ゴールデンウィークに夏休みと長期休暇には海外旅行を検討されている方もいるんじゃないでしょうか?
旅の準備は万端にしておきたいものですよね。家電の部分ではデジカメ、携帯電話はもちろんシェーバーやドライヤーなども多くの方は使い慣れたものを持って行きたいと思うんじゃないでしょうか。
そこで疑問
「これって海外で使えるの?」
今日はそんなお話をしたいと思います。
海外に家電を持って行きたいんだけど
海外で日本の家電を使うためには2つの条件があります。
①電圧が対応している
②コンセントの形状が合っている
この二つが両方そろって初めて家電を使用することが出来ます。
ちなみに日本のコンセント電圧は100Vで、当然家電製品も100Vで動作するように製造されています。
それで、海外はどうかというとほぼ全域100Vではありません。
ご覧の通り海外の電圧は110V-240Vの地域が大半です。ですから、100V専用の家電は使うことが出来ないんですね。
そこで登場するのが変圧器
「変圧器を使えばいいんじゃないの?」そう思いますよね。確かにそれで解決することもなくはないのですが、実はそれは結構レアパターンなんです。
なぜかというと、変圧器を利用して使える電力は非常に小さいからです。
例を見てみましょう。
130Vと240Vの電圧を100Vに変圧してくれる優れものです。
世界中のコンセントの電圧を日本の家電むけ100Vにしてくれるわけです。「これがあれば安心じゃない」そう思いますよね。ですが、注意しなければいけない点もあるんです。
注目しなければいけないポイントは容量130Vで210W、240Vで75Wの部分です。この器具で使える電力の合計は200Wという意味ですね。
▶︎200Wの電気ってどれくらいなの?
これは普段から消費電力を気にしているような人で無いと分からないですね。
60W型の電球3つで消費電力は約180wです。お風呂とトイレと洗面所の電気をつけたらお終いです。分かりにくい説明かもしれませんが、まぁ、たいした電力は使えないってことが言いたかったんです。
携帯電話、デジカメ、電気シェーバー、パソコン、ゲーム機などの充電には充分な電力ですが、ドライヤー、アイロン、ポット、炊飯器など熱の発生を伴う家電には全然足りません。
変圧器で対応できる家電は思った以上に少ないことになります。
大きな消費電力に対応の変圧器
ネットで変圧器について調べているともっと大きな電力を取り出せる変圧器も見受けられますね。こういったものは注意が必要なのでよく確認してからお求めください。
①熱器具専用変圧器
オンオフだけの熱器具、つまりシンプルな構造の家電しか使えない代わりに、比較的大きな電気を取り出すことができる変圧器です。
ただし、電子制御が入った家電を使うと故障してしまいます。
具体的には
▶︎液晶表示のあるもの
▶︎ACモーターを搭載しているもの
▶︎運転調節のつまみがあるもの
こういった家電は使うことができません。簡単にいうとオンオフのスイッチだけしかついてなくて、他の操作ボタンやレバー、運転内容表示が一切ついていない家電です。具体的にどんな家電ならOKかと言われると、ちょっと思いつかないくらい厳しい条件ですね。
最近の家電で電子制御が使われていないというものはまぁごく稀ですし、ドライヤーなんかは1200Wが主流で容量オーバーです。現実的には活躍の機会はほとんどないかと思います。
②小型で手頃でやたらと高性能な変圧器
アマゾンなどのネット通販で変圧器を探しているとコンパクトでお手頃価格、しかも大きな電力を取り出せる商品が見受けられます。
主に海外品のようですが、私の感覚からすると「それは無理があるよね」という性能になっています。まぁ、実際に使ったわけではないので断言はできないのですが、口コミを見る限りではちょっとチャレンジングなお買い物になりそうな雰囲気があります。はっきり言ってしまえば怪しいですね。説明文や仕様も変なところがたくさんありますし・・
後ほどまた触れるのですが、変圧器の仕様は自己責任です。変圧器のトラブルや使い方のミスで家電が故障してしまっても保証を受けることはできません。メーカーさんは国内専用として販売しているわけですからね。
ちなみに国内メーカーのカシムラから発売されている1500Wまで使える変圧器はお値段2万円以上で重量が6kg、本体もティッシュ箱くらいの大きさがあります。カシムラ 海外国内用型変圧器 220-240V/1500VA NTI-20 これくらいの金額を出してもまだ、連続運転には向かない・器具によっては大きくゆとりをもたせて使うなどそれなりに使用条件があります。
これを軽量コンパクトで、値段も4千円前後の商品で同じにできるのかなぁ?と疑問に思ってしまいます。
いずれにしても”変圧器の過信は禁物”ということをお伝えしたかったです。
でも携帯もデジカメも充電必要じゃない!!
そうですね。携帯やデジカメは必須アイテムです。旅の思いのを残したいですから、充電できないって訳にはいきませんよね。
だからと行って結局変圧器が必要なのかといえば、そうではありません。
海外旅行によく持っていかれる家電はもともと変圧器を内臓している場合が多いです。
特に最近のデジカメはほぼ全て変圧器を内臓していますし、携帯電話も対応しているものが多いですね。
見分けるポイントは簡単で、充電器やACアダプターに100-240Vという記載があれば変圧器内臓です。
これはiphoneのACアダプターです。画像がとっても見づらくてすいません。(実物も見づらいです)
よーく見ると”input 100-240V”と記載があります。
こちらはパナソニックシェーバーのACアダプターです。”入力 100-240V”と記載がありますね。
こういうものは変圧器がなくてもコンセントとプラグの形状を合わせれば海外でも利用することが出来ます。
変圧器がなくても使える可能性のある家電は
・デジカメ
・パソコン
・電気シェーバー
※必ず説明書や仕様書で海外対応かご確認下さい。
逆に変圧器があっても使えない家電は
・ヘアドライヤー
・ヘアアイロン
・衣類用アイロン
・ポット
・炊飯器 など
こういった消費電力が大きいものは変圧器を買ったからといって使用は出来ません。
つまり、
▶︎海外電圧対応なし
▶︎低消費電力
この2つを同時に満たす家電を使うときだけ変圧器が活躍できる可能性があるわけです。
ただし、注意が必要なのは”変圧器を使ったからと言って必ず動作する保証はない”と言うことです。
あらかじめ海外に対応していない製品=日本国内専用品と考えて頂ければほぼ間違いはありません。
こちらのページをご覧下さい。
任天堂 サポートページ
ソニー PlayStationサポートページ
海外に持っていく可能性の高いものとして、携帯ゲーム機のサポートページを読んでみました。
携帯ゲーム機は低消費電力なので一見海外で使用できそうな気がします。
ですが
任天堂3DS 専用ACアダプターが必要(国内未発売)
PSVITA 海外対応ですが、変圧器は使わないで下さい。(変圧器は使わずに充電できます。)
といった内容が書いてあります。お話した通り、変圧をしたからといって海外で使って良いということにはならないんですね。
確かに、たいていの場合は変圧器を使えば海外でも家電を動作させることが出来ます。でもそれは”動作している”というだけで、使用してもOKというわけではありません。
海外での使用や変圧器を利用した家電の使用は基本的にメーカー保証外です。自己責任での利用になってしまうわけですね。
ですから正直”そんなに必要ない”が私の変圧器に対する意見です。
もう一つの条件 コンセントの形状
▶︎海外対応の家電品を使用する場合(携帯やデジカメの海外対応品)
▶︎変圧器を使用して家電を使用する場合(自己責任において)
どちらのパターンであっても
”コンセントとプラグの形状が合っている”の条件もクリアしなければいけません。
海外対応の家電品とは言ってもそれは電圧の話であって、コンセントにそのままさせるとは限りません。
ちなみに日本のコンセントプラグの形状はA型です。地球の歩き方ストアのページをご覧頂くと分かるように、A型プラグを採用している国は少ないです。
その場合コンセントプラグの形状変換が必要ですが、これは簡単で変換プラグを間に噛ませるだけでOKです。
注意点としは、国によっては国内でコンセントの形状が複数存在する場合があります。日本はA型統一で良いのですが、例えば中国だとAの他にB・B3・BFなど様々な形状のコンセントが見られるようです。
そんなときには、セット品を購入するか、変形させて全世界対応できる変換プラグを購入する必要があります。
▼セット品の例
▼変形タイプの例
①電圧を合わせる
②コンセントの形を合わせる
これで準備はOKです。
じゃあ変圧器で使えない家電はどうすればいいの?
ヘアアイロンやドライヤーも使い慣れたものを持っていきたいという方は多いでしょう。
ですが、これまでお話してきたようにこれらの家電は消費電力が大きので、変圧器を使っても海外で使用することは出来ません。
では、どうすればいいのかなんですが、海外対応の商品を購入する。これしか方法がないんですね。
いくつか海外対応の商品の例を貼っておきますので、チェックして見てください。
▼ドライヤー
▼カールドライヤー
▼ヘアアイロン
▼炊飯器 220-230V仕様
※国内では使用できません。
▼ポット
こういった海外対応の製品を購入して頂くのが一番安心かつ唯一の方法と言えるかと思います。
宿泊先によってはドライヤーなどは備わっていることも多いかと思います。”準備は万全に”というお気持ちもわかりますが、家電においては必要最低限のものだけ買ってムダを出さない考え方の方がいいかもしれません。
まとめ
海外旅行を快適に過ごす為に家電品を持って行きたいと思うのは当然ではありますが、残念ながら変圧器があれば全部OKとはいかないわけですね。
せっかくの海外旅行ですから確実な方法を取るのがベストだと思いませんか?それならきちんと海外対応の商品を選びましょう。
思ったよりも長くなってしまいましたが変圧器の解説と海外で日本の家電を使うためのお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。旅行が快適なものになるといいですね。ではまた。