外と近くまできているかと思います。
家電のネット連携はまだまだ発展途上ですが、今後より一層家電が便利になるためには避けては通れない分野ではないかと思います。暖かい目で見守っていただけるとありがたいと思いっています。
ちょっと話がそれましたが、
KI-HP100は
▶︎15畳以上の広いスペースで使う
▶︎プレフィルター自動お手入れ機能が欲しい
▶︎せっかくだからプラズマクラスターもより効果が見込めるものを使ってみたい
こんな場合におすすめの機種となっています。
ハイグレードモデル
KI-HX75
▼機種概要
KI-HP100との違いは適応畳数とイオン濃度ですね。14畳程度までのリビングでおすすめの機種となっています。
シャープではプレフィルター自動自動お手入れが搭載されている機種はここまでとなります。メンテナンスが少なくて済むモデルをお探しでしたら先ほどのHP100か、このHX75からお選びください。お部屋の広さに合わせていただければOKです。
KI-HP100同様にKOKORO AIRも搭載しています。
▶︎リビングが14畳くらいまで
▶︎それを超えても加湿器併用
▶︎プレフィルター自動お掃除は欲しい
こんな場合におすすめの機種となっています。
シャープ HSシリーズ
KI-HS70
▼機種概要
KI-HX75と適応畳数があまり変わりませんが、こちらはプレフィルター自動お手入れ機能は付いておりません。その代わり本体がスリムになっています。スマホ連携のKOKORO AIRも搭載されています。
何度か書いたように空気清浄機はずっと付けっ放しにするのがおすすめですから、収納せずにずっと置いておく使い方になります。ですから、設置性が高いということも重要ですよね。
KI-HX75:幅405 奥行き316mm
KI-HS70:幅370 奥行き293mm
自動掃除付きのHX75に比べて約7割くらいの設置面積に収まりますので、設置できる場所が増えそうですね。
スリムなボディーでもプラズマクラスターは2しっかり25000タイプを搭載しています。25000タイプは脱臭力が強いのでキッチン続きのお部屋にはもちろん、フェイスケア効果も期待できますから寝室にもおすすめです。
▶︎プレフィルターは自分で手入れするからコンパクトの機種がいい
▶︎リビングのニオイが気になる
こんな場合におすすめです。
サイズはもう一つ小さいものも用意されています。
シャープ HSシリーズ
KI-HS50
▼機種概要
HS70よりもさらに少しコンパクトになり、適応畳数も少し小さくなります。加湿も考慮して考えると10畳程度までがおすすめで、寝室や子供部屋に対応したサイズとなっています。スマホ連携のKOKORO AIRも搭載されています。
寝室や子供部屋で使うには少し価格が高いように感じる方もいるかもしれませんが、寝てる時間ってリビングで過ごす時間より長い方も多いでしょうし、普段より空気の乾燥が気になるのではないかと思います。ですから、寝室や子供部屋にもしっかりした性能の機種で選ぶのが安心ですね。
▶︎せっかくシャープならプラズマクラスター25000
▶︎寝室・子供部屋にいる時間が長い
こんな場合におすすめとなっています。
HS70とHS50は色がそれぞれホワイト系とグレー系の2色が用意されています。
プラズマクラスター25000でお手頃価格
KI-HS40
▼機種概要
スリムな本体とプラズマクラスター25000が特徴なのはこれまでのHSシリーズと同じなのですが、この機種はHEPAフィルター非搭載で脱臭専用フィルターもなくなってしまいます。KOKORO AIRなしですね。
また、基礎知識のところにも書きましたが、この機種には加湿運転のオン・オフボタンがありません。タンクにお水を入れるか・入れないかで加湿運転をするかどうかを切り替える使い方となります。
湿度は高すぎても結露やカビの原因になりますから、加湿のオン・オフはボタンで切り替えができる方が便利ではないかと思います。
細かい話になりますが加湿フィルターの形状もこれまでの機種とは異なります。
円盤状のフィルターの下の部分は欠けていますよね。加湿フィルターを回転させ、この欠けた部分を水受け皿側に合わせることで水を吸い上げないようにして加湿をオフにしています。それはまぁいいのですが、このフィルターを回転させるということが結構大事なんです。フィルターが回転することにより水の流れの向きが変わることで、フィルター内に汚れが溜まることを抑制しています。
四角いフィルターの場合は常に下から上に向かって水を吸い上げているので、お水を抜く以外に加湿をオフにすることはできませんし、常に同じ向きに水が流れるのでフィルターの真ん中付近に汚れがたまりやすいというデメリットもあるんです。
▶︎スリムモデルでなるべく安価な機種は?
▶︎イオン機能が目当て
こんな場合にはおすすめですが、個人的にはHEPA・脱臭フィルター・加湿オンオフボタンはあった方が良いのではないかと思います。
そういった面では次にご紹介する機種の方がお得なんじゃないかと思います。
シャープ エントリーモデル
KC−H50
▼機種概要
メーカーさんではエントリーモデルという位置付けで、プラズマクラスターはこれまでの低濃度の7000となり、KOKORO AIRも搭載されておりません。
ですが、HEPAフィルターも採用されていますし、脱臭フィルターも独立タイプとなっており、基本性能は十分な内容となっています。もちろん加湿オン・オフボタンもあります。シャープの全ラインナップの中でもっともコスパが高い機種はこちらと言っていいのではないかと思います。
KI-HS50が比較対象になるかと思いますが、
KI-HS50は
▶︎プラズマクラスター25000
▶︎スリムデザイン
▶︎KOKORO AIR対応
この辺りが主な違いになります。これも細かい話ですが、加湿フィルターが円板状なのは共通なのですが、素材は異なっています。
KI-HS50は洗いやすい柔らかい布のような素材で、KC−H50は硬い紙のような素材です。KC−H50のフィルターはゴシゴシ洗うと型崩れしやすいのでお手入れの際には少し注意が必要です。
とはいえ、これくらいの差であればKC−H50で十分という方も多いでしょう。
▶︎なるべく予算は抑えたいけどそれなりの性能は欲しい
▶︎イオン機能はそんなに重視しない
「安いに越したことはないけど、あんまりショボいと嫌だなぁ」こんな時にはこの機種で決まりです。
加湿なしモデル
FU-H50
▼機種概要
加湿機能なしの空気清浄単体モデルとなります。
▶︎加湿は別で持っている
▶︎加湿器は気化式以外で選びたい
こんな場合は候補になるかと思いますが、加湿一体のKC−H50とそれほど大きな価格差がない場合が多いです。やはりお得感でいえば加湿付きの方が有利ではないでしょうか。
KC−H50よりは空気清浄の適応床面積がやや広いので、予算を抑えつつも空気清浄スピードをアップさせたい時には良いかもしれません。予算が許すならKI-HS70の方がイオン濃度も高く、イオンの吹き出し口があるので脱臭には向いているかと思います。
これより小さいサイズにFU-G30という機種もあるのですが、こちらは空気清浄が13畳(30分)と非常に小さく、またHEPAフィルターや脱臭専用フィルターも採用されていないので、使いどころが難しいかと思います。
蚊取り機能を備えたFU-JK50という機種もあります。こちらはHEPAフィルター・脱臭専用フィルターもありますし、薬剤を使わず蚊を捕獲できる魅力があります。ですが、本体と専用の蚊取りシートの値がやや張るのが悩みどころとなります。そこまでして一体型にする必要があるかなぁ?と思ってしまいます。
以上がシャープ機種のラインナップ紹介となります。
主なチェックポイントは
▶︎適応畳数
▶︎プラズマクラスターの濃度
この部分になります。加湿機能付きが多く、無理に避けて選ぶと選択肢が減ってしまいます。最近の空気清浄機は加湿もついてるんだな、くらいに思っていただいた方が選びやすいかもしれません。
リビング用なら
▶︎広い&自動掃除がHP100
▶︎普通のリビング&自動掃除がHX75
▶︎普通のリビング&スリムがHS70
この3つが候補になるかと思います。
寝室や子供部屋向けなら
▶︎コスパ重視ならKC−H50
▶︎イオンで脱臭の効果も高めたいならHS50
▶︎加湿なしなFU-H50
この3台がおすすめです。
それよりも小さくて安価な機種もありましたが、せっかく買うならHEPAフィルターと脱臭専用フィルターがついている機種から選んでいただくのが理想的です。
次はパナソニックの紹介に行きたいのですが、思った以上に記事が長くなってしまったので別のページに分けたいと思います。