今回は・・
メーカー選びよりもサイズ選びが重要
この内容でお伝えしたいと思います。
暖かくなってきて、空気清浄機コーナーが賑わうシーズンとなりました。
一番多いお問合せとしては、やはり
「どのメーカーがいいの?」
というものです。
まぁ、そうですよね。
どのメーカーにするのかは、家電を買う上で悩むポイントの1つでしょう。
ですが、空気清浄機に関しては、メーカーがどうこうということよりも、もっとずっと大事なことがあるので、今回はその辺りについてお伝えしたいと思います。
というわけで、このページでは・・
▶︎適切なサイズの選び方
▶︎メーカーの決め方
▶︎年式について
▶︎店員の私だったらどうやって選ぶのか
こんな内容でお伝えしたいと思います。

どのモデルがいいか?
といった段階よりも、もっと手前の基礎的な内容となっています。
↓動画版はこちら
最初に結論
最初に結論からお伝えすると・・
▶︎メーカー選びよりも、サイズ選びが重要です。
▶︎メーカーは、シャープを軸に考えて、他にパナソニック・ダイキンが候補です。
▶︎この3社ならメーカーに強くこだわる必要はないと思います。
こんな内容です。
じゃあ、それぞれもう少し詳しくお伝えしていきます。
加湿付きモデルが主流
1つ先にお伝えしておきたいのですが、このページでは、主に加湿付きの空気清浄機を扱います。
というのも、今となっては、加湿のない空気清浄機は、無くはないんですが、数が少なく選びにくい状況となっています。
参考 加湿機能なし
シャープ FU-P50
例えばシャープの場合・・
▶︎FUから始まるモデルは空気清浄機
▶︎KC・KIから始まるモデルは加湿付き空気清浄機
このように型番が異なります。
価格コムや、ネットショップのページを見ても、加湿なしモデルは多くはないことがわかると思います。
そんなわけで、空気清浄のことだけを考えたとしても、自然と加湿付きのモデルに行き着くという状況となっています。
ですから、加湿機能がつくことに関しては、「そういうものなのね」って思ってもらえるとありがたいです。
最重要
サイズの選び方
じゃあ、一番重要なサイズの選び方に関してです。
空気清浄機のスペック表には、適用床面積というものが書いてあります。
例 シャープ
お手頃定番シリーズ KC-P50
例えば、お手頃価格の加湿空気清浄機の定番に、シャープのKC-○50シリーズがあるんですが、このモデルには、空気清浄23までといったように記載があります。
最新はR世代なので、現行品はKC-R50となります。
この適用床面積は、空気清浄機を選ぶ上でとても大事な意味を持っているのですが、まぁこれが非常に紛らわしいこと紛らわしいこと。
ということで、まずはこの部分からお伝えしたいと思います。
適用床面積って聞くと、「記載のある広さの部屋で使うのに適している」って思っちゃいますよね。
ですが、実はそういう意味ではありません。
空気清浄機の適応床面積は、30分で空気をきれいにできる広さを表しています。

ちょっと想像してみてください。
空気がきれいになるまで30分ですよ。
帰宅時に衣類にから落ちた花粉が回収されるまで30分ということです。
匂いに置き換えると、部屋に漂うカレーヌードルの匂いが取れるまで30分。
「遅っそ」って思いませんか?
30分では遅いんです。
目安は適用床面積の
2分の1〜3分の1
じゃあ、どれくらいがいいのかと言われると、明確なラインはないものの、理想的なのは10分という感じですかね。
それでどうするかというと・・
30分かかっていたものを10分
つまり3分の1の時間で済ませたいわけですから
大まかに、3分の1の広さで使用すれば10分に近づけることができます。

まぁ、そこまで行かなくても、1/2にして、12畳くらいまでで使うのがおすすめとなります。
ネットなんかで空気清浄機の選び方みたいなものを検索すると・・
「部屋の広さの2〜3倍くらいの適応畳数を選びましょう。」
みたいに書いてあったりします。
「なんでそんなに大きいの買わなきゃいけないの?」
と腑に落ちないように感じている方もいるかもしれません。
適応床面積は・・
▶︎そもそもちょうどいい部屋の広さを表しているものではなく
▶︎ただ単に30分でキレイにできる広さを表しているだけのもの
▶︎ちょうどいい部屋の広さは、別で考えないといけないですよ
ということを手短に表すと、こういう表現になってしまうんですね。
部屋の広さの2〜3倍というのは、何も、必要以上に大きいものを買えっていう風に言っているわけではなくて、適切な空気清浄スピードを実現するためには、必然的にそういう選び方になるということなんです。
まぁ、今お伝えしたことを踏まえて選ぶと、
「思ったよりも本体サイズが大きくてびっくり」
とか
「予定していた予算を大きくオーバーしちゃう」
なんていうこともあると思います。
その辺は、空気清浄の必要度合いに応じて調節してもらえればと思います。
加湿もチェック
じゃあ次は、空気清浄だけでなく、加湿機能も合わせてチェックしていきましょう。
もう一度同じモデルを例にします。
このモデルの場合、加湿の適用畳数は・・
▶︎木造和室で8.5畳
▶︎プレハブ洋室で14畳
となっています。
まぁ、これはざっくり言えば・・
戸建やアパートなど、木造や鉄骨なら8.5畳まで対応。
マンションなどのコンクリート造りの建物なら14畳まで対応
ということを表しています。
で、これを見た時に、なんか変だなって思うことはありませんでしょうか。
空気清浄は23畳なのに、加湿は8.5から14畳です。
それぞれの対応畳数がチグハグで、バランスが悪いように見えます。

でも、皆さんもうわかりますよね。
これを、先ほどのサイズの考え方の話に当てはめると、
空気清浄の23畳を1/3〜1/2にして
約8畳から12畳で使うのが適切となるわけです。

つまり、加湿能力から考えても、このモデルは8.5から12畳くらいがちょうどいいんだなぁということがわかります。

木造の場合の加湿の適用畳数は、空気清浄の適応床面積のおおむね3分の1くらいになっています。
特に戸建の方は、この数値を見て選んでもらうのが、わかりやすくていいんじゃないかと思います。
エアコン暖房は要注意
補足なんですが、空気清浄の適用床面積と違って、加湿の適用床面積はそのまま、ちょうどいい部屋の広さを表していると思ってもらって大丈夫です。
ただし、注意が必要なパターンもあります。
それは、エアコンで暖房している場合ですね。
みなさんご存知のように、エアコンの暖房は、空気が乾燥しやすいです。
ですから、ピッタリサイズの加湿能力では、湿度が上がらないこともよくあります。
ネットの情報なんかで、「加湿空気清浄機では湿度が上がりにくい」みたいに買いてあるのを見かけることがあるかもしれません。
店頭でもそういった相談は受けるんですけど、使用状況をお聞きすると
・適切なサイズを選んでいない
・エアコン暖房を考慮していない
この辺が原因と思われるパターンが大半です。
そんなわけで、エアコンで暖房している場合は、1つ大きなサイズで選んでいただくことをおすすめします。
加湿に関しては、空気清浄よりも結果がシビアに表れてしまうので、より念入りにサイズを選んでいただくことをおすすめします。
ここまでサイズの選び方についてでした。
少しおさらい
ここまでの話をさっとおさらいしておくと・・
▶︎空気清浄機の適応床面積は、ちょうどいい部屋の広さを表しているわけではありません。
▶︎使う部屋の広さは、適応床面積の理想は3分の1、そこまで行かなくても、2分の1くらいまでで使うのがおすすめです。
メーカーの選び方
じゃあ次は、メーカーの選び方についてお伝えしたいと思います。
メーカーは・・
シャープを軸に、パナソニック・ダイキンあたりが候補です。
空気清浄は、たくさんのメーカーから発売されていますが・・
▶︎リビングにおすすめできるようなサイズをラインナップしている
▶︎気軽に家電店で探せるようなもの
この2つをクリアするものって考えると、この3社くらいしか当てはまらないように思います。
それで、メーカーはどこにするかっていう話なんですけど、ざっくり言えばこの3社ならどこでもいいと思っています。
というのも、空気清浄機に関しては、どのメーカーを買うかよりも、部屋の広さにあったサイズを選ぶことの方が重要だと思うからです。
おすすめは最初にシャープ
選ぶ順序の目安としては、シャープを軸に見ていくといいですかね。
理由は簡単で、価格が手頃なケースが多いからです。
逆にパナソニック・ダイキンは価格高めの傾向となっています。

ただ、もし価格差が1万とか2万とかあるようならば、ちょっと立ち止まって考えてみた方がいいかもしれません。
現行モデルで比較
では、現在生産中のモデル同士で比べてみましょう。
例えば、シャープの現行品 KC-R50で言うと、家電量販店のネット通販価格で33,000円程度ですね。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜23畳 |
加湿適用床面積 | 木造8.5 コンクリート14畳 |
それに対して、パナソニックのFV-C55XVが5万円前後。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜25畳 |
加湿適用床面積 | 木造8.5 コンクリート14畳 |
ダイキンのMCK55Zが67,000円程度。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜25畳 |
加湿適用床面積 | 木造8.5 コンクリート14畳 |
どれも同じ程度の適用床面積で揃えてみました。
この場合、
▶︎シャープはプラズマクラスター機能が、一番下のランクの7000
それに対して
▶︎パナソニックはいい目のイオン機能であるナノイーXもあり、使い勝手の良い前面吸気を採用しています。
▶︎ダイキンはストリーマ&アクティブプラズマイオン採用
と、それぞれシャープよりもやや格上という雰囲気があります。
高機能=おすすめ
ではない
だからと言って、必ずしもパナソニック・ダイキンがおすすめになるとも限りません。
なぜなら、5万ほどの予算ということなら、シャープの一つ大きいサイズ、KI-RX70が見えてくるからです。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜31畳 |
加湿適用床面積 | 木造12.5 コンクリート21畳 |
KI-RX70は、先ほどの3台よりも空気清浄の適応床面積・加湿能力共にワンサイズ大きくなります。

とこのように、空気清浄機に関しては・・
価格の高いメーカーを選ぶことに予算をかけるよりも、
手頃な価格のメーカーで1サイズアップすることに予算を割いた方が効果的
というふうに考えています。
購入時に有利なものでOK
購入のタイミングに、たまたまセールなどでパナソニックが安ければパナソニックでいいと思いますし、ダイキンが安くなっていればダイキンで良いと思います。

旧型お買い得品の例
ダイキン ACK70X
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜31畳 |
加湿適用床面積 | 木造12畳 コンクリート19畳 |
購入のタイミングや購入場所に合わせて、お得なものを選ぶ格好でOKです。

年式
重要度→低
次は年式の話です。
空気清浄機は、大体1年周期でモデルが入れ替わります。
春の花粉のシーズンには、各社新型モデルが並んでいる感じですね。
(ものによっては、旧型が残っているケースもあります)
空気清浄機も、需要が高いシーズン、つまり春が来る前に新型が出ます。
要するに、必要な時期には価格が高い状態になるようなスケジュールになっています。
1つ上にリンクを貼ったダイキンの場合、現行品だとここまで価格が上がります。
MCK70Z
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜31畳 |
加湿適用床面積 | 木造12 コンクリート19畳 |
性能の変化は少ない
それで、モデルチェンジについてなんですけど、数年に1度のフルモデルチェンジ以外は、基本的にほとんど性能が変わりません。
新型と旧型が同じ見本品で、商品説明のシールを貼り替えるだけ。みたいなこともザラにあります。
ですから、特別な理由がない限り、年式にこだわる必要はないんじゃないかと思います。
私だったらこれを買う
じゃあ、最後に、これまでのおさらいを兼ねて、私だったらどれを買うかっていうシミュレーションをしてみたいと思います。
▶︎我が家はコンクリートのマンションで、LDKで約15畳程度
▶︎冬は乾燥が気になるので、加湿能力も部屋に見合ったもの
こんな条件で選ぶことにします。
価格コム上位はほぼ旧型
まず、みなさんも参考にするであろう、価格コムでもチェックしてみます。
こうやって見てみると、価格コムの上位モデルはほぼ旧型ですね。
まだ在庫が残っているケースもあると思いますが、完売の場合もあると思います。
ネットで調べて、店舗で買うっていう予定の方はご注意ください。
定番お手頃シリーズ
じゃあ、まずは、定番 シャープの50が付くモデルですかね。
シャープ KC-J50
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜23畳 |
加湿適用床面積 | 木造8.5畳 コンクリート14畳 |
2018年発売のモデルということで、今から4つ前の世代になります。
家電店で見かけることはないでしょう。
発売は古いとはいえ、現行のKC-R50とさほど違いはありませんので、お得なことは間違い無いです。
価格的にも、本体サイズ的にも、これくらいで済んだらいいよなぁっては思います。
ただ、我が家の環境15畳にこれでは、さすがにちょっと頼りないですね。
というわけで、もう少し大きめが欲しいので、70以上の数字が入ったモデルを探します。
本命2つ
そうなると、1位のダイキンが当てはまります。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜31畳 |
加湿適用床面積 | 木造11畳 コンクリート18畳 |
これは適用畳数としては良さそう。
でも、家電量販店での扱いないですね。
どうやら住宅設備ルート向けの商品のようです。
私はあんまり知らないお店で買うのには気が進まない派です。

というわけで保留。
次はシャープのKI-PX70。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜31畳 |
加湿適用床面積 | 木造12.5畳 コンクリート21畳 |
これも適用畳数は良さそう。
しかも、プラズマクラスターNEXTというプラズマクラスターの中でも一番上位のものが搭載されています。

価格的にも、現行品なら5万越えレベルのものなので、お得感もあります。
これが暫定1位ですね。
パナソニックもチェック
シャープの候補が決まったので、ここで一旦、パナソニックをチェックしに行ってみます。
同じくらいの適用床面積だと、このF-VC70XVですかね。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜31畳 |
加湿適用床面積 | 木造12畳 コンクリート19畳 |
パナソニックは、旧型の掲載があまりなく、現行品が候補になります。
家電量販店やAmazonでは7万円近い価格。
カラーバリエーションが3色と、お部屋に合わせて選びやすい利点があります。

まあ、それにしてもこれはちょっと高すぎです。
このサイズに7万円出すなら、シャープの1つ大きいサイズを買った方がいいです。
1グレード上をチェック
KI-PX70の1つ上のグレード、KI-PX75もチェックして見ます。
加湿機能 | あり |
空気清浄適用床面積(30分) | 〜34畳 |
加湿適用床面積 | 木造15畳 コンクリート25畳 |
KI-PX70と空気清浄能力は大きく変わらないものの、KI-PX75はプレフィルターの自動お手入れがついて、加湿能力もワンランク上がるんですよね。
ということで、最後はシャープ2機種で一騎打ちですね。
KI-PX70に決定
まぁ、今回は1万5千円ほど価格が違うので、KI-PX70に決まりですかね。
価格差が1万円以内ならPX75にしようかなぁってなると思います。
と、こんな感じで選んでいくようになります。
シャープは価格は手頃傾向ですが、実績もありますし、目立ったデメリットもないので、おすすめできます。
さて、思ったよりも長くなってしまったので、今回はここまでにしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。