吸引力のダイソンvs便利な国内メーカー、我が家にベストな選び方は?
「うちの掃除機って重い割にあんまり吸わないかも・・」
「掃除機の掃除が大変ってどうなの?」
私が選んだ掃除機ってこれで良かったのかな?次はちゃんと選ぼう・・
なんて思っていませんか?
そうなんです、掃除機って毎日使うだけに”知ってる”と考えがちですが、意外と自分に合った掃除機を選ぶのは難しいものなんです。
毎日使う掃除機だからこそ、より使いやすいもの、そして楽してお掃除ができるものが欲しいですよね。
そこで本日はサイクロンクリーナーを選ぶ時のポイント、各メーカーのオススメ品の紹介をしたいと思います。
登場する機種と解説する内容
■今回登場するのは・・
ダイソン・東芝・三菱・日立・シャープ・パナソニックのコード付き高級サイクロン掃除機です。
高級タイプということで、「予算がなぁ・・・」と思う方も多いかもしれませんね。
でもチョット待ってください。高級タイプをおすすめするにはちゃんと理由があるんです。
価格により性能が大きく変わる
値段が高ければその分性能が良いのは当たり前と思うかもしれませんが、特にサイクロン式の掃除機は差が出やすいです。価格が吸引力の維持やお手入れのしやすさに大きく影響するんです。理由はこの後解説しますね。
メーカーさんの技術は高級機にこそ詰まっている
やはり高級機になるほど各メーカーさんの特徴がはっきりと出ます。メーカーさんごとの魅力を余すところなく伝えるためにも、まずは高級タイプから説明させてください。
高級掃除機の人気は拡大中
”お掃除を楽にしたい”というニーズは高まる一方ですね。お掃除ロボやコードレスタイプの普及など、多少値は張っても便利な方がいいとう考えが浸透しつつあります。
解説する内容
▶︎サイクロン掃除機の基礎知識おさらい
▶︎購入前のチェックポイント3点
▶︎機種の解説とおすすめパターン
▶︎私のおすすめ機種とまとめ
この順番で説明していきます。
■商品の紹介までスキップしたい方は目次機能をお使いください。
このページの内容
サイクロン式掃除機の種類おさらい
このページが初めてという方もいると思いますので、簡単に振り返っておきましょう。
サイクロン式掃除機とは・・
①紙パックを使わない
②ゴミと空気をぐるぐる回して遠心分離
③風の流れとゴミが分離される
④風の通り道が常に確保されているので吸引力が持続する
これがサイクロンの本来の意味合いです。ですが、この通りになっていない機種も大変多く、紙パックさえ使っていなければ”サイクロン式”と呼ばれているのが現状です。
■大まかなサイクロン式の種類3つ
①フィルターレス(本格サイクロン)タイプ
大きな筒と小さな筒で2段階の遠心分離を強力に行います。フィルターに埃がつく量が少ないので、吸引力が維持しやすく、お手入れも楽なメリットがあります。価格は高めのものが多く、代表的なものにダイソンがあります。
②途中までサイクロンタイプ
大きな筒で大きなゴミを分離し、微細なホコリはフィルターでキャッチします。大きなゴミを分離している分、フィルターへのホコリの付着を多少抑えることができます。中間価格のサイクロン式の多くが当てはまります。
③遠心分離なしタイプ
箱型のダストケースにゴミを集め、フィルターでゴミを分離します。フィルターに付着する埃がもっとも多く、3種の中でもっとも吸引力の低下が起こりやすい・手入れが大変になるという傾向があります。お手頃価格の掃除機の多くがこのタイプです。
購入前のチェックポイント4つ
サイクロンクリーナーを購入する前に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
吸引力
掃除機にとって一番大切な要素ですよね。だからと言ってパワーが強いだけでいいわけではないのが、掃除機選びの難しいところです。
カタログなどを見ると”吸込仕事率○○w”と書いてありますが、サイクロン式の場合はこの数値はあてになりません。
ますます選ぶのが難しく感じるかもしれませんが、安心してください。このページで紹介する機種はどれも十分な吸引力を持っています。
とは言っても多少の差はあります。
私の経験上での吸引力ランキングはだいたいこんな感じです。
1位 ダイソン
2位 三菱
3位 東芝
4位 日立
5位 シャープ
6位 パナソニック
それで、とても重要なことなんですが、吸引力が強いダイソンが一番優れた機種かというと、そうとも限りません。
なぜなら、吸引力上位の機種ほど本体が大きく音も大きい傾向があるからなんですね。
逆に吸引力が下位の機種は、パワーを少し抑えてその分軽くしたり、運転音を抑えたりしています。少しくらいパワーを落としても普通に使う分には問題ないですからね。
つまり、吸引力と使いやすさのバランスが重要なんです。
そして、どのバランスが使いやすいかは人それぞれ違うものなんです。
ですからこのページでは、どんな場合にどの機種がおすすめなのかも解説したいと思います。
ヘッドの種類
ヘッドの種類は大きく分けると2種類ですね。
▼タービンヘッド
ブラシがタービン(風車)の力で回転します。ヘッドの内部を流れる風の力だけでブラシを回すので、回転力は弱いです。フローリングの掃除専用といえばいいでしょうか。
▼パワーヘッド
モーターの力でブラシが強力に回転します。フローリングに張り付いた埃やマット類に入り込んだ埃まで掻き出して吸引します。フローリングはもちろん絨毯・カーペット・マット類・畳など幅広く対応します。
パワーヘッドの中でも軽い力でグングン進むものを”自走式パワーヘッド”(単に自走式とも)と言います。
スイスイ掃除できるので、特に女性に人気の機能となっています。用途はパワーヘッドと同じで、軽い力で動くのが魅力です。
このページで紹介する機種でいうと
ダイソン▶︎パワーヘッド
三菱・東芝・日立▶︎自走式パワーヘッド
パナソニック▶︎軽量パワーヘッド
と、自走式が主流となっています。
お手入れのしやすさ
前回の記事にもあった通り、サイクロン掃除機はこまめなゴミ捨てとお手入れが必要です。ゴミがいっぱいの状態だと風の通り道が確保できず、吸引力が落ちてしまうからですね。
部屋の掃除がしたいのに、掃除機の掃除もしなければいけないとなると、掃除もより面倒になってしまいますよね。そこで方式別にお手入れの頻度を見てみると・・
■サイクロンの方式別お手入れ目安
▼フィルターレス方式
フィルターの目詰まりが無いので基本的にゴミ捨てだけでOK。ダストケースの汚れが気になった場合は洗うことができます。掃除機本体にはモーター保護用のフィルターがあるので、これだけ時々お手入れが必要です。
▼途中までサイクロン&遠心分離なし方式
フィルターに埃が付着するのでゴミ捨ての他にフィルターの清掃が必要となります。お手入れは掃除機を使うたびに行うのが理想です。
今回登場する機種の中では日立以外はすべてフィルターレスに分類されます。つまり、お手入れが楽なものが多く登場するということです。
付属品の種類
せっかく新しいクリーナーを購入するのですから、お部屋の掃除だけに使うのではもったいないですよね。
▶︎お布団もキレイに”布団掃除ノズル”
▶︎高いところや隙間もキレイに”ロング隙間ノズル”
この辺りの付属品は依然需要が高くなっています。
お家中をキレイにできるものが結果的にコスパが良く、高い人気を集めています。
ようやくここまでで、基礎の部分の解説が終わりました。
次はおすすめ機種を紹介します。先ほど書いた吸引力が強い順に紹介しますね。
おすすめ機種&おすすめパターン
サイクロン構造は最高レベル
ダイソン CY29FF
吸込仕事率(目安) | 非公表 |
集塵方式 | フィルターレス |
本体重量 | 3.14kg |
運転音 | 非公表 |
ヘッドの種類 | パワーヘッド |
ゴミセンサー | なし |
大小様々なゴミを吸引するソフトローラーヘッド採用
倒れても元に戻る重心設計
吸引力の変わらないただ一つの掃除機として知られ、サイクロン掃除機と言ったらダイソンを思い浮かべる方も多いでしょう。
新型のV4シリーズでは・・
→ゴミ捨てがもっと楽に
→本体が倒れても戻る設計
→可動式ハンドルで高いところもお掃除しやすい
このような変更がされています。
吸引力の特徴
”ティアーラジアルサイクロン”
”吸引力の変わらない掃除機”はこのティアーラジアルサイクロンによって実現されています。ダイソンのデザインって特徴がありますよね。ここに秘密があるんです。
普通のサイクロン掃除機にも遠心分離室(ゴミと空気を分離する筒)が入っていますが、ダイソンは特に分離する筒が多いのが特徴です。
フィルターレスサイクロンでも普通は大きな埃→小さな埃の2段階で分離するのですが、ダイソンはさらにもう一度小さな埃を分離し、合計3段階の遠心分離を行っています。
また、大きな筒から小さな筒に風が流れることで、遠心力が一気に高まり、より一層微細なチリまで分離が可能となっています。車の運転で、急カーブほど遠心力が強くなるのと同じですね。
この仕組みがあるからこそ、”吸引力の変わらない唯一の掃除機”を実現しているんです。微細なチリもしっかり分離して逃さないので排気もキレイです。
独自の特徴
大小様々なゴミを吸引するソフトローラーヘッド
ソフトローラークリーナーヘッド
ソフトローラーヘッドは、柔らかいブラシが大きなゴミも小さな埃も逃さず吸い取る画期的なヘッドなんです。
このヘッドの素晴らしさは何度もご紹介していますが、簡単におさらいしますと・・
▼掃除機のヘッドは・・
■床と密着するほどパワーを発揮する▶︎大きなゴミが吸えない
■床との隙間を開けるほど大きなゴミが吸える▶︎空気が漏れてパワーがでない
と言ったジレンマがありましたが、これを見事に解消したのがソフトローラーヘッドというわけです。
さらに、このソフトローラーヘッドは髪の毛が絡まることが全くと言っていいほどありません。
ローラーが太いので、髪の毛がローラーに絡まる前に本体に吸い込まれていくんです。
今までの掃除機は髪の毛が絡まったら、ハサミでチョキチョキと切ったりしませんでしたか?
もうその必要はなくなります。
普段のお手入れ方法
ダイソンのお手入れは何と言っても、ワンタッチでゴミを捨てることのできる手軽さです。
捨て方はクリアピンの上にある赤いボタンを押すだけです。ゴミに触れることもなく、下にゴミ箱を置いておけばすぐに捨てることができます。
さらに最新V4シリーズでは、ゴミ捨てするだけでゴミケース内部の網に張り付いたホコリも落としてくれるようになっています。
目詰まりするような箇所はありませんので、基本的にはゴミ捨てだけでOKです。楽チンですね。時々でいいので、クリアビンの中心にあるモーター保護フィルターが汚れていないかもチェックしてください。
倒れても自動で元に戻る
掃除機をかけていたらテーブルにぶつかって本体がゴロン・・なんていう経験はみなさんあるのではないかと思います。
それがなんと今年のダイソンは、そんな時でも自動で起き上がる重心設計になっているんです。
付属品
ダイソンといえば、お家中お掃除できる豊富なアタッチメントが付属することも人気の理由となっています。
V4シリーズからは収納ようドックが付属しています。これまでは掃除機のお尻側にパイプを固定する方法だったのですが、これがなかなか引っかかりにくかったんですね。収納用ドックなら、フック部分にパイプをぐっと押し込んで挟むだけなので楽チンです。
また、V4シリーズでは可動式のハンドルが採用されており、パイプを上方向に向けやすくなっています。ブラシノズルを取り付けて、高いところのお掃除もしやすくなっています。
ダイソンおすすめパターン
吸引力ならやっぱりダイソンです。ティアーラジアル構造でハイパワーが持続。2つのヘッド・豊富なツールで家中お掃除と、キレイにする力はどこにも負けません。
掃除機に大事なのは吸引力だ!
家中しっかり掃除機がけしたい
子供の食べこぼしもペットの毛も両方しっかり掃除したい
こんな時にはダイソンがおすすめです。
ダイソンの苦手パターン
・ヘッドが重い(自走式ではない)
・音が大きい
こういった意見も聞こえてきます。特に女性の方は”ダイソンて疲れる”と感じるようです。パワーはあっていいんですけどね・・。良くも悪くもパワー重視の商品では無いかと思います。
■他のおすすめメーカーは?
┗ 吸引力と重量、使いやすさのバランス→東芝・三菱へ
┗ 静音重視→日立へ
┗ 軽量重視→パナソニックへ
ペットを買っている方に最適
三菱 TC−ZXH30P
吸込仕事率(目安) | 200〜120W |
集塵方式 | フィルターレス |
本体/全体重量 | 2.9/4.6kg |
運転音 | 64〜62dB |
ヘッドの種類 | 自走式パワーヘッド |
ゴミセンサー | なし |
独自の遠心分離構造で排気がキレイ&臭いも出にくい
毛絡み簡単除去機能付きヘッド採用
掃除機で三菱ってあまりピンとこない方も多いでしょうか?確かに地味に見えるかもしれません。ですが地味だけど、使いやすくなるアイデアがたくさん詰まった商品なんです。
順番に見ていきましょう。
吸引力の特徴
”大口径サイクロン”
ダイソンとは打って変わって、三菱のサイクロンは円錐型のサイクロンが1つのみ内蔵されています。
1つだけで大丈夫なの?と思った方は鋭いですね。
でも、大丈夫なんです。もちろんダイソンほどの遠心分離力はありませんので、モーター保護フィルターの手入れの回数は増えます。と言っても月に1〜2回程度で大丈夫です。
三菱の遠心分離の最大の魅力は、”ゴミがたまる場所”と”風が通る場所”が別々になっていることにあります。
①旋回室でゴミやチリを高速で回転
↓
②遠心力で外に飛び出す
↓
③分別室にたまる
と、いった構造になっています。
普通のサイクロンの場合は、ゴミと空気は一緒に回転するんですね。これ方法だと、風の通り道に常にゴミがあることになるので、ニオイが出やすくなってしまうんですね。本体で脱臭はしてはいますけど、脱臭フィルター頼りになってしまいます。
三菱の場合は風の流れとゴミの溜まっている場所が別々なので、風にゴミのニオイが移りにくくなっています。
また、サイクロンの筒が大きく、1つしかないというシンプルな構造のおかげで、お手入れやパーツの組み立てが簡単・水洗いしても乾きやすいといったメリットもあります。
独自の特徴
”ULPAフィルターでキレイな排気”
三菱のサイクロンはニオイが出づらいだけではありません。
さらにULPAフィルターという超高性能な空気清浄フィルターを本体内部に搭載しています。
HEPAフィルターって聞いたことありますでしょうか?空気清浄機によく採用されています。このHEPAフィルターよりもさらに性能が良いのがULPAフィルターです。
簡単にいうと空気清浄機よりもキレイな排気ということです。驚きですよね。
普段のお手入れ方法
先ほども少し触れましたが、三菱のダストケースはシンプルな作りです。パーツが少なく、分解・組み立ても楽チンです。
さらに注目していただきたいのは、ヘッドのブラシのお手入れ方法です。
ブラシをヘッド側面から引き抜くと、絡まった髪の毛がヘッド内側に残るようになっています。
ブラシはレバーをカチッとずらすだけで簡単に引き抜くことができます。
これまではブラシに絡まった髪の毛は、ハサミで切るのが主なお手入れ方法でした。いちいちハサミ出してくるの面倒ですよね。ハサミも洗わなくちゃいけないですし・・
三菱ならブラシを引き抜くだけですから、本当に簡単ですね。
付属品
付属品は定番の細長いノズルとお布団用ノズルです。
布団ノズルはなぜかパワーブラシではありません。最初は、おや・・?と思ったんですが、平べったいノズルがお布団にぴったりくっついてしっかり吸引してくれます。
■吹き飛ばして掃除 ”エアブローノズル”
空気を吸い込むのではなく・吐き出すことでお掃除する機能です。
”エアーホウキ”といえばいいでしょうか?エアダスターと一緒で、風の力で溝や隙間に溜まった埃を吹き飛ばすことができます。
細かいところの埃を”フーー”って吹き飛ばした経験ってみなさんあると思います。
掃除機や雑巾だと隅っこには届きにくいものですが、風なら届くというわけですね。
しかも”吸い込む”よりも”吹き飛ばす”の方がパワーが出やすいです。
もちろん、埃が舞うのでどこでも使えるわけでは無いですが、
サッシの埃を外に向かって吹き飛ばす
網戸の埃をとる
玄関の砂を外に出す
こんな風に、ホウキの代わりに使ってもらうと便利では無いかと思います。
三菱おすすめパターン
本体は見た目が大きい割に軽く2.9kgとなっています。これは、パナソニック・ダイソンについで3番目に軽い機種となっています。
吸引力は2位・軽さは3位で排気もキレイ、手入れもしやすいと非常にハイスペックな内容となっています。布団掃除・エアブローと付属品も充実です。
軽くてよく吸う掃除機無いの?
ペットがいてニオイや排気がきになる!
手入れや組み立てが簡単な機種はどれ?
こんな時には三菱がおすすめです。
三菱の苦手パターン
・本体が大きくてかさばる
・音が大きい
といった意見も聞こえてきます。
本体は軽量と言っていい部類ですが、サイズは少し大きめ。廊下とか階段でぶつかりやすくなってしまいますよね。掃除機を持ち運ぶ場合や狭い部分のお掃除には注意が必要そうです。
■他のおすすめメーカーは?
┗ 軽量コンパクト→パナソニックへ
┗ コンパクト静音設計→日立へ
軽量コンパクトの本格派
東芝 VC-SG900X
吸込仕事率(目安) | 180〜50W |
集塵方式 | フィルターレス |
本体/全体重量 | 2.3/3.7kg |
運転音 | 64〜58dB |
ヘッドの種類 | 自走式パワーヘッド |
ゴミセンサー | あり |
本体重量2.3kg&自走式で持ち運びもお掃除も楽チン
電動叩きフトンノズルでホコリを叩きだして吸引
本格サイクロン構造では最軽量の部類になりますね。コードレス掃除機人気もあってか、掃除機全体が軽量重視にシフトしている印象があります。
バーティカルトルネードシステムCLEAR
3段階の遠心構造で微細なチリまでしっかり分離します。
つまり、早い話が”ダイソンと非常に似た構造”というわけです。
ダイソンと違うポイントは、遠心分離室(サイクロンの筒の部分)が水洗い可能となっていることなんです。
ダイソンVS国内メーカー お手入れ方針の違い
ダイソンは遠心分離室の分解もできませんし、水洗いもできません。吸引力を維持するという面では、それでも問題無いからです。風の通り道さえ残っていればいいとう考えですね。
▼ダイソン
「手入れの必要なし!だから中は見えないし洗えない!」と割り切って考えているのがダイソンです。”洗えるのに洗わない”よりは”洗えないから洗わない”という方が気が楽ではと思います。
▼東芝と他の国内メーカー
「でも見えないって不安じゃない?いくら吸引力に影響がなくても埃が残ってたら気になるし・・」
という立場をとっているわけですね。
「どうせ水洗いしないよ」というならダイソン。「洗えた方が気持ちがいい」というなら東芝(国内メーカー)の考えが合っているでしょう。
独自の特徴
”ラクトルヘッド&ゴミ残しまセンサー”
ラクトル自走式ヘッド
このページで紹介する機種では、ダイソン以外は全て自走式ヘッドを採用しています。
その中でも特にヘッドがスイスイ動くのが東芝なんです。
モーターがパワフルで自走力が強いのはもちろん、ヘッドやパイプに軽量な素材を贅沢に使うことで、この軽いかけ心地を実現しています。
実際にお試しいただいた方の中には
「これ、本当に吸ってるの?」とおっしゃる方もいました。それくらい軽い力で動くんです。
ゴミ残しまセンサー
ゴミが残っているとランプが光ってお知らせしてくれる機能です。
この”ゴミセンサー”自体は他のメーカーでも採用しており、珍しいものではありません。
ポイントは”スイスイ動く+取り残しを防ぐ”を両立していることにあります。
いくら軽々動くからといって、ささっと掃除機をかけたらゴミを取り逃がす可能性が出てきてしまいます。そこでゴミ残しまセンサーで見張るわけです。2つ揃っていることが重要なんですね。
普段のお手入れ方法
ダストカップは蓋を外してゴミ箱にポイっと捨てることができます。
ダイソンと異なり、ワンタッチ式ではありません。ワンタッチ式は楽な反面、うっかりするとゴミを予想外の場所に落としてしまいます。
東芝は”蓋を外す”→”ダストケースを逆さにする”という2段階を踏むことで、そういったうっかりを回避しているわけなんですね。
先ほども書いたように、水洗いも可能となっています。サイクロンの筒が多く複雑な構造なので、乾くまで少し時間がかかります。水滴は故障の原因となるのでご注意ください。
付属品
電動布団叩きノズル(左上)
ダイソン対抗モデルですから、当然布団ノズルも付属します。
しかも東芝の布団ノズルは電動で布団を叩いてくれるんです。叩いて・浮かせて・吸うというわけですね。
電動採用ということで、ノズル自体は少し重いです。ですが、大きなローラーがついおり、なおかつ叩き機能で布団への張り付きを抑えるのでスムーズに動かせます。
一人分ならともかく、家族みんなの布団をまとめて掃除となるとなかなか重労働です。できるだけ疲れにくいお掃除方法が嬉しいですよね。
曲がるロングノズル(右上)
長くて曲がるノズルですね。角度を調節できるのでエアコン・照明器具のかさ・カーテンレールなどの掃除に最適です。
もちろん高いところだけでなく、家具と壁の隙間・家具の下など普通のヘッドが入らない狭い場所の掃除でも活躍してくれます。
ワイドピカッとブラシ(下)
ヘッドを外すだけですぐに使えるブラシです。
LEDのライトがついているので、家具の裏側などの暗い場所も照らしながら掃除ができます。
東芝おすすめパターン
ダイソン対抗モデルということで、非常に充実した内容となっています。
主な改善点をまとめると
ダイソン | 東芝 | |
ダストケース | 洗えない | 洗える |
ヘッド | パワーヘッド(重) | 自走ヘッド(軽) |
ゴミセンサー | なし | あり |
布団掃除 | 吸引のみ 多少布団に張り付く |
電動叩き ローラーでスムーズに動く |
ダイソンよりも使い勝手がよくなっている箇所がこれだけあります。主に、女性のニーズに答えた商品という印象を受けます。
逆にダイソンは
▶︎高いサイクロン技術で絶対負けない吸引力
▶︎大小様々なゴミをしっかり吸引
▶︎倒れても復帰する本体
の点で優れています。
ということで、東芝掃除機は
スイスイヘッドが進む掃除機が欲しい
布団も軽い力で掃除したい
ダイソンが欲しかったけど重くて疲れる・・
こんな時には東芝がおすすめです。
■東芝のここが最強■
本格的な遠心分離でありながら洗えるダストケース。お部屋も布団も軽い力で掃除できるヘッドと使い勝手の良さを追求した和製ダイソン。ママへの思いやりが最強。
東芝の苦手パターン
・ヘッドが軽すぎて掃除してる気がしない
・ヘッドに引っ張られる感じが好きじゃない
といった意見も聞こえてきます。下の2つは利点でもあるのですが、好みが別れる部分でもあるようです。
■他のおすすめメーカーは?
┗ 軽量本体でちょうど良い自走力→パナソニックへ
┗ ヘッドの毛絡みを簡単に除去→三菱へ
隠れた名作・充実のスペック
日立 CV-SF900
吸込仕事率(目安) | 410〜60W |
集塵方式 | フィルター分離 |
本体/全体重量 | 3.5/5.0kg |
運転音 | 54〜49dB |
ヘッドの種類 | 自走式パワーヘッド |
ゴミセンサー | あり |
今回登場する機種の中で唯一フィルターレス構造ではない機種です。これだけはどうしても”時代の流れから取り残された感”がでてしまいますね。
ですが、それ以外は非常に優秀で、使い方次第では最高レベルのスペックです。
吸引力の特徴
”ハイパワー410W”
”吸込仕事率○○ワット”という数値はあまりあてにならないことは最初にお話しましたね。
この吸込仕事率というのは、車でいうところの排気量みたいなものです。車の場合、シンプルに考えれば”エンジンが大きいほどスピードを出せる”ということになります。
ですが、この通りにならない場合もありますよね。高速道路を思い出してください。
トラックってエンジンは大きいはずなのに、スピードはそれほど出せないですよね。荷物がたくさん積んであるので、本来のパワーをすべて発揮できていないわけです。荷台が空になれば普通の車以上に早かったりします。
掃除機の場合は”フィルターの目詰まり”が”トラックの荷物”に当たります。
埃が詰まって風の通りが悪くなるほど吸引力は低下します。
それで、何が言いたいかといえばですね、ダストケースの中がキレイならものすごくよく吸って、埃が詰まってくると効率が落ちてくるということなんです。
吸引力が低下してきても、元がハイパワーなので実用の範囲には収まります。ですが、手入れの直後と直前で吸引力がかなり変わります。
紙パック式の掃除機に近いでしょうか。紙パックを変えたら急に吸い込みがよくなった・・そんな経験ありますよね。
つまり、日立の吸引力はお手入れ次第ということです。これは他のフィルタータイプのサイクロン掃除機も同様ですね。
”毎回しっかり”手入れさえしていれば、吸引力ランキングも1位か2位ににいれても良いかと思います。
逆にお手入れをサボってしまうとこの位置でしょうか。
独自の特徴
”シンクロフラップスマートヘッド”
ダイソンのソフトローラーヘッドとほぼ同じコンセプトのヘッドです。
▶︎大小様々なゴミを吸う
▶︎床面に密着した状態を保つことでパワーを最大限発揮する
この2つを両立させています。
ダイソンは大きな柔らかいローラーで大きなゴミでもヘッド内に掻き入れます。それに対し日立は、ヘッドを押した時と引っ張った時で密着度を変えているんですね。
これはすごいです。画期的です。
ダイソンのように柔らかくて太いブラシだと・・
▶︎壁際に密着しない
▶︎ヘッドが重い
▶︎絡まった髪の毛に弱い
という欠点がありましたね。その分2種類のヘッドが付属するわけですが。
日立は1つのヘッドでこれらの問題を改善しているんです。自走式ヘッドなので掛け心地も非常に軽いです。いや本当に感心します。
たくさん褒めましたが、すべてが日立が優れているわけではありません。髪の毛の絡みの少なさであればダイソンが有利なことは変わりません。あとは先ほど書いた通り、フィルターレスの方が吸引力が安定します。
普段のお手入れ方法
ワンタッチゴミ捨て・水洗い可能なダストケースと必要最低限の内容にはなっています。
ですが、やはりフィルター式サイクロンということで、フィルターのこまめな手入れをおすすめします。
少しくらい手入れをサボっても実用の範囲の吸引力はあります。ですが、本来発揮できるはずのパワーが活かされていないというのはなんだかもったいないですよね。
フィルター掃除の際にダストケースを分解するのですが、この組み立てがやけに面倒です。この機種が隠れた名作になっている最大の理由ではないかと思います。
付属品
もはや高級機では定番のフトンノズルに隙間ノズル・チューブブラシのノズルが付属しています。
日立おすすめパターン
フィルターレスではないことに目をつぶれば・・
▶︎最高クラスの静音性
▶︎最高クラスの排気のキレイさ
▶︎コンパクトでハイパワー
▶︎大きなゴミも小さなホコリもお任せ
と、非常に優れた性能を持っています。名作です。
ただし、お手入れが・・というのが名作なのに隠れてしまう理由です。
静かな掃除機が欲しい
軽い力で大きなゴミも掃除したい
どうせ水洗いするから手入れはそれほど気にならない
こんな時には日立がおすすめです。
■日立のここが最強■
静かでハイパワーしかも排気もキレイと、コンパクトボディの機種の常識を覆す充実の性能。大きなゴミも小さなゴミ吸えて、軽い力で動くシンクロフラップスマートヘッドが最強。
日立の苦手パターン
・手入れが面倒
・本体が小さい割に重い
といった意見も聞こえてきます。やはり最大の弱点はお手入れでしょうか。
■他のおすすめメーカー
┗ お手入れを楽に→日立以外へ
┗ もっと軽くてコンパクト→パナソニックへ
持ち運び最適で家中キレイに
パナソニック MC-SR560G
吸込仕事率(目安) | 200〜60W |
集塵方式 | フィルターレス |
本体/全体重量 | 2.6/3.9kg |
運転音 | 61〜57dB |
ヘッドの種類 | パワーヘッド |
ゴミセンサー | あり |
本体重量2.6kgと最も軽量なだけでなく、本体サイズも非常にコンパクトなのが魅力の掃除機です。階段・廊下と掃除機の持ち運びが多い方におすすめの機種となっています。
今年はパイプ部分がさらに軽量化され、ホース重量が約200g減っています。
その代わり、パイプの伸縮がなくなってしまったんですね。それで、長さが合わない不安を解消するために、手元のハンドル部分が長くなっているわけなんです。
うーん。これはどうなんでしょう?
個人的にはパナソニックの製品としては久しぶりに好きじゃない感じです。パイプの長さも調節できない上に収納時もかさばると、本当に300g削る価値があったのか疑問に感じてしまいます。
まぁ、今年は東芝が驚くほど軽量・コンパクトな機種を出してきたので、対抗したい気持ちはわかるのですが・・。
吸引力の特徴
”ダブルメタルサイクロン”
フィルターレス式のサイクロン掃除機は本体が大きな機種が主流となっています。遠心分離を行うスペースが十分でないと、ゴミと風を分離しきれなくなってしまうからです。
それがこちらのパナソニックは見事に軽量化・コンパクト化に成功しています。
さらにダストケース内部にはメタルコーティングを採用することで、ホコリの付着を抑制しているんです。
なかなかの優れものですね。
ただ、軽量・コンパクトを重視しているので、吸引力や遠心分離構造などの面では他のメーカーが有利となる点もあります。
吸引力は”ハイパワー”という印象ではなく、”必要な分だけ”といった感じです。
普段のお掃除で不満を感じることはほとんどないかと思います。ただし、ペットを飼っているとか、毛足の長い絨毯があるなどの条件であれば、パワー重視のメーカーが良いかもしれません。
また、本体が大きなメーカー、特にダイソンや三菱と比べるとやや遠心分離が弱いように感じます。モーター保護のフィルターにホコリが付着する割合が少し多いかと思います。
まぁ、何ヶ月もフィルターを放置しない限りは問題ないですけどね。
独自の特徴
”親子ノズル”&”ハウスダスト発見センサー”
親子ノズル
ヘッドを外すだけで使える小さなノズルがパイプの先端に内蔵されています。
ヘッドのレバーを足で押し込むだけで手軽に子ノズルを使うことができるのが、大きな魅力となっています。
さらに、ノズルにはLEDのライトが搭載されており、家具と壁の間の薄暗い隙間も照らしながらお掃除ができるようになっています。
ハウスダスト発見センサー
ゴミが残っていると、ランプが光ってお知らせしてくれる機能です。
パナソニックだけでなく、日立・東芝なども採用している機能です。
ですが、元祖はパナソニック。センサーの精度・機敏さはパナソニックが圧倒的に優れています。
他のメーカーのゴミセンサーは補助程度の働きですが、パナソニックはセンサーを見ながら掃除したほうがいいというレベルです。
センサー機能は不要に感じる方も多いようですが、使ってみるとお掃除の満足度が上がるに違いないでしょう。私も使ってますよ。
子ノズルだけでなくヘッドにもLEDライトがついています。
ライトで照らしてゴミを狙う▶︎センサーでゴミが残っていないのかお知らせしてくれる。
2つが揃うことで、より確実にお部屋をキレイにすることができるわけですね。
普段のお手入れ方法
ワンタッチゴミ捨て・水洗い可能と、他の国内メーカーと大体同様のお手入れ方法となります。
先ほども書きましたが、より吸引力を発揮するためには、本体に内蔵のモーター保護フィルターのチェックも必要です。と、言っても1週間に1度もすれば十分だと思います。
メーカーさんの表記だと2年間お手入れ不要になっていますね。これでも使えなくはないですが、やはりベストの状態をキープして使うほうがお得な気がします。
付属品
パナソニックも布団ノズル・ペタ隙間ノズルが付属します。
布団ノズルは電動でもなく、ブラシがあるわけでもありません。ちょっと安っぽいですね。その代わりに、モーターが入っていいないので水洗いが可能です。
ブラシがついていないので、汚れの付着も少なく、布団ノズル自体を清潔に保ちやすいというメリットがあります。
パナソニックおすすめパターン
意外なことにこちらのモデルは高級機でありながら”自走式”ヘッドとはなっていません。押せば軽い力で進むけど、引っ張られるような感覚はないです。
これくらいがちょうどいい掛け心地という方も多いでしょう。引っ張られると疲れる・・という声もありますし。
最大の魅力はやはり軽量・コンパクトなことですね。
キッチン・廊下・階段・玄関など、限られたスペースでの掃除機を使うのであれば、本体は小さいに越したことはありません。
もちろん、そうやっていろいろなところに持ち運ぶのですから、軽量ということも重要ですよね。1階・2階で掃除機を移動する方は特に嬉しいかと思います。
吸引力は普通でいいから軽いほうがいい
ちゃんとキレイになっているか不安だ
引っ張られるような自走式は好きじゃない
こんな時にはパナソニックがおすすめです。
■パナソニックのここが最強■
フィルターレスもここまで小型・軽量化したかと思わせる驚きのスペック。親子ノズルとハウスダスト発見センサーで、付属品を持ち歩かなくても家中お掃除できる便利さが最強。
パナソニックの苦手パターン
・すぐにブラシに髪の毛が絡まる
・油断して長期間手入れを忘れると吸引力が落ちる
と言った声も聞こえます。
パナソニックのブラシはV字に配置されており、これが髪の毛をよく絡め取るんです。
しっかり髪の毛をとっているのはいいのですが、その分毛絡みがきになる方が多いようです。
■他のおすすめメーカーは?
┗ 毛絡み簡単除去→三菱へ
┗ できる限り手入れを減らしたい→ダイソンへ
まとめと私のおすすめ品
長々と書いてきましたが、それぞれの特徴を掴んでいただけたでしょうか?
それぞれ一長一短であることが伝わっていれば、書いた甲斐があります。
最強決定戦というタイトルで始めてはみましたが、1番いいクリーナーというのは使う方それぞれ違うものかと思います。
このページでそれが見つかっていればとても嬉しいです。
ちなみに私が個人的に好きなのはダイソンと三菱ですね。
ダイソンは本当にヘッドが重いです。疲れます。でも、その重さが”しっかり吸ってるなー”という気分にさせてくれます。広いおうちだとそうも言ってられないかもしれません。
三菱は以外と軽くて・よく吸って・手入れも楽となかなかバランスが良い性能ですね。音さえ問題なければ、より幅広い方におすすめできる機種ではないかと思います。
長くなりすぎたので、今回はこの辺にしておきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。